「築10年のマンション売却の相場は? 高く売れる?」
築10年のマンション売却でお悩みですね。
築10年を超えると住宅ローン控除が無くなり、売却には良いタイミング。
今はマンション相場が高騰しているので、値上がりも期待できます。
この記事では、築10年のマンション売却で必要な知識を分かりやすく解説します。
- 築10年マンションの値下がり率と売却相場
- 築10年のマンション売却の7つの注意点
- 築10年マンションを高く売る3つのコツ
あなたの築10年マンションの売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
築10年マンション売却価格の相場
国交省の資料では-26%の値下がり
国土交通省がまとめた資料によると、築10年マンションの建物価格は、新築時より-26%の値下がりとされています。
中古マンションの建物価格
(ヘドニック法による分析)
でも今は値上がりしているよね?
そうなんだ。
新築マンションが大きく値上がりしているから、中古も値上がりしているよ。
新築は10年で58%〜76%値上り
新築は首都圏+76%、関西圏+58%、中部圏+69%
新築分譲マンションは、2013年以降の日銀の金融緩和の影響で大きく値上りしています。
新築分譲マンションの平均単価の推移
地域 | 2012年 | 2023年 |
---|---|---|
首都圏 | 64.5万円/m2 | 122.6万円/m2 (+76%) |
近畿圏 | 49.1万円/m2 | 79.0万円/m2 (+58%) |
中部圏 | 41.4万円/m2 | 73.7万円/m2 (+69%) |
新築はスゴイ値上りしているんだね!
中古マンションは、今の新築価格を元に決まるんだ。
地域によって値下がり率は違うから、それぞれ見てみよう。
築10年は今の新築から24%〜37%値下がり
中古マンション価格は今の新築価格を元に決まり、地域によって値下がり率は違います。
首都圏は築10年で新築から24%値下がり
マンションの築年数と平均成約単価
(首都圏・2021年)
近畿圏は築10年で新築から26%値下がり
マンションの築年数と平均成約単価
(近畿圏・2022年)
中部圏は築10年で新築から37%値下がり
マンションの築年数と平均成約単価
(中部圏・2022年)
地域でずいぶん違うんだね!
そうだね。新築の値上りを考慮すると、今の築10年マンションの相場が分かるよ。
築10年は実質5%〜45%値上り
新築マンションの値上がりと中古マンションの値下がり率を考慮すると、今の築10年マンションの相場が分かります。
首都圏は築10年で実質45%値上り
マンションの築年数と平均成約単価
(首都圏・2012年→2023年)
近畿圏は築10年で実質17%値上り
マンションの築年数と平均成約単価
(近畿圏・2012年→2022年)
中部圏は築10年で実質5%値上り
マンションの築年数と平均成約単価
(中部圏・2012年→2022年)
スゴイ!
新築から10年も住んで、値上りしてるんだ!
お得だよね。
築10年マンションは今なら高値売却が期待できるよ。
平均でこれだけ値上がりしてるなら、人気のエリアはもっと値上がりしてるってことだね。
じゃあ自分のマンション価格はどうやって調べたらいいの?
ネットでマンションの価格診断を見たら良いの?
匿名のマンション価格診断は、誤差が大きいので参考程度に考えた方が良いよ。
マンション価格診断は参考程度に
匿名でマンション価格を診断するサービスは、誤差が大きいため鵜呑みにすると危険です。
なぜなら匿名のマンション価格診断では、「レインズ」の成約情報を使えないため。
レインズの成約情報を使えない
匿名のマンション価格診断サービスは、レインズの成約情報が使えないため、仕方なくネット上の無料情報を寄せ集めて使っています。
レインズは、不動産売買の成約情報が記録された、国内唯一のデータベース。
国土交通大臣の指定する流通機構が運営しています。
レインズを利用できるのは不動産会社だけで、個人は利用できません。
またAIなどの価格診断サービスも、レインズの規約違反になるため、レインズを使えません。
でもAI診断とかスゴイんじゃないの?
確かにAIは画期的だけど、AIの元になる学習データが違っていると、診断結果も違ってしまうんだ。
AIも元データが違うと間違った結果に
残念ながら、マンションの成約情報(レインズ)を学習していないAIは、マンションの成約価格を正しく診断できません。
なぜなら、間違った元データを学習したAIは、価格診断でも間違った答えをするため。
AIとは、ざっくり説明すると「大量のデータを学習して、そのデータから規則性を読み取り、答えを推測するシステム」。
赤ん坊が学習して言葉を喋るようになるのと同じ様に、AIも学習して初めて機能するようになります。
そのため、「AIが正確か」は、学習に使うデータが正確かどうかが全てを左右するんです。
例えば、日本語と英語を大量に学習したAIは、日本語と英語の通訳が出来るようになりますね。
しかし、このAIに中国語を話しても、学習したデータに中国語がないので、全く翻訳できません。
つまり、マンションの無料情報をインターネットで集めて学習したAIは、レインズの成約情報とは違う診断結果になってしまうんです。
マンション価格のAI査定が急増しているので、主要なものをまとめました。ただしマンション価格のAI査定には重大な注意点があるので、合わせて解説しています。
マンション価格を正確に知るためにはレインズが必要だから、不動産会社に査定を依頼するしかないんだ。
不動産会社ならどこが良いの?
エリアでマンション売却実績が豊富な不動産会社を3〜6社選ぶのがコツだよ。
今のマンション価格を正確に知るなら
売買実績が豊富な3社以上に無料査定を依頼する
今のマンション価格を正確に知るなら、レインズを使える不動産会社に無料査定を依頼しましょう。
査定を依頼するときのコツは、
- エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
- 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる
エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。
また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。
不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。
ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。
実績が豊富な不動産会社はどこ?
都市部なら大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 203店舗
(首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 220店舗
(首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
ここまで築10年マンションの相場について解説しました。
次に築10年マンションを売却するときの注意点を解説します。
築10年マンション売却での7つの注意点
築10年マンションの売却では、次の7つの注意点があります。
それぞれ解説します。
注意点1. 買取でなく仲介で普通に売る
築10年マンションを売却するときは、不動産会社の買取でなく、なるべく仲介で普通に売りましょう。
なぜなら買取では、価格が相場の6〜8割に安くなってしまうため。
買取は価格が相場の6〜8割に安くなる
買取の場合、不動産会社は一般の買主(エンドユーザー)に転売して差額を利益にするため、相場より安くしか買い取りません。
買取と仲介の違いはこちらのイメージです。
一方仲介では、不動産会社の仲介で一般の買主に売却するため、相場通りの価格で売れますし、上手く売れば相場より高値で売れる可能性もあります。
築10年なら1割下げればすぐ売れる
買取を選ぶメリットは、売却の手間と時間がかからないということ。
しかし築10年マンションは需要が多いため、相場より1割程度下げるだけで、アッという間に売れてしまいます。
買取価格より高値でも、仲介ですぐに売れるので、あえて損する買取を選ぶ必要は無いでしょう。
買取価格まで値下げするなら、仲介で簡単に売れるってことだね。
そうだね。
もしどうしても不安なら期間限定で売る方法もあるよ。
仲介で一定期間だけ売る買取保証
買取保証は仲介で一定期間だけ普通に売り、売れなければ査定価格の90%などで不動産会社が買取るもの。
高値の売出しにもチャレンジでき、売れ残る心配もありません。
人気物件しか使えず、段階的に強制値下げされる
ただし買取保証は、3ヶ月以内に売れる人気物件しか使えません。
また売出し価格は段階的に強制値下げされ、最後は相場より安く売り出すことに。
人気物件が相場より1割安くなれば即完売するので、そもそも必要なサービスなのか疑問の声もあります。
買取になった事例は10年間でゼロ、大手は相次いで中止
実際に例えば野村の仲介+では、買取保証(買換保証)で売り出して買取した例は、過去10年間でゼロ。(2022年10月現在)
また大手の三井のリハウスと住友不動産販売は買取保証を中止しています。
買取保証について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産会社の買取保証(売却保証)は期間限定で家を売り出すもので、売れ残る心配がありません。ただし注意点もあります。買取保証の5つの注意点、代表的な不動産会社と選び方を解説します。
注意点2. 1社だけの話で決断しない
築10年マンションの売却では、1社だけでなく必ず複数の不動産会社の話を聴き比べましょう。
なぜなら不動産会社は会社によって方針が違い、担当者の当たり外れもあるため。
さらに今のマンション相場は価格の変動が急激で、売買実績が豊富な不動産会社ですら査定が難しいレベル。
複数の不動産会社に話を聞くことで、判断を間違うリスクは無くなります。
3〜6社に無料査定を依頼する
話を聞くタイミングは、売却を依頼する不動産会社を選ぶ前。
無料査定を3〜6社に依頼して、査定価格と話を聴き比べると良いでしょう。
査定価格を比較するためには最低でも3社以上、ただし話を聴き比べる手間を考えると多くて6社程度が限界です。
そんなに多くの不動産会社に話を聞くのは面倒だな。
マンションの売却は、不動産会社選びで8割決まる。
売り出したら後は不動産会社にお任せだから、最初だけ時間と手間をかけよう。
注意点3. 売却前にリフォームは不要
築10年のマンション売却では、売却前のリフォームは不要です。
なぜならリフォームにかけた費用を売却価格に上乗せできないため。
リフォーム費用を売却価格に上乗せできない
築10年でリフォームをする場合、どうしても過剰なリフォームになってしまいます。
買主が希望する以上のグレード・範囲でリフォームをしても、買主には割高な印象になりがち。
同じ価格なら買主はさらに新しい築5年未満のマンションに流れてしまいます。
国土交通省の調査でも、個人がリフォームしてもトータルで損をすることが分かっています。
家を売る前にリフォームは必要? 売却前のリフォームについて、国土交通省の調査結果から検証します。
もちろん築10年のマンションなら、微妙な痛みや設備の劣化はあるでしょうが、売主と買主では感じ方が違うもの。
売主目線でリフォームするより、買主が予算に合わせてこだわりの部分をリフォームする方が効率が良いのです。
でも壊れてるとこや目立つキズや汚れは、どうすればいいの?
最低限のリペアやクリーニングは、した方が良いよ。
最低限のリペア(補修)やクリーニングは必要
ただし築10年のマンションでも、部分的なリペア(補修)やハウスクリーニングは必要です。
具体的な費用の目安として30万円程度までなら効果があるでしょう。
マンション売却経験が豊富な不動産会社のアドバイスを参考にすると、効果的なリペア・クリーニングができます。
家の売却前に最低限の補修は必要ですが、部分的な補修で十分です。売却前の補修・リペアの程度を知る方法とお得な補修方法について解説します。
水回りなど自分でキレイにするのが難しい部分は、ハウスクリーニングで印象が良くなる。
詳しくは不動産会社に相談しよう。
家の査定に掃除は必要? 家の売却で必要な掃除と、査定価格を高くするための2つのポイントをまとめました。
注意点4. 売るなら大規模修繕の前
築10年のマンションを売却するなら、大規模修繕の計画前の方が良い場合があります。
なぜなら、大規模修繕をきっかけに、修繕積立金の不足が発覚し、毎月の修繕積立金が大幅に増額される恐れがあるため。
修繕積立金が大幅に増額されるとマンション価格は下がる
修繕積立金が大幅に増額されると、購入者にはマイナスの印象になり、マンション価格は下がります。
実際に値上げされる前でも、管理組合の議事録で値上げの予定が決まれば、売却価格に影響します。
1回目の大規模修繕の時期は築12〜15年頃なので、その計画が始まる築10年であれば、まだ影響ありません。
でも修繕積立金が不足するか予想する方法はあるの?
長期修繕計画を見れば、ある程度は分かるよ。
ただ一般の人が、確実に判断するのは難しいけどね。
長期修繕計画が見直されていない場合は要注意
築10年のマンションであれば、マンション毎に長期修繕計画があり、25年〜30年間の大規模修繕工事が計画されています。
修繕積立金も、この長期修繕計画に基づき計画的に積み立てられているため、本来は不足しません。
しかし次の理由から、修繕積立金が不足するマンションが増えています。
- 本来5年毎に長期修繕計画を見直す必要があるが、新築時から一度も見直されていない。
- 近年の工事費高騰や消費税増税を考慮していない。
- そもそも長期修繕計画が甘く、当初の修繕積立金が安すぎた。
- 管理組合が機能せず管理会社任せになり、大規模修繕工事の工事費が割高になった。
- 築10年までの売主保証を使わず、補修費を管理組合が負担した。
こういった場合、大規模修繕工事で業者から見積りをとり、初めて修繕積立金が大幅に足りないことが分かります。
外壁タイルの剥離トラブルが増えている
また特に近年問題になっているのが、外壁タイルの剥がれ。
そもそも新築住宅には、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって、10年間は売主側に修繕等の責任があります。
ただし対象となるのは「構造耐力上主要な部分(構造躯体)」と「雨水の侵入を防止する部分」のみ。
外壁タイルは対象外で、管理組合(所有者側)の責任で修繕しなくてはいけません。
外壁タイルの交換費用は3〜5%程度で見積もるのが一般的ですが、打音検査の結果で20%程度に増えるケースも。
このように、当初の見積額と実際の補修費用が大きく変わって積立金が不足することも多いのです。
マンション売却のタイミングで注意すべきは「大規模修繕」。大規模修繕とマンション売却の関係が5分で分かります。
なんだか難しくて、予想できないかも。
普通の人が判断できるのは、長期修繕計画が5年毎に見直されているか、それくらい管理組合が積極的に活動しているか、程度かもね。
注意点5. オーバーローンは対策が必要
築10年のマンションでは、売却代金だけで住宅ローン残債を返済できない『オーバーローン』の場合があります。
住宅ローンを完済しないとマンションは売れない
マンションを売るためには、売却代金+貯金などで、住宅ローンを完済(完全に返済)しなくてはいけません。
なぜならローンを完済しなければマンションの抵当権を抹消できないため。
マンションを売却するためには、抵当権を抹消する必要があるのです。
オーバーローンの3つの解決策
オーバーローンの場合、次の3つの解決策のどれかを選ぶことになります。
- 貯金などでローン不足分を補う。
- 不足分を無担保ローンで借り換える。
- 住み替えローンを利用して、新しい住宅ローンにまとめる。
いずれにしても、早めに銀行へ相談した方が良いでしょう。
新しい家を購入して住み替える場合は、今の住宅ローンの不足分を新しい住宅ローンとまとめる『住み替えローン』が便利です。
住み替えローンは、オーバーローンの家を買い替えるときに便利な方法。ただし注意点もあります。注意点と対策、そして手順をまとめました。
マンションを売却するだけなら、住み替えローン以外の2つの選択肢を選ぶしかないでしょう。
家を売ってもローンの残債が全て返せない…。オーバーローンを解決するための7つの方法を解説します。
住替えローンは、どこに申し込めば良いの?
今の住宅ローンを借りている金融機関にまず相談してみよう。
あとは不動産会社に相談すれば、提携している金融機関を紹介してもらえるよ。
注意点6. 買い替えは税金も考える
築10年のマンションは値上がりしていることも多いので、買い替えでは税金も予算計画に入れておきましょう。
売却だけなら3,000万円の特別控除で非課税
築10年のマンションを売却するだけなら、ほとんどの人は税金がありません。
なぜなら3,000万円の特別控除で、利益(譲渡所得)が3,000万円まで非課税になるため。
【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
特例を適用するためには確定申告が必要なので、翌年2月中旬〜3月中旬に忘れず済ませましょう。
しかし買い替えでは新しい家の住宅ローン控除と併用できない
しかし買い替えでは、3,000万円の特別控除は新しい家の住宅ローン控除と併用できません。
住宅ローン控除は2022年から税制改正で大幅に変更されています。
【参考】国土交通省・令和6年度税制改正
買い替えでは、どちらかお得な方を選んで利用します。
詳しくはこちらで解説しています。
家の買換えで、住宅ローン控除(減税)は使えるのか? 最大400万円を損しないため、簡易判断チャートを元に税金対策について解説します。
注意点7. 築10年の売却相場を知る
築10年のマンション売却で失敗しないためには、ザックリで良いので売却相場を知っておきましょう。
今売り出している競合と過去の売却事例を確認しておくと良いでしょう。
売り出している競合を確認する
売り出している競合は、主要な不動産ポータルサイトで確認できます。
ただし売り出し価格は売主の希望価格で、相場より大幅に高く売れ残っていることも多い。参考程度に考えよう。
過去の売却事例を確認する
相場を正確に反映しているのは実際に売買が成約した価格ですが、過去の売却事例は不動産会社しか見れません
過去の売却事例は、詳細を隠した概要だけ下記で見れます。
概要だけでも、ある程度は参考になるね。
最終的に相場を正確に知るために、不動産会社3〜6社に無料査定を依頼しよう。
築10年のマンションは、以上の7つの注意点を守ればそれなりに高値で価格で売れます。
次にさらに高値で売却するコツを紹介します。
築10年マンションを高く売る3つのコツ
築10年のマンションを高く売るコツはこちら。
それぞれ解説します。
コツ1. 売却期間に余裕をもつ
築10年マンションを高く売るためには、売却期間に余裕をみておきましょう。
高値を狙うほど、売却期間は長くなる
不動産は高値を狙うほど、売却期間が長くなります。
築10年マンションの場合、売り出してから成約までの期間の目安がこちら。
- 相場より1割安値 →1ヶ月以内
- 相場通り →3ヶ月以内
- 相場より1〜2割高値 →競合次第
築10年のマンションは人気があるので、比較的早く売れる傾向があり、相場通りに売り出せば3ヶ月以内に成約するでしょう。
不動産会社の査定価格は、3ヶ月以内に成約が予想される価格です。
さらに高値を狙っても、競合が少なければ十分売れる可能性があります。
高値を狙う場合は、競合をよく確認して、じっくり時間をかけて売りましょう。
売却期間は4ヶ月〜4.5ヶ月
マンションの平均売却期間は、4ヶ月〜4.5ヶ月。
最短でも成約から引き渡しまで1ヶ月かかり、内訳は次になります。
平均売却期間
(首都圏2023年)
マンションの売却期間は長期的に伸びていますが、今はコロナで競合が減って早く売れる傾向があります。
平均成約日数の推移(首都圏)
コツ2. 実績豊富で信頼できる不動産会社を選ぶ
築10年マンションを高値で売るためには、実績豊富で信頼できる不動産会社を選びましょう。
基本は大手3社を中心に選ぶ
築10年マンションを売却するなら、基本は大手3社を中心に選びます。
首都圏では、実績の大部分が首都圏の「野村の仲介」も含めてトップ4社で考えると良いでしょう。
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
圧倒的に大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が強いことが分かります。
マンション売却では、この3社を優先に考えた方が良いでしょう。
大手が強い理由
大手3社の実績がここまで圧倒的な理由はこちら。
- 広告の力が強い
- 大手不動産会社は主要な不動産ポータルサイトと提携しているため、広告料が安く、その分大量に広告を出せます。だから早く売れやすいという結果につながります。
- 相場の動きに詳しく、査定精度が高い
- 大手不動産会社は大量の広告を出しているため、常に購入希望者から多くの問合せを受けています。だから相場の動きをリアルタイムで知ることができ、査定の精度も高くなるのです。
- 大量の見込み客を抱えているため
- 大手不動産会社は、多くの問合せを受けているため、購入に至らなかったお客さんのリストを数多く持っています。売り出す時に、これらの購入意欲の高いお客さんへ確実に情報を伝える事ができるのです。
- 瑕疵保障などのオプションが豊富
- 大手不動産会社では、瑕疵を保証する「瑕疵保証」や期間内の売却を保障する「売却保障」など、売り主も買い主もメリットが多いオプションが豊富です。これも大手不動産会社が選ばれる理由の1つになっています。
じゃあ大手の1社にお任せで良いんじゃないの?
担当者の当たり外れもあるし、後で後悔しないために3〜6社に話を聞いたほうが良いよ。
3〜6社の不動産会社の話を聞き比べる
信頼できる不動産会社・担当者を選ぶために、3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べましょう。
複数の不動産会社の話を聴き比べることで、信頼できそうな不動産会社・担当者が分かります。
またここで複数の不動産会社に話を聞いておくと、後で迷ったり不安になることが防げます。
「本当にこの査定価格で良かったのだろうか…」
「リフォームした方が高く売れたんじゃないか…」
こういった迷いや不安が、無くなります。
不動産会社の数は、少なくとも3社、できれば最大6社に無料査定を依頼して、話を聞き比べましょう。
コツ3. 一般媒介契約で大手2〜3社と契約もあり
築10年マンションでは、一般媒介契約で大手2〜3社と契約して売り出しても良いでしょう。
なぜなら築10年マンションは売れやすく、大手が抱える大量の顧客に積極的に営業してもらえるため。
両手狙いで積極的に顧客へ営業する
大手不動産会社は両手仲介を狙って、積極的に顧客(マンション購入検討者)に営業します。
両手仲介とは、売主に売却を依頼された大手不動産会社が自社で買主も見つけること。
通常の仲介『片手仲介』との違いはこちら。
両手仲介は悪いことでなく、顧客を多く抱える大手では半数以上が両手仲介です。
顧客を多く抱える大手2〜3社に同時に売却を依頼することで、各社が抱える顧客へ営業してもらえます。
一般媒介契約は複数と同時に契約できる
一般媒介契約は複数と同時に契約できる契約です。
媒介契約には3種類あり、契約の自由度が違います。
媒介契約の比較
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任 媒介契約 |
---|---|---|---|
特徴 | 自由な契約 | 一般的な契約 | 厳しい契約 |
こんなタイプの人向き | 不動産の売却経験がある人 | 普通の人 | 多少損でもお任せしたい人 |
実際の契約数 (2022年実績) |
33% | 51% 一番多い |
16% |
他社との媒介契約 | ◯ | × | × |
自分で見つけた相手との直接契約 | ◯ | ◯ | × |
契約の有効期間 | 制限なし (行政指導により3ヶ月が一般的) |
最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
指定流通機構(レインズ)への登録 | × 登録義務なし |
◯ 契約から7日以内 |
◯ 契約から5日以内 |
業務処理状況の報告義務 | 規定なし | 14日に1回以上 | 7日に1回以上 |
じゃあ2〜3社じゃなくて、10社20社と多く依頼したら、もっと沢山営業してもらえるんじゃないの?
あまり多くの不動産会社に売却を依頼すると、不動産会社に不信感を与えて逆効果になる。
せいぜい3社程度にしておいた方が良いよ。
ただしサポートが必要なら専任媒介で1社と契約
ただし不動産会社のサポートが必要なら、1社と専任媒介契約を結んだ方がいいいでしょう。
なぜなら一般媒介契約では、不動産会社に質問や相談をしてもあまり相手をしてもらえないため。
1社だけに任せることで、手厚くサポートしてくれますし、分からないことも相談に乗ってもらえます。
ある程度勉強して、不動産会社に頼らない覚悟があるなら一般媒介も良いでしょう。
一般媒介契約は、複数の不動産会社と並行して契約できるので、早く高く売れやすいという意見もあります。しかし一般媒介には注意点も多く、売却を成功するにはちょっとしたコツも必要。失敗しないための注意点、向いている物件などをまとめました。
まとめ
築10年マンションは今なら高く売れます。
築10年マンションの売却での7つの注意点はこちら。
また築10年マンションを高く売る3つのコツはこちら。
都市部なら大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が実績豊富。
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