任意売却イメージ
「住宅ローンが厳しいけど、任意売却で解決できる?」

住宅ローンの負担を任意売却で解決できるのか、お悩みでしょうか?

任意売却で家を売って、住宅ローンから解放されたい。
でも本当に任意売却できるの?

そんなあなたに、任意売却に必要な6つの条件をまとめました。

任意売却で家が高く売れたら、競売せずに住宅ローン問題を解決できるかもしれません。

もし条件をクリアしていないくても、今から準備すれば間に合うケースも多いでしょう。

また任意売却より良い解決策が見つかる可能性もあります。

あなたが、今の苦しい状況から脱出し、スッキリと新たな生活のスタートを切るために、この記事がお役に立てば幸いです。

任意売却に必要な6つの条件

任意売却するためには、次の6つの条件が必要です。

任意売却に必要な6つの条件

条件1. 債権者の同意
任意売却する上で一番大切なのが債権者(ローンを借りている金融機関)の同意です。
条件2. 税金滞納で差し押さえられていない
税金の滞納で家を差し押さえられると、任意売却できません。
差し押さえを解除するには、全額納付するか役所と交渉します。
条件3. (連帯保証人がいる場合は)連帯保証人の同意
債権者が同意するための条件。
任意売却は連帯保証人にも良い話なので、普通は同意します。
条件4. (共有名義人がいる場合は)共有名義人の同意
任意売却に限らず、売却では必要な条件。
任意売却は共有名義人にも良い話なので、普通は同意します。
条件5. 十分な時間
すでに滞納し競売手続きに入っている場合は、競売開札日の1ヶ月程度前までに買主を見つけないと、任意売却は厳しくなります。
条件6. 売れる物件であること
過疎地など、売れない物件では任意売却が難しくなります。

この6つの条件をクリアし任意売却ができる場合は、任意売却に向けて準備を始めましょう。

任意売却の準備については、こちらの記事をお読み下さい。

それぞれの条件について、詳しく解説します。

条件1. 債権者の同意

債権者イメージ
6つの条件のうち、とにかく一番大切な条件となるのが「債権者の同意」です。

家に抵当権を設定している債権者の同意

ここでいう「債権者」とは、あなたの家に抵当権を設定している債権者。

普通は、住宅ローンを借りている金融機関だけで、カードのキャッシングや無担保ローンは含みません。

無担保ローンが多い場合は個人再生

もし無担保ローンなど住宅ローン以外のローンが多く、結果として住宅ローンの返済が厳しい場合は、任意売却よりも「任意整理」「個人再生」を先に検討しましょう。

個人再生では、家を手放さずに住宅ローン以外のローンを最大1/10に圧縮することができます。

個人再生については、こちらで解説しています。

代位弁済後の債権者は保証会社に変わる

住宅ローンを滞納して「代位弁済通知」が届くと、債権者は金融機関から保証会社に変わります。

なぜなら住宅ローンでは保証会社を利用して住宅ローンを借りるため、抵当権は保証会社の名前で設定されているため。

ハウスハウス

代位弁済ってなに?


家博士家博士

代位弁済とは、保証会社が残りのローン全額を金融機関に一括返済すること。


ハウスハウス

保証会社が代わりに一括返済するから、今度は債権者が保証会社に変わるんだね

債権者の同意は、専門業者に交渉してもらう

ハウスハウス

債権者が任意売却に同意するためには、どうすればいいの?


家博士家博士

先に任意売却専門の不動産会社に相談して、不動産会社から金融機関へ確認してもらうと良いよ。

任意売却業者の選び方は、こちらで解説しています。

債権者が任意売却に同意するかは、債権者次第で違います。

例えば、金融機関の中には競売しか認めないところもありますし、逆にフラット35(住宅金融支援機構)のように、任意売却を推奨しているところもあります。

まず任意売却専門の不動産会社に相談してみましょう。

債権者には決済・引き渡しの直前まで拒否権がある

任意売却では、最後の最後まで債権者が主導権を握っています。

そのため11.決済・引き渡しの直前でも、債権者は任意売却を中止できます。

ハウスハウス

決済・引き渡しが完了するまでは、気が抜けないね

【任意売却の流れ】

  1. 一括査定で売却価格を確認
  2. 任意売却することを決断
  3. 任意売却業者選び
  4. 事前相談・不動産価格詳細査定
  5. 任意売却業者決定・媒介契約
  6. 債権者との売出し価格交渉
  7. 販売活動
  8. 配分案作成、抵当権抹消承認
  9. 売買契約
  10. 引越し
  11. 決済・引き渡し←この直前まで債権者は拒否できる
  12. 新しいスタートへ

任意売却の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

なお任意売却には競売と違って明確なルールがありません。

そのため、一般的には住宅金融支援機構の任意売却の流れがベースとなります。

(参考)住宅金融支援機構・融資住宅等の任意売却

債権者の合意が難しい場合はタイミングを改めて

まず代位弁済後の保証会社に交渉してみる

任意売却の交渉は、代位弁済前の金融機関より、代位弁済後の保証会社の方が簡単です。

なぜなら金融機関にとっては、代位弁済で保証会社から全額回収した方が、自社の決算で損失にならないため。

一方で保証会社は、少しでも多く回収できる方法を選ぶので、任意売却に同意しやすくなります。

競売の売却基準価格が出た後に、もう一度交渉

もし保証会社に断られた場合は、競売申立後にもう一度交渉すると良いでしょう。

なぜなら、裁判所から競売の売却基準価格が出ると、債権者は競売と任意売却のどちらを選んだほ方が有利か判断しやすくなるため。

また競売と並行して任意売却を進めることができるという理由もあります。

競売中止(申立の取り下げ)の期限は競売開札前日なので、任意売却で買主が見つからない場合はそのまま競売できるのです。

最後まであきらめずに交渉してみましょう。

条件2. 税金の滞納で差押さえられていないこと

税務署イメージ
2つ目の条件は、税金の滞納で家が差押えられていないこと。

税金の滞納では、他のローンと違い余計な手続き抜きで、いきなり家を差押えできます。

(カードローンなど普通のローンでは、家に抵当権を設定していなければ、家を差し押えることはかなり難しいのです。)

この差押え登記を外さなければ、任意売却はできません。

ハウスハウス

税金って何があるんだっけ?

家博士家博士

固定資産税や都市計画税、住民税、所得税、事業税、国民健康保険料などがある。
家に関する税金だけではないんだ。

全額返済又は交渉で差押え登記を外す必要がある

もし差押さえられている場合は、滞納している税金を全額納付するか、一部だけ納付して役所と交渉することに。

全額納付すればもちろんですが、一部だけ納付して交渉が成功すれば差押え登記が解除されて、任意売却できるようになります。

役所によって差押え登記を外す基準が異なるため、交渉が成功するかは、業者の交渉力と役所の担当者次第です。

条件3. (連帯保証人がいる場合は)連帯保証人の同意

連帯保証人イメージ
住宅ローンを組む際、一般的に配偶者が連帯保証人になります。

連帯保証人がいる場合は、連帯保証人の同意が必要。

なぜなら、少し難しいですが、債権者に法律上のリスクがあるため。

具体的には、任意売却後に債権者が連帯保証人から訴えられるリスクです。

ハウスハウス

なんで連帯保証人が訴えるの?

家博士家博士

不当に安すぎる価格で売却して損したという理由なんだ。
正式には民法上の『担保価値保存義務』に違反しているというのが、訴える理由だよ

ちなみに『連帯保証人』と『保証人』は違います。
もし親兄弟などが保証人になっていても、任意売却に同意は不要です。
なぜなら保証人には次のような権利があるため。
保証人の権利

  • 先に債務者に請求するように主張できる(催告の抗弁権)
  • 先に債務者の財産を差し押さえるように主張できる(検索の抗弁権)
  • 複数の保証人で分割して負担する(分別の利益)

連帯保証人には以上のような権利が全て無く、債務者と同じ立場だから債権者を告訴できるのです。

連帯保証人にはきちんと説明して納得してもらう

任意売却は、連帯保証人にとっても悪い話ではありません。

任意売却で少しでも多くの住宅ローンが返済できれば、任意売却後に残るローン残額も小さくなります。

任意売却後に残ったローン(債権)は、無くなるわけではありません。

多くの場合サービサー(回収業者)に安値で売却され、ある程度減額された金額を少しずつ返済することになります。

だから家を少しでも高く売却して、残債を減らしておけば、任意売却後の返済も楽になります。

公正証書に署名捺印しない限り、貯金や給与が差押えられることは少ない

債権者があなたや連帯保証人の動産(貯金や給与)を差し押さえる可能性は少ないでしょう

なぜなら債権者が連帯保証人の動産(貯金や給与)を差し押さえるためには、債務名義が必要になります。

債務名義を得るためには、公正証書か裁判・調停が必要ですが、裁判・調停は時間も費用もかかるため、あまり選ばれません。

つまりあなたか連帯保証人が公正証書に署名捺印しない限り、動産を差押えされる可能性は低いのです。

条件4. 共有名義人の同意が必要

売却する物件が共有名義の場合、共有名義人の同意が必要です。

これは通常の不動産の売却でも同じ。

売買契約の手続きの際には、名義人全員の立ち会いと捺印が必要になります。

ハウスハウス

仕事の都合などでどうしても全員立ち会えない場合はどうするの?

家博士家博士

その場合は委任状でもOK。それでも全員賛成していることが必須だから注意しておこう

委任状について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

共有名義人の同意が問題になるケースとは

共有名義人の同意が問題になることはほとんどありません。

多くは連帯保証人と共有名義が同じなので、先程の連帯保証人と同じように任意売却を選ぶのが自然だからです。

ただし、ごく一部のケースとして、次のような場合に問題になります。

共有名義人が住宅ローンに一切関係していない場合は同意が難しい

共有名義の持ち分を担保に住宅ローンを借りるケースはほとんどありませんが、相続などでそうなっているケースも中にはあります。

この場合は、共有名義人が同意しなければ、共有持分だけの売却になります。

共有持分を売却しても、価格は相場よりかなり安くなってしまいます。

共有名義人になんとか協力してもらうことを交渉してみましょう。

共有名義の不動産売却については、こちらで解説しています。

条件5. 十分な時間がある

売却期間イメージ
十分な時間的余裕がないと、任意売却も難しいもの。

なぜなら、債権者によっては競売の開札が始まると任意売却に同意しないこともあるためです。

ハウスハウス

具体的にはどれくらいの余裕が必要なの?

家博士家博士

競売の開札日の1ヶ月程度前には、買主が決まっていないと厳しいと考えておこう

ここでポイントとなる競売ですが、具体的には次のような流れで手続きが進められます。

【競売の流れ】

  1. 住宅ローン滞納
  2. 書面・電話による督促
  3. 期限の利益喪失予告状
  4. 期限の利益喪失通知(滞納開始から3〜6ヶ月)
  5. 一括払い請求(金融機関から)
  6. 代位弁済手続き開始の通知
  7. 代位弁済通知
  8. 一括払い請求書(保証会社から)
  9. (滞納開始から4〜8か月)
    競売開始決定通知書(地方裁判所から届く)
    不動産現況調査について通知(地方裁判所から届く)
    ↓(約2ヶ月)
  10. 入札の通知
    ↓(約1ヶ月)
  11. 期間入札の開始
    ↓(約2週間)
  12. 開札日←この1ヶ月前に買主が決まっている必要あり
    ↓(約1週間)
  13. 売却許可決定・所有権移転
  14. 強制退去

この流れから考えると、不動産現況調査についての通知が来てから4〜6ヶ月が限界。

早ければ早いほど良いので、任意売却することに決めたらとにかく早めに動くことが重要です。

なお、競売開始決定があると不動産は差押さえられます。

そのため、普通の売却は不可能に。

任意売却か競売のどちらかしかできなくなる点に注意しておきましょう。

条件6. そもそも売れる物件であること

最後の条件は、売れる物件であること。

購入してくれる人がいなければ、任意売却も成立しません。

任意売却は売却期間も限られているため(3〜6ヶ月が一般的)、購入者が見つからなければ競売となってしまいます。

地方の田舎の物件などは債権者の同意を得るのも難しいですが、競売しても売れない恐れもあるため、交渉しだいです。

交渉力のある不動産会社に依頼してみましょう。

先ずは売却価格を確認

価格を確認するイメージ
任意売却をするなら、まずは売却価格がいくらになりそうか確認してみましょう。

売却価格を確認するためには、不動産会社へ無料査定を依頼します。

エリアで売却実績が豊富な不動産会社3〜6社へ査定を依頼すると、正確な価格が分かります。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいバリュー
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    87万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国841店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国841店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2024年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計55万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,300社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績55万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

あわせて任意売却に強い専門業者の話も聞いておきましょう。
任意売却の専門業者として、例えばこちらがあります。
住宅ローン滞納問題相談室

あなたの任意売却が成功することを、心よりお祈りしております!