任意売却イメージ
「住宅ローンが払えないので、任意売却したい…。」

住宅ローンが払えず、任意売却をお考えですね。

ローン返済が苦しいけど、売ってもローンが返せない…。
任意売却なら解決できそうだけど、本当に大丈夫?
任意売却がスッキリ分かり、安心してスタートできれば良いのに。

そんなあなたのために、任意売却の流れを分かりやすくまとめました。

任意売却の流れをきちんと知れば、不安が軽くなり、迷わずスタートできるでしょう。

あなたの任意売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

※もしまだ任意売却を決断していない場合は、こちらの記事を先にお読み下さい。

任意売却の流れ

任意売却の流れはこちら。

ただし任意売却には、法律などで決まったルールがありません。

一般的には住宅金融支援機構(フラット35)の任意売却手続きをベースに、手続きが進められます。

(参考)住宅金融支援機構・融資住宅等の任意売却

ハウスハウス

決まったルールがないの?


家博士家博士

法律で決まったルールがないから、条件によって少し手順が違うこともある。
でも基本の手順を知っておけば大丈夫だよ。
順番に解説しよう。

1. 一括査定で相場を確認

大手不動産会社イメージ
まず最初に普通に売ったらどれくらいの価格で売却できるか相場を確認しましょう。

なぜなら今は相場が高騰しており、思わぬ高値で売れる可能性もあるため。

今は相場が高騰している

今は都市部を中心に不動産相場が高騰しています。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202403)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で89%も値上がりしています。


戸建ては上昇していないように見えますが、これは都心部の戸建てが上昇している分を、地方の戸建ての値下がりが打ち消しているため。

戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。

ハウスハウス

マンションはすごい値上がりだね!
でも自分の家の価格はどうやって調べるの?


家博士家博士

正確に知るためには、複数の不動産会社に査定を依頼するんだ。

複数の不動産会社に査定を依頼する

自分の家の相場を知るためには、不動産会社3〜6社へ無料査定を依頼し、査定価格の平均を売却価格とします。

なぜなら今の相場は、コロナの影響もありプロでも査定が難しいため。

正確な相場を知る丈には、エリアで売却実績が豊富な不動産会社を選びましょう。

ハウスハウス

そんな不動産会社なんて知らないよ。


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。

滞納前なら訪問査定、滞納後なら簡易査定

ちなみに一括査定サイトでは、メールなどでザックリ査定する「簡易査定」と実際に家を見て査定する「訪問査定」の2種類を選べます。

もし住宅ローンを滞納していないなら、訪問査定でしっかり見てもらうのがオススメ。

時間的な余裕もあるので、不動産会社に色々話を聞いて、任意売却について教えてもらえます。

しかし既に住宅ローンを滞納している状態なら、すぐに査定価格が分かる簡易査定が良いでしょう。

限られた時間を無駄にしないために、電話で最低限の話を効率よく聞いて次のステップに進めます。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

任意売却の情報も聞いておく

不動産会社の査定価格を受け取るときに、任意売却についても聞いておきましょう。

多くの不動産会社は任意売却も手掛けており、専門業者ともパイプがあります。

上手くいけば良い業者が見つかる可能性もあるでしょう。

2. 他の選択肢と比較して決断

決断イメージ
不動産会社に査定を依頼すると同時に、あなたが本当に任意売却するべきか他の選択肢と比較しましょう。

ハウスハウス

他の選択肢は何があるの?


家博士家博士

家が値上がりしているなら、普通に売却できるかもしれない。
ダメでもリスケジュールと個人再生、競売という選択肢がある。
自己破産するなら、競売の方が良い場合もあるんだ。

任意売却以外の4つの方法

方法1. ローン残より値上がりしているなら「普通に売却」

家を査定して、ローン残より値上がりしているなら普通に売却できます。

普通に家を売却する方法は、こちらの別記事で解説しています。

方法2. 一時的に苦しいなら返済を減らす『リスケジュール』

一時的に返済が苦しい場合は、リスケジュールが良いでしょう。

リスケジュールとは、融資の返済プランを減額して、一時的に返済を軽くするもの。

一般的に金融機関は、任意売却の前にまずリスケジュールを勧めてきます。

具体的には、

  • 支払いを減額(返済期間の延長)
  • しばらくの間だけ支払いを減額(一定期間の減額)
  • ボーナス返済の変更や取りやめ

などがあります。

リスケジュールの方法は、今の住宅ローンを借りている金融機関に相談すると教えてくれます。
【参考】住宅金融支援機構・月々の返済でお困りになったとき

方法3. 住宅ローン以外のローンが多い場合は『個人再生』

住宅ローン以外の無担保ローン返済が多く、結果として住宅ローン返済が厳しい場合は、個人再生が良いでしょう。

個人再生は債務整理のひとつで、裁判所を通じて債務を減額してもらえるもの。

個人再生を選ぶ場合は、弁護士や司法書士に相談します。

個人再生について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

方法4. 自己破産するなら『競売』の方が長く住める

任意売却をしても、その後で自己破産になってしまう場合は、任意売却せずに自己破産した方が長く家に住めます。

任意売却なら3ヶ月前後で家を出ることになりますが、競売なら住宅ローンを支払わずに1年近く家に住むことが可能。

つまり任意売却した後に自己破産するなら、任意売却より競売を選ぶ方が有利と考えることもできます。

競売について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

以上のように複数の選択肢を知って、それでも「任意売却する」と決めたら、次は業者選び。

3. 任意売却の業者選び

ポイントのイメージ
任意売却業者を選ぶときに大切な事は、業者からの飛び込み営業は無視して、自分で探すこと。

詐欺業者に騙されないために、業者は自分で探す

「業者からの飛び込み営業なんてあるの?」と思うかもしれませんが、競売の申立て後は業者からの営業が増えます。

中には悪質な詐欺業者もいて、手数料だけ取って任意売却しないなんてことも。

また「特殊な方法だから」と根拠のない手数料などを請求する業者もいるので注意しましょう。

任意売却の手数料は、通常の不動産売買と同じ仲介手数料(売買価格×3%+6万円)です。

家博士家博士

不動産取引では、仲介手数料以外の手数料を受取ることが禁止されているんだ。
これは任意売却でも同じだよ

任意売却業者を探すのが難しいなら、最初に一括査定を依頼した不動産会社に任意売却の実績を聞いてみましょう。

無料査定を依頼した不動産会社の中に、任意売却の実績があれば、選択肢の一つになります。

複数の業者から話を聴き比べて選ぶ

家博士家博士

もう一つ大切なのが、複数の業者の話を聴き比べて選ぶこと。
最初から1社に絞るのではなく、複数選んで話を聞き比べることが大事だよ

任意売却は明確なルールがないので、業者によって言うことが違うこともあります。

特に売却後の転居先選びやアフターフォローがしっかりしているかなど、売却以外についてもよく聞いておきましょう。

任意売却の専門業者として、例えばこちらがあります。
住宅ローン滞納問題相談室

任意売却の業者選びについては、こちらで詳しく解説しています。

4. 事前相談・詳細査定

打ち合わせイメージ
候補の業者をある程度絞ったら、どの業者を選ぶか事前相談や詳細査定を行います。

事前相談では正直に全て話す

事前相談の際のポイントは、とにかく正直に全て話すこと。

お金にのことは話しづらいかもしれませんが、トラブルを防ぐためにも、正直に話しておきましょう。

事前相談では、次のことを聞かれます。

【事前相談で聞かれること】

① 自宅の状況について
  • 自宅住所や地番、家屋番号
  • 所有者
  • 使用状況
② 滞納状況について
  • 現在の住宅ローンの支払い状況(滞納中なら、何ヶ月滞納しているか等)
  • 抵当権などの設定状況
  • 住宅ローンの残債と返済額、月収や支出額など
  • 住宅ローン以外に借りているローンの有無
  • 固定資産税等、税金関係の滞納の有無
  • (マンションの場合)管理費や修繕積立金の金額と滞納の有無
③ 連帯保証人について
  • 住宅ローンの連帯保証人の有無
④ 不動産について
  • 敷地と道路の関係
  • 建物の状態(増改築の有無)
  • 近隣トラブルの有無

ハウスハウス

こんなの分かるかな


家博士家博士

分かる範囲で答えればいいよ。
登記などは不動産会社が調べてくれるから。

詳細査定でより現実的な価格に

一括査定によって査定価格が出ますが、一括査定で分かるのはあくまでも「大まかな」査定価格。

事前相談の内容も踏まえて、詳細査定を行います。

詳細査定では一括査定よりも低い価格になるのが一般的。

これは売却の難易度も価格に反映させるためで、より現実的な価格になっていると考えてください。

5. 任意売却の業者決定・媒介契約

売買契約イメージ
任意売却業者を決めるときは、査定結果だけでなく、実際に話して一番信頼できそうな業者を選びましょう。

任意売却という特殊な方法だからこそ、お互い信頼できることが何よりも大切です。

媒介契約は専属専任か専任が多い

任意売却では、業者との媒介契約は専任媒介契約か専属専任媒介契約が一般的。

ただし、債権者の意向次第では一般媒介になるケースもあります。

一般媒介になるのは、債権者が指定する不動産会社が並行して売却する場合。

媒介契約を結んだら、その後の手続きなどは基本的に全て業者にお任せでOKです。

媒介契約については、こちらで詳しく解説しています。

住宅ローンを滞納する

住宅ローンをまだ支払っている場合は、住宅ローンの返済を3〜5ヶ月程度、わざと滞納します。

なぜなら住宅ローンの滞納が3〜5ヶ月程続き、債権者から一括弁済を迫られた時点から、任意売却の手続きができるため。

ただし住宅金融支援機構のフラット35は「任意売却に関する申出書」を提出するだけで、滞納なしで任意売却を始められます。

【参考】住宅金融支援機構・融資住宅等の任意売却

ハウスハウス

ただ返済が苦しくなったというだけでは、任意売却できないんだね


家博士家博士

そう。だからわざと住宅ローンの返済を滞納するんだ

6. 債権者との売出し価格交渉

価格交渉イメージ
債権者との売出し価格交渉は、あなたの代わりに業者が全て仕切ってくれます。

ただし税金を滞納している場合の役所との交渉では本人も同席が多く、この辺りは業者が教えてくれます。

7. 販売活動

売却活動メージ
売出し価格が決まれば、いよいよ販売活動が始まります。

ハウスハウス

買主が見つかるまで、販売活動が続くの?

家博士家博士

任意売却の場合は、債権者の許可した期間だけ販売活動ができるんだ。
通常は3〜6ヶ月程度だね

販売活動中は購入希望者による内覧があるため、内覧対応は必要です。

すでに競売が申し立てられていて、期間入札まで余裕がない場合は、買取専門業者に売る場合も。

また、買主がなかなか見つからずに売出し価格を下げることもありますが、この場合は債権者の許可が必要になります。

内覧対応については、こちらで詳しく解説しています。

任意売却では、売却の条件として次の2つがあります。

任意売却特有の売却条件2つ

条件1. 瑕疵担保免責

任意売却では、売却後に何らかの補修が必要になったとしても売主は対応できないため、瑕疵担保責任は免責となります。

瑕疵担保責任とは、家になんらかの欠陥(瑕疵)があったことが売却後に分かった場合、売り主の責任として補修などの費用を負担すること。

通常は3ヶ月などの期間限定で瑕疵担保責任を売買契約書へ記載しますが、任意売却では瑕疵担保責任はなし(免責)とするのが一般的です。

家博士家博士

瑕疵担保免責になるからといって、既に分かっている欠陥を隠して売るようなことはしないこと。
分かっていることは買主にもきちんと伝えておこう

瑕疵担保責任については、こちらで詳しく解説しています。

条件2. 司法書士の売主指定

登記簿の名義人変更や抵当権抹消などを行う司法書士は、通常の売買では買主が指定します。

しかし任意売却では「債権者との交渉」という特別な作業が発生するため、売主が司法書士を指定します。

司法書士は業者が紹介してくれるので、お任せで大丈夫です。

8. 配分案の作成、抵当権抹消の承認

配分案作成イメージ
任意売却物件の購入希望者が見つかれば、業者が配分案を作成します。

配分案とは、売却代金を誰にどのように配分するかを示したもの。

債権者の同意を得るために作成される資料です。

売却代金の配分は、家に抵当権がある債権者のみで、無担保ローンなどは配分の対象外。

売却代金から必要な費用を控除し、その残りを配分します。

売却費用は売却代金から差し引かれる

売却に必要な費用としては、主に次のようなものがあります。

売却に必要な費用

  • 後順位の抵当権抹消承諾料
  • 「ハンコ代」と呼ぶこともあり、順位によって金額が異なります。

  • 破産財団組入額(破産している場合)
  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 公租公課
  • 管理費滞納分
  • 転居費用
  • 印紙代

これらの費用は売却代金から差し引かれます。

ただし全て控除できるわけではありません。

債権者によっては控除を認めないこともあるので、詳しくは業者が説明してくれます。

家博士家博士

配分案の他にも書類の提出を求められることがあるんだ。
具体的には生活状況申出書や分割弁済申出書といった書類で、任意売却後も債務が残る場合に提出することになるんだ

生活状況申出書は、現在の収入や支出、勤務先や借入金額などを記載するもの。

分割弁済申出書は「なるべく早く弁済します」ということを申し出る書類になります。

また、債権者によってはこの時点で面談ヒアリングがあることも。

「滞納している」という負い目もあるので、どんなことを聞かれるのかと不安になるかもしれません。

しかし、厳しく問い詰められたりすることはないので、あまり心配しなくて大丈夫。

抵当権抹消は、担当者レベルで承認という流れになります。

9. 売買契約

売買契約イメージ
任意売却の売買契約では、債権者の意向次第で白紙解除できる特約を付けます。

これは債権者がギリギリまで協議できるようにするため。

債権者が1者だけなら特に揉めることもありませんが、複数いる場合には協議が難航することもあります。

配分案に納得できない債権者がいれば、抵当権の抹消を承認しないこともあるのです。

ハウスハウス

協議するってことは、配分に関する明確なルールなどはないってこと?

家博士家博士

そう。競売と違って任意売却の配分には強制力もないから、協議によって決めるしかないんだ。
納得いかない債権者がいれば抵当権も抹消できなくなってしまうから、こうした場合に備えて白紙解除の特約を付けるんだよ

10. 引越し

引越しイメージ
売買契約を結び、債権者の本承認が確定すれば引越しです。

任意売却では売却代金から転居費用を確保できることもあります。

とは言え、最近は転居費用が出たとしても、せいぜい10〜30万円程度。

債権者の意向次第で出ないことも多くなっています。

11. 決済・引き渡し

決算イメージ
決済と物件の引き渡しが終われば任意売却も完了。

ここでは債権者も立ち会うので、決済日が決まったら債権者へも日時を伝えておきます。

なお、売却代金で全額弁済できない場合は、この場で今後の返済について打合せを行うこともあります。

12. 新しいスタートへ

自由なイメージ

残りの借金は可能な範囲で返済が続く

任意売却によって全額弁済できなかった場合、残りの借金については可能な範囲での返済が続きます。

返済額は交渉によって減額も可能なので、あなた自身が返済できる金額で交渉しましょう。

任意売却後に残ったローンは、最終的にサービサーと呼ばれる債権回収会社に売却されます。

サービサーに売却された場合は、返済もサービサーに返済することに。

サービサーは債権金額の2〜5%で買い取るため、かなり減額された金額の返済で済むことが多くなっています。

ハウスハウス

債券金額の2〜5%ということは、それだけ残債務が減るのかな?

家博士家博士

そうだね。仮に1,000万円の残債務があったとしても、返済は月1万円×50回で済む…なんてこともあるんだ

無担保ローンは別扱いになる

住宅ローン以外の無担保ローンは、任意売却では解決できません。

個人民事再生(個人再生)または自己破産のいずれかを選択することになります。

まとめ

ここまで任意売却の流れを解説してきました。

任意売却の流れ

  1. 一括査定で相場を確認
  2. 他の選択肢と比較して決断
  3. 任意売却の業者選び
  4. 事前相談・詳細査定
  5. 任意売却の業者決定・媒介契約
  6. 債権者との売出し価格を交渉
  7. 販売活動
  8. 配分案の作成、抵当権抹消の承認
  9. 売買契約
  10. 引越し
  11. 決済・引き渡し
  12. 新しいスタートへ

任意売却のスタートは、一括査定で相場を確認すること。

相場を知ることで他の選択肢と比較できますし、不動産会社によっては任意売却の相談もできます。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

あなたの任意売却が成功することをお祈りしています!