【決定版】マンション8年貸して分かった「貸す・売る」の診断チャート
(この記事はマンションを8年貸した経験を元に書かれています。)

「マンションを売るより、貸す方が儲かる?」

マンションを貸すか売るかお悩みですね。

貸すか売るか、どちらが良いか簡単に知りたい…。

そんなあなたに、1分で分かる診断チャートを用意しました!

あなたがマンションを貸すべきか売るべきか、簡単に分かるので試してみて下さい。

またこの記事では、『貸す』と『売る』のメリット・注意点をまとめ、貸した場合の試算例も分かりやすく解説しました。

今のマンションを活用すれば、理想の住み替えや将来の備えに役立つでしょう。

あなたが最適な方法を見つけて資産を活用するために、この記事がお役に立てば幸いです。

「貸す」か「売る」か1分で簡易診断

あなたがマンションを貸すべきか売るべきか、1分でできる簡易診断です。

貸すか売るかの簡易診断

マンションを貸すか売るかの診断

選択肢は次の4つのいずれか。

それぞれ解説します。

【選択肢1】築浅のうちに早く売る

ローンが残っているマンションは、貸すより売る方が良いでしょう。

なぜなら住宅ローンが残っているマンションを貸すと、3つのリスクがあるため。

住宅ローンが残るマンションを貸す3つのリスク

それぞれ説明します。

リスク1. 何より怖い空室リスク

空室リスクイメージ

空室中は毎月の支払いが全て持ち出しに

マンションが空室の間は家賃が入らず、毎月の支払い(住宅ローン・管理費・修繕積立金など)は全て持ち出しになります。

この空室期間は短くても3ヶ月、長ければ半年、1年と続く恐れも。

ようやく入居者が見つかっても、数ヶ月〜数年サイクルで退居するため、いずれまた空室になります。

退去後はリフォーム費用と家賃下落も

退去後は、内装のリフォーム(現状復旧)で家賃2〜10カ月分がかかります。

さらに再募集する家賃は、築年数が古くなった分だけ安くなり、平均で年1%だけ前回より安くなります。

もし空室が半年〜1年続くと収支が厳しかったり、損する気分に耐えられないのであれば、賃貸しない方が良いでしょう。

ハウスハウス

入居者を見つけるのは、そんなに大変なの?


家博士家博士

競合に勝つ工夫が必要だね。
例えば、借主を見つけた不動産会社へ支払う広告料(AD)を競合の倍にするとか、家賃や礼金を下げるとか。
だから競合が多いエリアでは、ADが高騰して、家賃・礼金が下がってしまうんだ。

リスク2. ローンの支払いが大幅に増えるリスク

ローンの借換えイメージ

賃貸に出すと住宅ローンは原則使えない

家を貸すと、住宅ローンからの借り換えで月々の支払が大幅に増える恐れがあります。

なぜなら、今あなたが借りている住宅ローンは自宅専用のローンで賃貸には原則使えないため。

家を貸すと賃貸用ローンになり、金利は1〜3%高く、返済期間も短くなります。

ハウスハウス

金利が1〜3%高くなるくらい、大したことないんじゃないの?


家博士家博士

今は低金利だから、金利が1〜3%高くなると負担が急に大きくなるんだ。

低金利では、わずかな金利上昇が大きな負担増になる

例えば金利が0.5%→2.0%と+1.5%高くなるだけで、

  • 毎月の返済額 +28%増
  • 元本に対する総支払額 +9%→+39%

と負担は大きく増えます。 

各金利での月返済額と支払い利息
ローン金額3,000万円
融資期間35年(元利均等で借りた場合)

金利 毎月の返済額
(金利0.5%からの増額率)
総支払い額
(元本に対して)
0.5% 77,875円 3,271万円
(+9%)
1.0% 84,685円
(+9%)
3,557万円
(+19%)
2.0% 99,378円
(+28%)
4,174万円
(+39%)
3.0% 115,455円
(+48%)
4,849万円
(+62%)
4.0% 132,832円
(+71%)
5,579万円
(+86%)
5.0% 151,406円
(+94%)
6,359万円
(+112%)
6.0% 171,057円
(+120%)
7,184万円
(+139%)
さらに返済期間が短くなり増える

賃貸用ローンでは、返済期間が短くなる恐れもあります。

もし返済期間が短くなると、月々の支払いはさらに増えてしまいます。

例)ローン総額3,000万円、金利0.5%、返済期間35年
これがもし金利2.0%、返済期間20年になると、
月々のローン返済額は
77,875円
  ↓
151,765円(+95%)

ハウスハウス

じゃあ、銀行に内緒にすれば?


家博士家博士

銀行には必ず報告しよう。内緒にすると最悪の場合、一括返済を迫られる恐れがある

銀行に内緒で貸すと一括返済を迫られる恐れも

もし銀行に黙ったまま、住宅ローンで買った家を人に貸すと、ローン残高の一括返済を迫られる恐れがあります。
これは正式には『期限の利益喪失』というルール。
住宅ローンの金銭消費契約に必ず記載されています。

第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金に利用するなどの目的外利用が判明した場合には、お借入れの全額を一括で返済していただく場合がありますのでご注意ください。

2つの条件がそろえば住宅ローンのままでOK

ただし次の2つ条件がそろえば、住宅ローンのままで賃貸することを多くの銀行が認めます。

  • 貸す理由が転勤などやむを得ない理由
  • 将来は戻る予定がある

判断する基準は銀行によって違うため、マンションを貸す前に銀行に相談してみましょう。

家博士家博士

でも住宅ローン減税は使えないからね。

ただし住宅ローン減税が使えず金利1%分の損に

もし住宅ローンのままOKとなっても、人に貸すと住宅ローン控除が使えず、金利1%分の損になる恐れがあります。

なぜなら住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、自分が住んでいる家にしか使えないため。

住宅ローン控除とは、購入から10年〜13年の間、毎年ローン残高の1%(最大20万円〜50万円)の税金が戻ってくるもの。
令和4年度税制改正で2022年以降に入居だと0.7%、最大14万円〜35万円)

つまり住宅ローン控除が無くなると、金利が1%上がるのと同じ損失があるのです。

【参考】国土交通省・住宅ローン減税制度の概要

リスク3. 次の住宅ローンが借りられないリスク

ローン審査に落ちるイメージ

ローン限度額が減ってしまう

もし次の家を新たな住宅ローンで購入するなら、ローン審査に落ちたり、ローン総額が少なくなるリスクがあります。

なぜなら住宅ローンの限度額から、今の家のローン残債がマイナスされるため。

住宅ローンの限度額は、世帯年収によって決まり、35年ローンの一般的な目安は、
ローン限度額の目安=世帯年収×7.5倍
※銀行によって7〜8倍と差があります。

ここでもし他の銀行にアパートローンなどがあると、ローンの限度額はその分減ってしまいます。

例)世帯年収900万円、アパートローン残債3,000万円の場合
アパートローン残債3000万円の例
住宅ローン限度額は、3,750万円に減ってしまいます。

ハウスハウス

でもマンションを貸した家賃収入で、世帯年収が増えるんじゃないの?


家博士家博士

銀行は、マンションの家賃収入を世帯年収に含めないんだ。
空室リスクがあるからね。

ローン記録は全ての銀行で共有されている

ちなみにあなたのローン記録は、信用情報機関を通じて全ての銀行で共有されるため、銀行には隠せません。

【参考】全国銀行個人情報センター

家博士家博士

住宅ローンが残るマンションは、貸すとリスクが大きい。
でも住宅ローンが無くても、多くのマンションは貸すより、売った方が得なんだ。

多くのマンションは貸すより売る方が得

売買契約イメージ
住宅ローンが残っていなくても、多くのマンションは貸すより売る方が得です。

例外となる、貸す方が得なマンションは、今後も長期的に値上がりが予想されるマンションのみ。

具体的には東京の山の手線内側など、超都心に限られます。

多くのマンションは貸すより売る方が得な3つの理由

多くのマンションが、貸すより売る方が得な理由は、次の3つ。

貸すより売る方が得な3つの理由

  1. マンション価格のピークが近いと予想されるため。
  2. 築年数経過で値下がりするため。
  3. 貸しても損するケースが多いため。
    (詳しくは次章の貸すデメリットで解説)

1と2を、それぞれ解説します。

理由1. マンション価格のピークが近いと予想されるため

今はマンション価格が高騰している

今は、都心部を中心に中古マンション価格が高騰しています。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国)2022年6月

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。

マンションは、約9年で74%も値上がりしています。


ハウスハウス

マンション価格はスゴイ上昇しているんだね。
でもなんでピークが近いの?


家博士家博士

金融緩和がもう限界だからだよ。

金融緩和の終焉でマンション価格が下落

金融緩和の終焉により、マンション価格が下落する恐れがあります。

なぜならマンション価格をここまで高騰させた金融緩和が、そろそろ限界を迎えているため。

日銀が金融緩和で印刷したお金の量を、米国・欧州・中国と比較すると、その厳しい現状は明らかです。

中央銀行が印刷したお金の量(GDP比)

中央銀行総資産の比較(日米欧中)2021年10月

出典:OECD Data

すでに日銀が金融緩和で印刷したお金の量は、欧州の約2倍、米国・中国の約4倍と世界でも異常な数字。

これ以上の金融緩和は効果が低く、副作用ばかりが目立つため、緩和継続は難しい状況です。

世界は金融緩和を終え金利引き上げに

世界の中央銀行は今回のコロナ禍に金融緩和で対応しましたが、すでに金融緩和を終えて金利を引き上げ始めました。

世界の中央銀行の動向
米国(FRB)←世界経済に最も影響が大きい

  • 2022年3月 金融緩和の縮小(テーパリング)を完了
  • 2022年3月 2年ぶりにゼロ金利を解除、政策金利を0.25%引き上げ
  • 2022年5月 22年ぶりに0.5%の利上げ、6月に量的引き締め開始を発表
  • 2022年6月 27年ぶりとなる0.75%幅の利上げ
  • 2022年中にさらに1.5%〜2%の利上げを見込む

【参考】FRB、0.75%利上げ決定 インフレ抑制へ27年ぶり上げ幅
欧州(ECB)

  • 2022年7月 量的緩和を終了
  • 2022年7月に11年ぶりの利上げを決定

英国(BOE)

  • 昨年12月 利上げ開始
  • すでに5回の利上げを実施済

ハウスハウス

でもなんで日本だけ金融緩和を続けられないの?


家博士家博士

主要国との金利差が開くと、円安になってしまうんだ。

日本だけ金融緩和を続けるのは困難

世界の中央銀行が金融緩和の終焉に向けて動く中で、日銀だけが金融緩和を続けることは困難です。

なぜなら日銀だけ金融緩和を続けると、金利差の影響で悪い円安を引き起こしてしまうため。

主要国と日本の実効為替レート比較
(2021年1月1日を100)

実効為替レートの比較20220608

悪い円安とは
円安によってガソリンなど輸入品が値上がりし、景気が悪くなること。
世界の主要国で金利が上がり、日本だけ金利が低いことで金利差が大きくなるために起きる。
かつて円安は日本の製造業輸出に有利で『良い円安』といわれたが、今は生産拠点が海外に移り円安のメリットは少ない。

このままでは日本円が下落し続けて、不景気と物価上昇が同時に起きるスタグフレーションに陥り、1970年代のオイルショック後の日本に逆戻りする懸念もあります。

日銀もいずれ金融緩和を終え、遅くとも2023年4月の黒田日銀総裁の任期満了が転機との予想が主流です。

コロナの影響と金融緩和の限界について、こちらで詳しく解説しています。


ハウスハウス

そろそろマンションの売り時ってこと?


家博士家博士

あくまで自己責任だけど、そう予想する専門家は増えているよ。

今いくらでマンションが売れるのか確認してみては

まず今いくらで売れるのか、価格を確認してみてはいかがでしょうか。

今はマンション価格が高騰しています。

1年前から数百万円値上がりしているかもしれません。

ただし今はコロナの影響で、不動産のプロでも正確な査定が難しい状況です。

マンション価格を間違えないためには、複数の不動産会社に査定を依頼して、プロの意見を聞き比べると良いでしょう。

ハウスハウス

複数の不動産会社といっても、どこに依頼すればいいの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトが便利だよ。

一括査定サイトなら、わずか数分で実績豊富な不動産会社、最大6社にまとめて査定を依頼できます。

査定を依頼したからといって、必ず売却する必要はありません。

将来的に売却も検討している程度であれば十分です。

実際にいざ売却するときは、問い合わせの窓口として使えます。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    40万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国900店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2022年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制の大手不動産会社は他に無いため、話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4Uイメージw330
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計45万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,800社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績45万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

理由2. 築年数経過で値下がりするため

マンション価格が下がるイメージ

マンション建物価格は毎年1.7%ずつ下がる

国土交通省の調査によると、相場が一定の場合、平均的なマンションの建物価格は築年数経過でこれだけ値下がりします。

  • 1年目に10%以上価格が下がる。
  • 毎年平均して1.7%ずつ価格が下がる。
  • 35年後には新築時から約70%値下がりする。

マンションの築年数と建物価格

マンションの築年数と価格の関係

築年数が古いマンションは、大規模修繕や建て替えの問題があるため、売れにくいのです。

マンションの建て替えについては、こちらの記事で解説しています。


ハウスハウス

新築分譲マンションを買ったら、すぐ値上がりしたって話も聞いたけど?


家博士家博士

それは築年数の下落以上に、相場全体が大きく上昇したからだよ。
2013年の異次元緩和以降で、都心部に限られる。
それくらいマンション相場が高騰してるんだ。

相場が上昇しても、古くなった分だけ価格は下がる

不動産相場が上昇しても、マンションが古くなった分だけ価格は下がるため、実際の値上り幅は思ったほど大きくありません。

例えば首都圏の平均では、2011年の新築マンションは、2021年に築10年となり、+17%の値上り。

マンションの築年数と平均成約単価
(首都圏・2011年→2021年)

マンション築年数と値下がり率(首都圏・2011年→2021年)

近畿圏では、ほとんど値上りしていません。

マンションの築年数と平均成約単価
(近畿圏・2011年→2021年)

マンション築年数と値下がり率(近畿圏・2010年→2020年)

ハウスハウス

中古マンションが高騰しているのに、思ったほど値上りしてないんだね


家博士家博士

今後、相場が値下がりし始めたら、古くなった分だけさらに値下がりが大きくなるよ。

人口減と新築マンション建設で、長期的には下落傾向

長期的には、マンション価格は下落する傾向です。

なぜなら人口は減っている一方で新築マンションが続々と建築されて、空き家が急増しているため。

日本人の人口・世帯数と住宅戸数

住宅戸数と世帯数の変化2018年rev3

日本は人口が急減している一方で、新築住宅が年間90万戸ペースで建築。

さらに高齢化で家を売る人は増えて、買う人は減っているため、中古住宅はどんどん売れなくなっています。

ハウスハウス

でも日本の人口が減っても、都市はそんなに減らないんじゃないの?


家博士家博士

日本では他の先進国と違って新築マンションの制限がない。
だから都市に新築マンションが増えて、中古マンションを買う人は増えていないんだ。

中古マンションを売る人は増えても、買う人は増えず

中古マンションを売る人は大幅に増えていますが、買う人はそこまで増えていません。

首都圏の中古マンション売出し戸数と成約戸数の変化はこちら。

中古マンション売出しと成約戸数
(首都圏)

中古マンションの成約と売出し戸数の推移(首都圏)

2000年→2021年の21年間で、中古マンションの売出し戸数は約2倍に増えていますが、成約戸数はあまり増えていません。

今はコロナで売出し戸数が一時的に減っていますが、それでも2倍です。

コロナ禍が治まれば再び売出し戸数が増え、売却環境はますます厳しくなるでしょう。

レインズとは
国内唯一のデータベースで、過去の不動産取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

ハウスハウス

賃貸に出している間にマンションが値下がりして、トータルで損するってことだね。


家博士家博士

賃貸に出しても、家賃収入がそのまま手取りになるわけじゃないからね。
詳しくは、次の選択肢2で解説しよう。

【選択肢2】一般賃貸契約で貸す

マンションを貸すイメージ
住宅ローンが無く、不動産投資に興味があったり、時期は未定だけど戻りたいなら、マンションを一般的な賃貸契約で貸すと良いでしょう。

次の内容を順番に解説します。

マンションを貸す3つのメリット

それぞれ解説します。

メリット1. マンションを手放さずにすむ

マンションを貸すメリットとして大きいのは、マンションを手放さなくて良いこと。

やはりご家族の思い入れがあると、手放すのは難しいもの。

マンションを所有し続けることで、将来戻る選択肢も残せます。

また手元に十分な金融資産があるなら、あえて売る必要は無いかもしれません。

不動産は、資産として所有する安心感や満足感を感じる方も多いでしょう。

すでに大きな金融資産があれば、不動産を所有すると資産分散(アセットアロケーション)にもなります。

メリット2. 家賃収入がある

マンションを貸すと家賃収入があります。
さらに地域によっては、契約更新料や礼金が入ることも。

これらの収入から、費用や税金を引いた差額が収入になります。

ちなみに分譲マンションは、同じ築年数の賃貸専用マンションに比べると、防音・設備・内装が良い分だけ家賃が少し高くできます。

メリット3. 費用(損金)で節税できる

家を貸すと家賃収入に課税されますが、次のような費用(損金)は控除できます。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料、地震保険料
  • 減価償却費
  • ローンの利息分
  • リフォーム費用(内容による)

これが全て、節税に使えるのは大きいですね。

減価償却費はこちらの記事で解説しています。


ローンは「利息分」のみ損金扱い。
「元本」は費用(損金)になりません。
ローンの返済金額の内訳を見れば利息分が分かります。

リフォームは、現状復旧だけ費用(損金)。
それ以上の『資産価値を上げるリフォーム』は費用にならず、減価償却の対象です。
細かい分類は、税理士によっても見解が別れるほど判断が難しい内容です。

ちなみにマンション1戸だと事業規模としてみなされないので、青色申告控除は適用されません。

ハウスハウス

家賃収入があるから得だと思ってたけど、税金の計算とか難しそうだね。


家博士家博士

確定申告を税理士に依頼すると10万円弱はかかる。
マンション1戸だけだと自分で計算した方が良いね。
本などで勉強する必要があるよ。

マンションを貸す9つの注意点

マンションを貸すとデメリットもあります。

マンションを8年間貸した経験から、実際に苦労した点をまとめています。

注意点1. 「賃貸中」で売ると安くなってしまう

不動産投資イメージ

賃貸中は投資物件になり5%〜20%安くなる

賃貸中のマンションを売り出すと、売買価格が5%〜20%安くなります。

なぜなら賃貸中のマンションは『投資物件』になるため。

投資物件が安くなる理由は、主に次の4つ。

  • 購入者が投資家なので相場勘があり、割安でないと売れないため。
  • 幅広いエリア・条件で比較され、利回りを基準に選ばれるため。
  • 賃貸中は内覧ができず、リフォーム費用を多く見積もるため。
  • 投資用ローンの金利が、住宅ローンの金利より高いため。

投資物件と居住用物件の価格差は、査定方法の違いにも現れています。

居住用は取引事例比較法で近隣と比較

居住用として普通にマンションを売る場合、相場は『取引事例法』で査定します。

取引事例比較法では、近隣の類似マンションが過去に売買された成約価格から、条件の違いによる差額を考慮して価格を査定。

近隣のマンションが高く売れていれば、相場も高くなります。

投資物件は収益還元法で利回りから決まる

一方で投資用不動産の相場は『収益還元法』で査定します。

収益還元法では、年間家賃収入と表面利回りから次の式で価格が決まります。

売却価格 = 年間家賃収入 ÷ 表面利回り

表面利回りはマンションの立地や築年数、間取りなどから決まり、幅広い投資物件で比較されます。

近隣の投資物件が高く売れても、ほとんど影響しません。

この計算方法の違いからも、投資物件は住居用より5%〜20%安くなります。

ハウスハウス

貸したまま売ると、マンション価格が安くなるんだ!


家博士家博士

そうなんだ。
だから不動産投資家の中には、賃貸中のマンションを投資用で安く買い、賃貸人退去後に住居用として高く売って、転売益を稼ぐ人も多いよ。

賃貸中の家を売ると安くなることは、こちらの記事で詳しく解説しています。

ハウスハウス

じゃあマンションを売る前に、入居者に出てもらえば?


家博士家博士

普通の賃貸契約では、入居者を退去できないんだ。

注意点2. 所有者の都合では入居者を退去できない

普通の賃貸契約では入居者の意思が優先される

普通の賃貸契約では入居者の意思が優先され、マンション所有者に契約を解除する権利がありません。

立場の弱い入居者を保護するために、入居者にしか契約を解除する権利はないと「借地借家法28条」で規定されています。

たとえ契約期間を「2年契約」などとしても、マンション所有者は契約更新を拒否できません。

建物が倒れそうで危ないなど「正当な理由」がない限り、マンション所有者は立ち退きを請求できないのです。

定期借家契約は退去できるが、家賃が安くなり空室リスクが高い

「定期借家契約」なら、マンション所有者の意思で契約終了時に入居者を退去できます。

定期借家契約とは、あらかじめ2年など契約期間を決める賃貸契約。

【参考】国土交通省・定期賃貸住宅標準契約書

ただし定期借家契約は、入居者に不利な契約なので、入居者には避けられます。

そのため定期借家契約は、普通賃貸契約より家賃が安くなり、それでも埋まらずに空室リスクが高くなるデメリットがあります。

ハウスハウス

定期借家にしたいとこだけど、家賃が安くなって空室リスクも高いのか。


家博士家博士

貸してから3年以上経つと、売却しても税金の特例が使えなくなる問題もある。

注意点3. 売却で税金の特例が使えない

他人に貸すと、自宅として売却できず、税務上で不利になる恐れがあります。

自宅なら3,000万円まで非課税

自宅なら、売却して利益が出ても3,000万円の特別控除で3,000万円まで非課税。

また3,000万円以上の利益があってもマイホーム買替え特例でさらに非課税枠を大きくできるなど、自宅には様々な優遇があります。

しかし自分が住まなくなってから3年目の12月31日以降に売却すると、この特別控除や特例が使えません。

減価償却費で思ったより税金は多くなる

税金の計算では、減価償却費を考慮するので、思っているより税金は多くなります。

単純に購入価格と売却価格の差と勘違いしがちなので、注意してください。

賃貸中はこの減価償却費を節税に使えますが、償却率が自宅利用時の1.5倍になるため、売却時の課税所得は増えてしまいます。

税金の計算イメージ

譲渡所得の計算イメージまとめ

ハウスハウス

値上がりして利益がでるマンションは、貸さずに売った方が税金がかからないってこと?


家博士家博士

値下がりして損した場合も、自宅なら税金が戻ってくる特例があるけど、貸すとダメなんだ。


税金と特例について詳しくはこちら

注意点4. 思った以上に費用がかかる

マンションを貸すと、想像以上に多くの費用がかかります。

具体的にはこちら。

  • マンション管理費
  • マンション修繕積立金
  • ローン返済(利子、元本)
  • 火災保険、地震保険、その他保険
  • 固定資産税・都市計画税
  • 入居募集の広告料・手数料(家賃1〜3ヶ月)
  • 賃貸管理会社の手数料
    (毎月家賃の3%〜5%、契約更新0.5〜1ヶ月)
  • 賃貸中の設備修理費
  • 退去後のリフォーム費用(家賃2〜10ヶ月)
  • (税理士に依頼する場合)確定申告の税理士費用(年10万円前後)
  • (利益があれば)所得税・住民税
入居者募集には広告費、手数料が必要

入居者の募集には仲介手数料がかかります。

一般的には不動産業者と管理委託契約を結び、管理委託費として次の費用を支払います。

  • 新規入居時に広告費として家賃1ヶ月分程度
  • 入居中は管理委託手数料として月々家賃の3〜5%(無い場合もあり)
  • 契約更新時に手数料として家賃0.5〜1ヶ月分程度

管理委託会社(元付け)と異なる不動産会社(客付け)が入居者を見つけた場合、上記とは別に客付け不動産会社へ広告費を家賃1〜2ヶ月分支払います。

空室が多いエリアでは、礼金が取れず敷金も1ヶ月など最低限になり、広告費が2ヶ月以上に増える傾向にあります。

ハウスハウス

管理委託契約なしで自分で管理すればどうなの?


家博士家博士

時間に余裕があればそれもありだね。
ただ自主管理でも、入居時の広告費は必要だよ。

賃貸中の設備修理費もオーナー負担

貸している間に設備が故障すると、修理費はオーナーの負担で、修理の手配もオーナーがしなくてはいけません。

具体的には、ウォシュレット、エアコン、給湯器、換気扇、窓ガラス、網戸、インターホンなど。

管理会社に委託している場合は、修理費に管理会社の管理費が上乗せされます。

退去後のリフォーム費用がかかる

リフォームイメージ
退去時のリフォーム(現状復旧費)費用は、入居者とオーナーでそれぞれ負担しますが、最近はオーナの負担が大きくなっています。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)
東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(改訂版)」
が相次いで打ち出され、これらのガイドラインでは入居者の過失を除き、基本的には全てオーナーの負担になっています。

また入居者は少額訴訟制度(60万円以下)によって数千円で起訴でき、オーナーの負担を求めることも可能。

過去の判例では、入居者の過失や故意が明らかでないと、経年劣化としてオーナーの負担になります。

【参考】裁判所・少額訴訟

確定申告の税理士費用

確定申告を税理士に依頼する場合は、税理士費用(約10万円弱)がかかります。

賃貸収入がある場合は、確定申告が必要です。

確定申告自体は無料なので、自分で申告すれば費用はかかりません。

ただし利益があれば所得税・住民税がかかります。
【参考】国税庁・アパートや貸家の賃貸収入がある人

ハウスハウス

広告費、修理費、リフォーム費、税金か…
色々費用がかかるんだね。


家博士家博士

さらに空室だと赤字になってしまうリスクがある。

注意点5. 空室リスク

近隣のマンションの空室状況を確認して、どこも満室なら安心でしょう。
しかし空室が多いと、競合より家賃を安めにするなどの対策が必要です。

総務省の平成30年住宅・土地統計調査によると、日本全体で住宅の空室率は13.6%。
賃貸住宅に限ると、空室率は18.5%にもなります。

賃貸住宅の空室は増えている

全国的に賃貸住宅の空室が増えています。

都道府県別で10年前(2008年→2018年)と比較して整理するとこちら。

賃貸住宅の空家率
(都道府県別2008年→2018年)

賃貸住宅の空室率(都道府県別、10年前と比較)

わずか10年の間に、ほぼ全ての都道府県で空き家率が上昇しています。

都心部に限れば、空き家が減っているエリアもありますが、横浜市、名古屋市、大阪市などは空き家が増えています。

賃貸住宅の空家率
(都心部2008年→2018年)

都心部の賃貸住宅空き家率(2008年、2018年比較)

サブリースもあるが利用条件が厳しく収入は減る

空室リスクを避ける方法として、「サブリース」があります。

サブリースとは、マンションを不動産会社に貸して、不動産会社が借りたマンションを第三者に又貸しする方法。

不動産会社が空室リスクを背負う代わりに、家賃の2〜4割を取ります。

サブリースのメリットは…

  • 空室リスクが無い。

ということ。

一方でサブリースのデメリットは…

  • 不動産会社から受け取る家賃は相場の6割〜8割程度に安くなる。
  • 入居者が見つかりやすい都心部や駅近のマンションしか引き受けてもらえない。
  • サブリース価格を大幅に下げる不動産会社など、最近トラブルが増えている

ということも。

もしあなたのマンションが都心部の人気エリアに立地するなら、サブリースも選択肢になるでしょう。

なおサブリースのトラブルについて、国土交通省がまとめています。
地主が建てる相続対策アパートが多いですが、一応知っておきましょう。
国土交通省・サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!

注意点6. 家賃は年々下がり滞納リスクも

築年数の経過で年0.8%〜1.0%下がる

マンションは、築年数が経過して古くなるため家賃が下落します。

目安として毎年−0.8%〜-1.0%程度、10年後には−8%〜−10%家賃は下がります。
築年数が新しいほど、家賃下落率は大きくなります。

日本は家賃相場が下がっているのでさらに下落する

また日本は家賃相場が下がり続けているため、さらに下落幅は大きくなります。
世界と日本の家賃指数の推移
【参考】総務省・借家家賃の経年変化について

世界の主要国で家賃相場が下がり続けている国は日本しかありません。

日本は人口が減少しているのに賃貸住宅の建築を制限しないため、供給過剰で家賃が下がり続けています。

保証会社を利用しないと家賃滞納リスクがある

家賃トラブルを防ぐためには、保証会社を利用して入居者と契約します。

1〜5万円程度の初期費用と更新時費用は入居者の負担。
保証会社は、家賃を滞納した場合、実力行使で強力に入居者を退去をさせてくれます。

保証会社を使わない場合、管理会社が対応してくれますが、訴訟などの費用はオーナー負担になります。

家賃滞納しても立ち退きはむつかしい

最近の裁判では、入居者が家賃を滞納しても、大家が立ち退きを迫るのは大変です。

通常は家賃3ヶ月滞納で、提訴可能に。
このあと裁判をして、勝訴で賃貸借契約を解消。(第一段階)
その後、建物明け渡し請求の提訴。裁判を経て勝訴。(第二段階)
さらにその後、強制執行として、裁判所立会の元で明け渡しを執行。(第三段階)
これでようやく部屋を取り戻せますが、費用は全て大家負担です。

注意点7. 自殺・事故などで価値が下がるリスクがある

自殺・火災などの事故では元通りに復旧しても事故物件となり、賃貸でも売却でも告知義務が生じます。

家賃は3割〜7割程度に安くなりますし、売買価格も同じく大きく下がります。

心理的瑕疵はガイドラインができた

今まで明確なルールがなかった心理的瑕疵ですが、国土交通省が2021年10月にガイドラインを作成しています。

あくまで強制力のないガイドラインですが次のルールに。

  • 自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)による死亡は告知の対象外
  • 賃貸・マンション共有部は発生から3年経過すれば原則不要
  • 事件性、周知性、社会的影響が高い事案、取引相手の判断に影響を及ぼす場合、買主・借主から問われた場合は告知すべき

【参考】国土交通省・「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました

注意点8. 管理組合への参加が強要される恐れ

お金より時間と手間の問題です。

賃貸に出して住んでいなくても、管理組合へ参加し、理事の持ち回りは回ってきます。

賃貸を理由に特別扱いしてもらえるかは、管理組合次第。

任期中にトラブルや大規模修繕などが発生すれば、住んでいない分だけ余計に時間と手間がかかります。

注意点9. 修繕積立金の値上がりや一時金が必要になる可能性も

大規模修繕イメージ
マンションの修繕積立金が値上げされたり、修繕一時金が必要になるケースが増えています。

全国のマンションの34.8%で修繕積立金が不足

国土交通省の調査によると、全国のマンションの34.8%で修繕積立金が不足しています。
平成30年度マンション総合調査結果

修繕積立金は、12年〜15年サイクルの大規模修繕工事のための費用で、長期修繕計画によって決まります。

しかし消費税増税・工事費高騰・インフレなどで、当初予定より増えるため、定期的に増額しないと不足することに。

不足した工事費は、修繕一時金としてマンション所有者が負担するか、金融機関から借りるしかありません。

いずれにしても、その後の修繕積立金は増額されます。

大規模修繕と修繕積立金については、こちらの記事で詳しく解説しています。


ハウスハウス

なんだか色々大変だね。


家博士家博士

マンション賃貸経営をするなら、1戸でなく数十戸単位で大規模な方がリスクが少ないんだ。
何かトラブルがあっても、他の家賃でカバーできるからね。

貸す場合の試算例

ここまでの全ての情報を想定して、貸す場合の試算をします。

試算例

3,000万円(ローン返済92,000円、2800万円:35年:金利2%)で購入した築15年のマンションを、家賃12.5万円で貸したとします。

項目 金額
【収入】
家賃(月額)× 12ヶ月 × 空室率85% =
125,000円×12ヶ月×85%=
1,275,000円
【支出】
管理会社手数料(5%)
125,000円×12ヶ月×5%=
75,000円
【支出】
マンション管理費
10,800円×12ヶ月=
129,600円
【支出】
マンション修繕積立金
8,000円×12ヶ月=
96,000円
【支出】
火災保険・地震保険
19,000円
【支出】
固定資産税・都市計画税
100,000円
【支出】
リフォーム及び広告料
(3年に1回退去想定)
300,000円×1/3=
100,000円
【支出】
ローン支払(2800万円35年ローン)
92,000円×12ヶ月=
1,104,000円
【支出合計】 1,623,600円
【収支(年間)】
収入 1,275,000円
支出 1,623,600円
-348,600円

単純に収支で計算すると、約35万円ほどの赤字(現金持ち出し)になることが分かります。

ただし、貸している間にローンの元本が【62,000円×12ヶ月=744,000円】減っています。
同時にマンションの価値(売値)も、築年数が1年古くなると50万円は下がると考えると、
【ローン元本】-【売値】=【利益】
と考えると、
【-77.4万円】-【-50万円】=【27.4万円】
つまり、利益27.4万円を、先ほどの収支34.8万円で手に入れたと考えられます。

投資として、トータルで考えると、
27.4万円 - 34.8万円 = -7.4万円
つまり年間では7.4万円ずつ損をし続ける計算になります。

ハウスハウス

なんだかよく分からないけど、家賃が127万円でも全然儲からないんだね。


家博士家博士

不動産投資は支出を考えると、実際の利益率がすごく低いんだ。

余裕資金でリスクに備える

マンションを貸すリスクも考慮して、余裕資金は常に用意しておきましょう。

先ほどの試算では、空室率85%で計算しましたが、立地や家賃によっては、もっと長期間に渡って空室になるかもしれません。そうすると、家賃収入は0円です。

また防ぐことの出来ないリスクは必ずあります。
どんなトラブルが起こっても、しばらくは対応できる様に、余裕資金は必ず用意しておきましょう。

いくらで貸せるか確認を

とりあえず今のマンションをいくらで貸せるのか確認してみましょう。

ざっくりと賃貸の相場を知るなら、あなたのマンションの賃貸価格の過去の事例が分かるこちらが便利です。
HOME’S プライスマップ

また周囲のマンションがどのくらいで賃貸に出ているか確認するには、こちらがおすすめ。
不動産ジャパン
全国の9割の不動産会社が加入する4団体の情報を網羅しています。

より正確な価格を知るためには、あなたのエリアで賃貸に詳しい不動産会社に聞くと良いでしょう。

賃貸に詳しい不動産会社の心当たりが無ければ、無料の一括査定サービスが便利です。
サブリースや定期借家も査定可能です。

こちらから査定出来ます
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【選択肢3】損を覚悟で空き家に

マンションを貸さずに、空き家のまま所有することです。

メリットとしては…

  • 家の内装が傷ついたりしない。
  • 余計な手間やリスクを心配する必要がない。

デメリットとしては…

  • 維持費がかかる。(管理費、修繕積立金、水道光熱費基本料、住宅ローン返済)
  • 内部にカビなどが発生するリスクがある。
  • 築年数が古くなり価格が下落する。
  • 管理組合の理事などがまわってくる可能性がある。
  • 修繕積立金が値上がりするリスクがある。
  • 大規模修繕や建替えなどで多額の負担が発生するリスクがある。

ハウスハウス

空き家って持っているだけで大変なんだね。


家博士家博士

空き家の所有者は、売ろうかに迷っても決断出来ないことが多いんだ。
でも売ることを迷っている間にも、空き家の価値は下がりどんどん売りにくくなる。
とりあえず今の価格を確認してみると決断しやすくなるよ。

【選択肢4】定期借家や期間サブリース

戻ってくる予定が確実な場合は、定期借家や期間サブリースで貸すという選択肢があります。

定期借家は「期間固定の賃貸契約」

定期借家は、契約する時に期間を決めて契約する特殊な賃貸契約。
例えば3年後に戻る予定が決まっているなら、3年の定期借家契約で貸せば、3年後に入居者に出ていってもらえます。

普通の賃貸契約では2年などと契約期間を決めていても、入居者が住み続けたい場合は5年でも10年でも貸し続けないといけません。

戻ってくる予定が決まっているなら、定期借家契約にすることをおすすめします。

ただし定期借家は、入居者にとっては不利な契約。
だから相場より家賃を安めにしないと、入居者がなかなか入らないというデメリットもあります。

期間サブリースは「期間固定で不動産会社におまかせ」

期間サブリースは、期間限定で不動産会社に貸す契約。

収入は6割〜8割くらいになってしまいますが、空室のリスクや入居者の募集などをすべて不動産会社に任せられるので、手間はかかりません。

ただし期間サブリースは誰でも利用できるものではありません。
立地が良くて人気のエリアの一部マンションに限られます。

リロケーションを利用する

定期借家や期間サブリースを利用する場合は、「リロケーション」と呼ばれるサービスを利用すると良いでしょう。

リロケーションとは、遠隔地への転勤などで賃貸に出したい人向けに、賃貸の客付け・管理・トラブル対応などを全て引き受けてくれるサービス。

リロケーションのデメリットとして、少し管理費が高くなりますが、手間やリスクは圧倒的に減らすことが可能です。

リロケーションについては、こちらの記事で解説しています。

賃貸のメリットとデメリット

マンションを賃した場合のメリットとデメリット、貸した場合の試算について、詳しくは【選択肢2】一般賃貸で普通に貸すをお読み下さい。

いくらで貸せるか確認を

とりあえず今のマンションをいくらで貸せるのか確認してみましょう。

まず周囲のマンションがどのくらいで賃貸に出ているか確認するには、こちらがおすすめ。
不動産ジャパン
全国の9割の不動産会社が加入する4団体の情報を網羅しています。

より正確な価格を知るためには、あなたのエリアで賃貸に詳しい不動産会社に聞くと良いでしょう。

賃貸に詳しい不動産会社の心当たりが無ければ、無料の一括査定サービスが便利です。
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貸す前にマンションの売却価格もあわせて確認

同時に、現在のマンション売却価格を確認してみると良いでしょう。

今はマンションの相場が高騰していますが、そろそろ下げに転じると予想する専門家も増えています。

コロナが収束すれば、日銀の金融緩和が終了、マンション相場は下落に転じるリスクがあるでしょう。

今は不動産価格が高騰し、不動産のプロでも査定が難しい状況。

だから複数の不動産会社に査定を依頼して、プロの意見を聞き比べましょう。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単です。

まとめ

ここまでマンションを売るか貸すか、について解説してきました。

ポイントをまとめると、次になります。

●住宅ローンが残っているなら、3つのリスクがあるので売却した方が良いでしょう。
  1. 空室リスク
  2. 金利リスク
  3. 次のローンが借りられないリスク

またローンが無くても、3つの理由で売った方がトータルはプラスになりがち。

  1. マンション価格のピークが近いと予想されるため
  2. 築年数経過で値下がりするため。
  3. 貸しても損するケースが多いため。
●いずれ戻る予定だったり、不動産投資に興味があるなら賃貸もあり。
マンションを貸す9つの注意点を参考にして下さい。

  1. 「賃貸中」で売ると安くなる
  2. 所有者の都合では入居者を退去できない
  3. 売却で税金の特例が使えない
  4. 費用がかかる
  5. 空室リスク
  6. 家賃は年々下がり滞納リスクも
  7. 自殺・事故など価値が下がるリスク
  8. 管理組合へ参加が強要されるリスク
  9. 修繕積立金の値上がりや一時金のリスク

具体的には、貸した場合の試算例で解説しました。

●戻る予定が確実で期間も決まっているなら、リロケーションが良いでしょう。
●経済的には損ですが、気持ちの整理がつかないなら空き家のままという選択肢もあります。

あなたに最適な選択が見つかり、満足なる結果になることを心よりお祈りしております!


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

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    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
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    管理人のコメント

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    管理人のコメント

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    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。