住宅ローンが返せないイメージ
「家を売っても、住宅ローン残金より安い…」
「貯金を切り崩して、住宅ローンを完済するしかない…」

これは、住宅ローン残債が家の売却価格より高い「オーバーローン」という状態。

とても残念な気持ちになってしまいそうですが、実は新築で家を購入した多くの方が、同じようにオーバーローンになっています。

そのために、国もオーバーローンの人に対して救済策を用意しています。

その救済策とは、損した分については、所得税や住民税が戻ってくるということ。

正式な名前は、「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という特例です。

ここでは税金が戻ってくるために必要な条件と申告手続き、注意点について解説します。

この特例を使うメリット

「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」によるメリットは…

  • 家を売ったことによる損失(図で損失A)
  • 売却価格から返済できる住宅ローン残債の不足分(図で損失B)

損失のイメージ
のどちらか少ない方の金額を、

  • 給与所得など他の所得と相殺(損益通算)できる。
  • 1年で損益通算しきれなければ、翌年以降最大3年まで繰り越せる。

というもの。

その結果、サラリーマンなら給与で源泉徴収されていた所得税と住民税が戻ってきます。

参考:No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)・国税庁

この特例を使う注意点

注意点はこちら。

  • 住まなくなって3年以内に売却した場合のみ。3年以上だと適用外。(正確には、住まなくなった日から3年目の12月31日以降は適用外)
  • 購入してから5年以上保有した場合のみ。5年未満だと適用外。(正確には売却した年の1月1日時点で5年未満は適用外)
  • 売却した年の前年と前前年に、他の不動産を売って税金の特例を受けていると適用外(詳しくは後で説明)。
  • 確定申告が必要。損失を繰越した場合は、それぞれの年に確定申告が必要。
  • 親族に売却した場合は適用外(詳しくは後で説明)
  • 家が2軒ある場合は、主に住んでいた方の家のみが対象。
  • 事務所兼住居や賃貸併用住宅などの場合は、住居部分のみが対象になる。
  • 今のところ2019年12月31日まで

この特例を使うために必要な条件まとめ

特例を受けるために必要な条件はこちら。

  • 自分が住んでいるマイホームを売却(譲渡)すること。
  • 居住用の家を2軒以上所有する場合には、主として主に住んでいる家に限ります。
     また、家に居住用以外の部分(事務所や賃家など)がある場合には、居住部分に限ります。
    特例の対象となる家
  • 以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡すること。
    住まなくなってから3年イメージ
  • 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えるマイホーム(譲渡資産)で日本国内にあるものの譲渡であること。
    所有期間5年超
  • 売買契約日の前日において、住宅ローンの償還期間が10年以上あること。
  • 合計所得金額が3,000万円以下の年しか繰越し控除できない。
  • マイホームを売却した年の前年及び前々年に次の特例を適用していないこと。
    • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例(措法31の3)
    • 居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除(措法35)(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)
    • 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2)
    • 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の5)

    対象となる特例の期間1
    詳しくはこちらもあわせてお読み下さい。
    家を売って税金? 譲渡所得とその税金の計算方法とは

  • マイホームを売却した年の前年以前3年以内の年において生じた他のマイホームの譲渡損失の金額について、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算の特例を適用していないこと。
    特例の対象期間2
  • マイホームを売却した年又はその年の前年以前3年内における資産の譲渡について、マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41の5第1項)の適用を受ける場合又は受けていないこと。
    特例の対象期間3
  • 期限は平成30年度(2018年度)の税制改正により、平成31年(2019年)12月31日までに延長されました。
    参考:平成30年度税制改正のあらまし・国税庁
  • 所有権だけでなく借地権も含まれる。
  • 譲渡する個人の親族等に対する譲渡及び贈与又は出資による譲渡でないこと。
    親族は適用外
    親族とは…

    1. 配偶者及び直系血族(祖父、祖母、父、母、子、孫など)
    2. 配偶者及び直系血族以外の親族で、生計を一にしている者
    3. 配偶者及び直系血族以外の親族で、売却後にその家屋に売り主と居住する者
    4. 婚約者や内縁の妻などやその親族で生計を一にしている者
    5. 1から4に該当する者及びその個人の使用人以外の者でその個人から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者及びその者の親族でその者と生計を一にしている者
    6. その個人、1〜3に該当する親族、その個人の使用人若しくはその使用人の親族でその使用人と生計を一にしている者又はその個人に係る4及び5に該当する者を判定の基礎となる株主等とした場合に同族関係その他これに準ずる関係のあることとなる会社その他の法人
  • (注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。
    • その敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであること。
    • その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
    • 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

この特例の申請方法

売却した年に確定申告をする

売却した年の確定申告を提出します。

確定申告についてはこちらも参考に

提出期間

 翌年2月16日〜3月15日
(一般的な確定申告の提出期間です)

提出方法

 確定申告提出時の居住地を所轄する国税局へ提出
こちらから郵便番号で確認できます。)
税務署の所轄

一番簡単でおすすめな確定申告提出方法は、

  1. 国税庁の確定申告専用サイトで記入してプリントアウト
  2. 郵送で所轄の税務署へ送付

という方法。

国税庁の確定申告専用サイトはこちらから
国税庁サイト/所得税(確定申告書作成)

他にも、

  • e-taxという電子申請
  • 税務署の窓口に持参する方法

などの提出方法がありますが、郵送が一番簡単です。

添付書類

  1. 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  2. 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  3. 売却したマイホームに関する次の書類
    • 登記事項証明書や売買契約書の写しなどで所有期間が5年を超えることを明らかにするもの
    • 売買契約日の前日におけるそのマイホームの住宅ローンの残高証明書

売買契約書が見つからない場合は、登記事項証明書を法務局でとることになります。
登記事項証明書は、平日8:30〜21:00の時間帯ならオンラインで申請可能。
オンライン申請後は、ATMやインターネットバンキングで支払い、郵送で受け取る流れです。

詳しくはこちら
法務局サイト/登記事項証明書のオンライン申請

損失を繰り越す場合

損失は、翌年以降3年間繰り越すことができます。

1年目と同じように、繰り越す年の翌年2月16日〜3月15日の間に、確定申告を提出する必要があります。

まずは少しでも高い価格で売ることを考えてみましょう

家の売却がまだこれからなら、まず家を少しでも高い価格で売ることを考えて下さい。

家を高く売るためには、優秀で信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。

なぜなら、家の売却活動では、ほとんど全ての作業が不動産会社任せになるため。

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶためのポイントは次の2つ。

  • エリアで売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
  • 複数(3〜6社の不動産会社に無料査定を依頼して、話を聞き比べる

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    18万件(開始後2年合計)
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,777社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  4. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U


首都圏・関西圏ならSRE不動産(旧ソニー不動産)も

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