「家の買い替えでつなぎ融資はどうなの? 注意点は?」
家の買い替えでつなぎ融資を利用するかお悩みですね。
たしかに買い替えの「つなぎ融資」は、上手に利用するとメリットの多い便利なローンです。
ただしデメリットもあるので知っておきましょう。
この記事では次が分かります。
- つなぎ融資のメリットとデメリット
- つなぎ融資の利用方法
- つなぎ融資以外の2つの方法
あなたの家の買い替えが成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
買い替えのつなぎ融資とは
買い替えのつなぎ融資とは、「新しい家の購入資金」と「今の家の売却資金」のタイミングがずれる場合に利用される短期のローン。
同じつなぎ融資でも、注文住宅で土地を購入するつなぎ融資とは違います。
売却前に新しい家を購入できる
買い替えのつなぎ融資を利用すれば、十分な資金が無くても、売却前に新しい家を購入できます。
つなぎ融資のイメージ
簡単に整理すると、つなぎ融資は次の問題を解決できます。
- 新しい家を購入する資金に、今の家の売却代金が必要。
- しかし売却する前に、新しい家を購入したい。
⇒つなぎ融資なら先に家が買える!

なるほど。
つなぎ融資を使えば、十分なお金が無くても先に家を購入できるのか。

そうだね、やっぱり先に買うと色々メリットがあるからね。
つなぎ融資のメリットとデメリットを整理しよう。
つなぎ融資のメリットとデメリット
つなぎ融資の3つのメリット
家の買い替えでのつなぎ融資を利用するメリットは次の3つ。
- 仮住まい不要で、引越しが一度で済む。
- 売却に縛られず、気に入った家を買える。
- 空き家で売り出すと内覧が増え、即入居可で売れやすい。
それぞれ解説します。
メリット1. 仮住まい不要で、引越しが一度で済む
つなぎ融資で先に家を購入すると、仮住まいが不要で、引っ越しが一度で済みます。
もしつなぎ融資を利用しない場合、先に家が売れてしまうと、一旦どこかに仮住まいしなくてはいけません。
引っ越しも2回になり、費用も手間もかかります。
子供の通学や仮住まいの費用を考えると、引越が一度で済むのは魅力的です。
メリット2. 売却に縛られず、気に入った家を買える
つなぎ融資を使えば、気に入った家をすぐに買えます。
気に入った家に住み替えることは、今後の人生を考えると大切なことですね。
つなぎ融資を使わないと、家を買うタイミングは今の家の売却後になり、せっかく見つけた家を逃す恐れがあります。
メリット3. 空き家で売り出すと内覧が増え、即入居可で売れやすい
つなぎ融資で先に家を買って引っ越すと、今の家を空き家で売り出せます。
空き家で売り出すと、内覧の日程調整が不要で、不動産会社が気軽に案内できるため、内覧の回数が増えます。
さらに空き家だと即入居可となるので、家が売れやすくなります。
例えばSUUMOで売出し中の東京23区の中古マンションは1.8万戸。
これを『即入居可』で絞り込むと、約6千戸(1/3)まで競合は減ります。

そうか、内覧が増えて、即入居可で売れやすくなるんだ。
つなぎ融資はスゴイ良さそうだね!

まぁまぁ、デメリットも知っておこう。
つなぎ融資の3つのデメリット
つなぎ融資にはデメリットもあります。
- 期間中に売れないと売却価格が安くなる
- 途中で不動産会社を替えられない
- そもそも使えないケースがある
それぞれ解説します。
デメリット1. 期間中に売れないと売却価格が安くなる
期限が迫ると安値で手放す結果に
買い替えのつなぎ融資は、期間中に売れないと売却価格が安くなるリスクがあります。
なぜならつなぎ融資の期間が終わる前に、今の家を急いで売ることになってしまうため。
家を急いで売るためには、相場より大きく値下げするか、不動産会社の買取を利用することになってしまいます。
つなぎ融資が買取保証とセットの会社も多い
またつなぎ融資は、不動産会社の買取保証(売却保証)とセットになる会社も多くあります。
買取保証とは、一定期間は普通に売り出して、売れなければ不動産会社が査定価格の90%などで買い取るサービス。
買取保証イメージ
つなぎ融資で期間中に売れないと、査定価格の80%〜90%に安くなってしまうのです。
買取保証については、こちらで解説しています。
不動産会社の買取保証(売却保証)は期間限定で家を売り出すもので、売れ残る心配がありません。ただし注意点もあります。買取保証の5つの注意点、代表的な不動産会社と選び方を解説します。
デメリット2. 途中で不動産会社を替えられない
つなぎ融資で新しい家を購入すると、売却中に不動産会社を替えられません。
そのため不動産会社は慎重に選びましょう。
つなぎ融資を利用できる不動産会社は、大手の一部に限られます。
主要な不動産会社は次章でまとめているので、参考にしてください。

信頼できる不動産会社はどうやって探せば良いの?

3〜6社の不動産会社に無料査定を依頼して、しっかり話を聴き比べることだね。
デメリット3. そもそも使えないケースがある
つなぎ融資は、そもそも使えないケースがあります。
例えば、次の条件では使えません。
- 新しい家を住宅ローンで購入する場合
- 今の家の住宅ローンが多く、売却してもほとんど資金が残らない場合。
- 今の家がオーバーローン(売却価格よりローンが大きい)の場合。
もし新しい家を住宅ローンで購入するなら、普通に住宅ローンを申し込むと良いでしょう。
今の家の住宅ローンが残っていても、ダブルローンを使えば先に家を買えます。
ダブルローンは、後の『つなぎ融資以外の2つの方法』で解説しています。
またオーバーローンでは、貯金などで不足分を補うか、住み替えローンを使うことに。
ただし住み替えローンでは、売却と購入を同時にするため、先に家を買えません。
住み替えローンは、オーバーローンの家を買い替えるときに便利な方法。ただし注意点もあります。注意点と対策、そして手順をまとめました。
つなぎ融資は大手不動産会社に依頼する
買い替えのつなぎ融資を利用する場合、まず大手不動産会社に依頼して、不動産会社の斡旋で金融機関から借ります。
(東急リバブルなど一部は、自社の立替です。)
買い替えのつなぎ融資が利用できる不動産会社
買い替えのつなぎ融資が利用できる大手不動産会社として、こちらがあります。
(表は横にスクロールします)
不動産会社 | 融資限度額 | 融資期間 | 参考金利 | 融資条件 | 金融機関 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
三井のリハウス | 【担保物件未成約】300万円~5,600万円以内※評価額70%が上限【担保物件成約済】300万円~6,800万円※評価額の85%が上限 | 当初6ヶ月以内(延長を含め最長12ヶ月) | 年4.4% | 当社仲介にて買替の購入契約を締結、当社仲介にて担保物件売却の売買契約を締結済または専属専任・専任媒介契約を締結済みの個人、仲介手数料をお支払いの方 | アルヒ株式会社 | |
住友不動産販売 | 最大3億円(売価の70%以内・上記資金使途の範囲まで) | 1年以内(売却不動産の引渡完了まで) | 3.225%(短期プライムレート連動) | 融資実行時20歳以上、売主及び買主の両者とも住友不動産販売の仲介による売買契約済みの売主 | 三井住友銀行 | 売却物件に住友不動産販売の抵当権設定仮登記(費用客負担) |
東急リバブル | 立替払制度(売却代金の85%又は買取保証の金額の100%) | 個別相談 | 個別相談 | 個別相談 | 自社 | ●買換えつなぎ●抹消つなぎ●ローンつなぎの3種類あり |
野村の仲介 | 1億円(買取保証額が上限) | 最長12ヶ月 ※借入期間は個別に審査の上、決定いたします | 短プラ連動の住宅ローン+0.75% | 当社買換保証制度をご利用いただく個人のお客様 | 三井住友銀行 | |
小田急不動産 | 1億円(買取保証額が上限) | 最長12ヶ月 | 短期プライムレート+1.75% | 「買取保証制度」利用の個人、購入時の住宅ローンは提携金融機関を利用、融資実行時満20歳以上、提携金融機関の融資審査に適合 | 提携金融機関 |
これらつなぎ融資がある不動産会社に査定を依頼するなら、一括査定サイト「すまいValue」が便利です。
すまいValueは、つなぎ融資がある大手6社が共同運営する一括査定サイト。
これらの大手は他の一括査定サイトからほぼ撤退したので、大手6社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。

とりあえず無料査定を依頼して、話を聴き比べるんだね。
つなぎ融資の他に選択肢はあるの?

普通の住宅ローンを使う方法などもあるよ。
つなぎ融資以外の2つの方法
家の買い替えで、つなぎ融資以外の選択肢として、次の2つがあります。
方法1. ダブルローンや普通の住宅ローンを利用する方法
条件次第では、ダブルローンや普通のローンを使っても良いでしょう。
今の家のローンが残っている場合はダブルローン
ダブルローンとは、今の家が半年や1年で売却できる前提で、新しい家のローンを借りる方法。
家が売れるまでの間は、月々の返済が2重になってしまいますが、金融機関によっては利子分だけに猶予してくれる場合も。
一般的に次のような場合は、融資審査に通りやすいでしょう。
- 今の家の住宅ローン残債が少額。
- 世帯年収や属性に対してローン余力が十分にある。
- 今の住宅ローンを順調に返済しており、他にローンが無い。
先ずは住宅ローンを借りている銀行に相談してみましょう。
ダブルローンについて、詳しくはこちらで解説しています。
家の買い替えでダブルローンを利用するために必要な条件、ダブルローンを利用する場合の注意点、そして利用する方法について、分かりやすくまとめました。
今の家のローンが無いなら通常の住宅ローン
今の家のローンが無い場合は、通常の住宅ローンを利用する方法も。
普通に住宅ローンを借りて、今の家が売れてから一括返済をします。
住宅ローン減税が利用できるなら、低金利で借りて返済を遅らせても良いでしょう。
家の買換えで、住宅ローン控除(減税)は使えるのか? 最大400万円を損しないため、簡易判断チャートを元に税金対策について解説します。
方法2. 今の家を先に売却する
つなぎ融資を利用せず、今の家を先に売却する方法もあります。
家の売却を優先する欠点として、家が売れたのに新しい家が見つからないと、売却後の仮住まいが必要になってしまう事。
ただ運が良ければ、買い主に家賃を支払って売却後もしばらく住まわせてもらえるケースもあります。
家の買い替えで「仮住まいなし」で住み替える6つの方法、仮住まいするなら知っておきたい仮住まい4つのコツをまとめました。
相場が落ち着くまで賃貸という方法も
さらに発想を変えると、思い切って数年間を賃貸住宅で過ごし、数年後に不動産価格が落ち着いてから、新しい家を購入するという選択肢もあります。
この様なイメージですね。
今は、都心部を中心に不動産価格が高騰しています。
不動産価格指数(全国)
不動産価格指数とは
不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。
中古マンションは約12年で102%も値上がりしています。
売却するには良いタイミングですが、家を購入するには悩ましいタイミングかもしれません。
まとめ
ここまで「家を買い替えるなら、知っておくべき『つなぎ融資』」として解説してきました。
つなぎ融資の3つのメリットは、
- 仮住まい不要で、引越しが一度で済む。
- 売却に縛られず、気に入った家を買える。
- 空き家で売り出すと内覧が増え、即入居可で売れやすい。
一方でつなぎ融資の3つのデメリットは、
- 期間中に売れないと売却価格が安くなる
- 途中で不動産会社を替えられない
- そもそも使えないケースがある
つなぎ融資の他に、普通の住宅ローンやダブルローンを使う方法、先に家を売る方法があります。
つなぎ融資を利用するなら、3〜6社の不動産会社へ無料査定を依頼し、信頼できる不動産会社を選びましょう。
つなぎ融資が利用できる不動産会社は、三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+など。
あなたの家の買い替えが成功することを、心よりお祈りしております!
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
-
おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 87万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国841店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国841店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2024年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
-
おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計55万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,300社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績55万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。