相続した空き家イメージ
「相続した空き家を売ろうと思っているけど、重い腰が上がらない…」

相続した空き家の売却でお悩みでしょうか?

相続した空き家だから、購入価格もよく分からない。
持っていても仕方ないので売りたいけど、どこに頼めばいいのやら…。

そんなあなたが知っておきたいのは、相続した空き家を売るなら急いだ方が良いということ。

なぜなら相続した空き家限定で利用できる税金の特例には、期限があるため。

特に購入時の価格が分からないと、売却価格の5%で買ったことになり、多額の税金がかかります。

この記事では、相続した空き家の売却で知っておきたい税金の特例とその期限について解説。

さらに、空き家について知っておきたい不動産市場の現状と、空き家を高く売るための方法について解説します。

あなたの空き家を高く売却し、肩の荷をスッキリ降ろすために、この記事がお役に立てば幸いです。

相続した空き家は3,000万円まで非課税に

相続した空き家を売却して利益(譲渡所得)があっても、3000万円までは控除(非課税)される特例があります。

それが、
「平成28年度税制改正の大綱(平成27年12月24日閣議決定)」で新しく創設された「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」というのが正式名称。

必要な条件、特に期限に注意

この特例を利用するためには、以下の条件を全て満たす必要があります。

【特例を利用するための条件】

  • 故人の亡くなった時点で、故人の他に居住者がいなかったこと。
  • 相続から売却するまでの間、誰かが住んだり、誰かに賃したりしていないこと。(ずっと空き家であること。)
  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋で区分所有以外の建物であること。(家屋を取り壊して土地を売った場合もOK)
  • 平成28年4月1日から令和5年(2023年)12月31日までの期間に売却すること。(2019年度税制改正で4年延長)
  • 相続があった日から3年後の年の12月31日までに、売却すること。
  • 売却価格が1億円以下であること。
  • 建物を残して売る場合は、新耐震基準に合格すること。(強度が不足する場合は、耐震改修が必要)

【参考】No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例・国税庁

※この他に確定申告書へ記載事項と添付書類を添える必要があります。実際に特例を適用する場合は、必ず税理士や税務署へ詳細を確認して下さい。

ハウスくんハウスくん

色々と細かいね。


家博士家博士

まあ、まずザックリと当てはまるかどうかだけ知っておこう

特例の3つの注意点

特例が使えそうなら知っておきたい3つの注意点があります。

注意点1. 家を売却した時の利益は意外と多い

空き家を売却したときの利益(譲渡所得)は、意外と多くなりがちです。

なぜなら、減価償却や取得費の計算など、利益は税法で決められた計算方法だから。

家を売却した時の利益(譲渡所得)の計算はこちらのイメージ。

【売却利益(譲渡所得)イメージ】

譲渡所得のイメージ
忘れがちなのは「減価償却費」。
建物の価値が年々減る計算をしなくてはいけません。

譲渡所得の計算について詳しくはこちらを参考に

また、購入した時の金額が不明な場合は、
譲渡価格×5%が取得費に。

この場合は譲渡所得が大きくなってしまうので要注意です。

詳しくは、こちらで解説しています。

注意点2. 以前からの特例とは併用不可

以前からある「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」と併用することは出来ません。

この特例は、不動産などを相続してから売却(譲渡)した場合に、支払った相続税を不動産などの取得費として、譲渡所得(売却利益)を減らせるもの。

【参考】国税庁/相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

どちらかを選択することになりますが、新しい特例「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の方がほとんどの場合でお得なので、こちらを選ぶべきでしょう。

注意点3. 空き家の売却には時間がかかる

空き家の売却には、長い時間がかかります。

また時間をかけた方が、より高く売却できるということもあります。

売却にかかる期間は、通常半年、地方では数年かかる恐れも。

いずれ売る予定なら、とにかく早めに売却活動を始めましょう。

特例には2つの期限がある

相続した空き家の特例には、次の2つの期限があります。

  • 相続してから3年後の年の12月31日まで
  • 2023年12月31日まで

この期限までに売却を終えないと、3,000万円以下の利益にも課税されます。

まず今の売却価格と売却期間の目安を確認する

先ずは不動産会社に問い合わせて、今の売却価格と売却期間がどのくらいかかりそうか、確認してみて下さい。

正確な価格を知るためには、次の2つが大切です。

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。

ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。

ハウスくんハウスくん

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、どうやって探すの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいValue
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    36万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国870店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
    6社といっても全国870店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2020年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
    簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. SRE不動産(旧ソニー不動産)

    SRE不動産
    実績4.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス株式会社

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
    あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。

    管理人のコメント

    大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。

  4. 【公式サイト】SRE不動産

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社4.0
    査定実績:
    累計40万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,500社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
    机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ
エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
    すまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。
  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
    すまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。
  • 地方(人口密度が少ない地域)
    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME'Sも使ってみると良いでしょう。

空き家について知っておきたい不動産市場

相続した空き家の売却を考えるときに、今の不動産市場について知っておきましょう。

空き家が急増し社会問題に

日本では、空き家が急増しています。

日本人の人口・世帯数と住宅戸数

住宅戸数と世帯数の変化2018年

人口は2004年にピーク(1億2,779万人)、世帯数は2023年にピークを迎えて減少に転じます。
しかし住宅は毎年新築住宅が80万戸以上のペースで供給され、増え続けている状態。

既に平成30年(2018年)には全国の空き家率が13.6%に。

地方では状況は更に深刻で、山梨県(21.3%)や和歌山県(20.3%)では既に空き家率が20%を超えています。

また首都圏でも千葉県勝浦市(47.1%)や神奈川県湯河原町(33.4%)など30%を超える地域が増えてきています。

都道府県別の空き家率(2018年)

都道府県 空き家率
北海道 13.5%
青森県 15.0%
岩手県 16.1%
宮城県 12.0%
秋田県 13.6%
山形県 12.1%
福島県 14.3%
茨城県 14.8%
栃木県 17.3%
群馬県 16.7%
埼玉県 10.2%
千葉県 12.6%
東京都 10.6%
神奈川県 10.8%
新潟県 14.7%
富山県 13.3%
石川県 14.5%
福井県 13.8%
山梨県 21.3%
長野県 19.6%
岐阜県 15.6%
静岡県 16.4%
愛知県 11.3%
三重県 15.2%
滋賀県 13.0%
京都府 12.8%
大阪府 15.2%
兵庫県 13.4%
奈良県 14.1%
和歌山県 20.3%
鳥取県 15.5%
島根県 15.4%
岡山県 15.6%
広島県 15.1%
山口県 17.6%
徳島県 19.5%
香川県 18.1%
愛媛県 18.2%
高知県 19.1%
福岡県 12.7%
佐賀県 14.3%
長崎県 15.4%
熊本県 13.8%
大分県 16.8%
宮崎県 15.4%
鹿児島県 19.0%
沖縄県 10.4%

出典:総務省統計局・平成30年住宅土地統計調査

シンガポール国立大学の研究によると、

  • 日本の住宅は2030年に空き家率30%、空き家戸数2,000万戸を超える。(1/3が空き家に)
  • 日本の住宅価格は2040年には、2010年比で平均46%下がる。(価格は半額に)

(※出典:Analysis of policy options to address Japan’s declining population, shrinking birthrate, and aging society

国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には

  • 6割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
  • 2割の地域で、無人化する。

ことが分かっています。

空き家が放置されると心配されるのは…

  • 倒壊や火災
  • 害虫発生
  • 犬猫の糞などによる悪臭
  • 放火や犯罪
  • 雑草やゴミの不法投棄などによる景観阻害

など。

地方自治体や政府としても対策が必要です。

空き家の固定資産税が6倍になる?

そこで政府が始めた対策が「空き家対策特別措置法」。
平成27年2月に施行され、徐々に関連法が整えられつつあります。

この法律によって、地方自治体が空き家の所有者に厳しいペナルティを課すことができる様になりました。

簡単にはこの様な内容。

  • 管理がしっかり行われていない空き家には、自治体から所有者に「指導・勧告・命令」がある。
  • 最終的には自治体が強制的に取り壊して、所有者に取り壊し費用を請求。
  • 空家を「特定空き家」に認定すると、固定資産税が6倍、都市計画税が3倍になる。

今後、大きな社会問題に発展していくでしょう。

相続した空き家は、なるべく早く売る方がよいかもしれません。

空き家の固定資産税について詳しくはこちら

すべての空き家に増税される流れに

今後は特定空き家に指定されなくても、固定資産税・都市計画税が増税される流れになってきました。

神戸市は、全国に先駆けて2021年度から、全ての空き家の固定資産税と都市計画税を増税(優遇措置の廃止)すると発表。

前例ができたことで、今後は多くの自治体が、少しでも税収を増やすために、同様の措置をとると予想されます。

【参考】産経新聞・神戸市、空き家の税制優遇を廃止へ 来年度から

非居住地域では家が無価値になる恐れも

田舎の家では、さらに他の心配も。
田舎の家の価値が、ある日突然無くなる可能性のある法整備が進んでいるのです。

2014年に施工された「改正都市再生特別措置法」と、それにもとづき各地方自治体がすすめる「立地適正化計画」という新しい土地区分。

今までは都市計画地域として住宅地だったエリアが、立地適正化計画である日突然「非居住地域」として認定されるのです。

「非居住地域」は人が住まない地域となるので、当然不動産の価格は大きく下がります。

幹線道路や駅から離れたエリア、役所など主要公共施設が近くにないエリアは「非居住地域」に指定される可能性が高いので要注意です。

立地適正化計画について詳しくはこちら

空き家を高く売るために大切な「不動産会社選び」

大手不動産会社イメージ
相続で家を売る場合、時間の余裕が無いために焦って失敗することがあります。

家を売る際の注意点はこちらの記事でまとめています。

家の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。

もし不動産会社選びで失敗すれば、売却が長期化したり、安値で家を失う恐れも。

そんな失敗を防ぐために、優秀で信頼できる不動産会社を選びましょう。

あなたの空き家売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。