マンション査定イメージ
「マンションの売り時は? 高騰してるけどそろそろ売り時?」

マンションの売り時でお悩みですね。

確かにマンションを売るなら、相場が下がる前に売り抜けたいもの。

高騰していているマンション価格ですが、売り時はそろそろ終わり、2024年には風向きが変わると予想する専門家が増えています。

この記事を読めば、その予想と根拠に納得できるでしょう。

さらにマンションの売り時は、あなたのマンションの事情にも左右されるもの。

この記事では、マンションの売り時を「相場の動き」と「あなたのマンション」の2つの面から、分かりやすく解説しました。

筆者は不動産投資歴8年、マンション20戸以上を売り抜けたプロ投資家です。

あなたがマンションの売り時を判断するために、この記事がお役に立てば幸いです。

マンションの売り時は2つの要素で決まる

マンションの売り時は、大きく次の2つの要素で決まります。

  1. 相場で決まる売り時
  2. あなたのマンションで決まる売り時

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.相場で決まる売り時

相場で考えると、今は中古マンション価格が高騰しているので売り時といえるでしょう。

マンション相場は、国土交通省が毎月発表する「不動産価格指数」が最も正確です。

中古マンション価格は高騰して売り時

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202404)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で92%も値上がりしています。


マンション価格がこれだけ値上がりしている今は、相場として売り時といえるでしょう。


ハウスハウス

中古マンションはスゴイ値上りだね!
でも売りやすい季節とか気にしなくて良いの?


家博士家博士

季節はあまり気にしなくて良いよ。

季節変動は気にしないで良い

季節より相場全体の動きの方が大きい

マンションの売りどきでよくいわれるのが季節変動ですが、あまり神経質になる必要はありません。

なぜなら季節変動は誤差レベルで、季節よりも相場全体の動きの方が大きいため。

確かにマンションの売買が多いのは2〜3月と9〜10月、逆に8月と1月に減る傾向がありますが、誤差レベルです。

季節の違いは成約価格にも影響ありません。

中古マンション成約の季節変動
(首都圏・コロナ前)

成約件数の季節変化

ハウスハウス

確かに季節の違いなのか、単にバラついているのか分からないね。


家博士家博士

季節より、コロナで競合が減ったけど今は戻ってる。
今後はさらに増えるから、売るなら早い方が有利だよ。

コロナで急減も戻り、今後はさらに増える

2020年4月以降、コロナで売却を見送る売主が増えたため、市場の売出し戸数(在庫戸数)は急減しました。

しかし2021年中頃に底を打ち、今はほぼコロナ前の水準に戻っています。

中古マンション在庫戸数の推移
(首都圏・在庫戸数)

首都圏マンション在庫推移(2024年2月)

今後はさらに増えると予想されるため、マンションを売るなら早い方が有利でしょう。

ハウスハウス

コロナで急に減ってるね。


家博士家博士

売主が感染リスクを避け、住替えを先送りした影響だね。
まぁ買い替えなら、相場を無視する考えもあるけどね。

買い替えなら相場を無視する考えもあり

結婚や出産、定年といったライフイベントに合わせてマンションの買い替える場合は、相場を無視する考えもあります。

なぜなら買い替えでは「買う」と「売る」が同時で、相場の動きが相殺されるため。

あなた自身のライフイベントで買い替えのタイミングを決める方が良いでしょう。

相場にこだわりすぎてしまうと思うように身動きが取れなくなってしまい、それがストレスとなることもあります。

買い替えによる売却なら、買い替えそのものを成功させることに注力した方が成功しやすいでしょう。


ハウスハウス

買い替えなら、相場より自分の都合を優先した方が良いんだね。
でも相場がまだ値上がりするなら、売らずに待った方が良くない?


家博士家博士

あくまで相場の判断は自己責任だけど、今後は金利の上昇など値下がり要素の方が心配だね。
今後のマンション相場を知るために、まず今の相場が高騰した原因を解説するね。

中古マンションが高騰した原因は異次元金融緩和

中古マンションが高騰した原因は、日銀の異次元金融緩和です。

ハウスハウス

え? 中古マンションが人気だからじゃないの?


家博士家博士

中古マンションを買う人はあまり増えていないよ。
逆に売る人が格段に増えている。

中古マンション売り出しが2.5倍に増えた

中古マンション価格の高騰は、中古マンションが人気で売れていることが原因と思いがちですが、実は違います。

逆に中古マンションを売る人は大幅に増えていますが、買う人は増えていません。

首都圏の中古マンション売出し戸数と成約戸数の変化はこちら。

中古マンション売出しと成約戸数
(首都圏)

中古マンションの成約と売出し戸数の推移(首都圏2023)

2000年からコロナ前の2018年で、中古マンションの売出し戸数は約2.5倍に増えています。

しかし成約戸数はあまり増えていません。

ハウスハウス

中古マンションが人気だから、価格が上がったわけではないのか。
じゃあ、なぜ中古マンション価格が高騰しているの?


家博士家博士

新築マンションの価格が高騰しているからだよ。
中古マンションの価格は、新築マンション価格を元に決まるからね

中古マンションの価格は新築マンション価格から決まる

中古マンションの価格は、新築マンションの価格で決まります。

例として、首都圏のマンション価格の変化がこちら。

新築・中古マンションの価格の変化
(首都圏・2012年→2023年)

新築・中古マンションの価格の変化(首都圏・2012年→2023年)

新築マンションの価格が高騰した

新築マンションの価格が高騰し、中古マンション価格を高騰させました。

新築マンション単価の推移
(首都圏・近畿圏)

新築マンション単価の推移(首都圏・近畿圏)2024

新築マンションの1m2あたり平均単価は、
首都圏2012年: 64.5万円/m2
近畿圏2012年: 49.1万円/m2
  ↓
首都圏2023年:122.6万円/m2(+76%UP!)
近畿圏2023年: 79.0万円/m2(+58%UP!)

ハウスハウス

すごい値上がりだ!
でも、どうしてこんなに値上がりしたの?

家博士家博士

新築マンションが高騰した原因は、日銀の異次元金融緩和だよ

新築マンション高騰の原因は異次元金融緩和とその相乗効果

新築マンション価格が高騰した原因は日銀の異次元金融緩和とその相乗効果です。

まとめると次の5つの背景があります。

1. 低金利により同じ負担で買える価格が上がった
日銀の異次元金融緩和により、住宅ローンが超低金利に。
金利が下がるので、固定金利より変動金利で借りる人が増えて、さらに金利は低下。
同じローン負担で買える価格が上がり、ローン審査にも通りやすくなった。

ローン返済が月額10万円の場合

金利2.5%と0.5%での借入総額の違い

2. 地価の高騰
金融緩和による円安で、海外からの観光客が急増。それを狙ったホテル建設が急増し、ホテル用地との競合でマンション用地が値上がりした。
3. マンション建設費の高騰
金融緩和による建設投資の増加で、建築資材や工事費が高騰。マンションの原価が押し上げられた。
4. 都心、駅近、駅直結など好立地で高額な物件の増加
金融緩和による株価高騰の影響で、購入者がより高額物件を選ぶ傾向に。特に資産価値が上がりやすい好立地物件が人気になり、高額な好立地物件が増えている。
5. 大手デベロッパー主導の強気の値付け
売出し価格を高くしても売れるため、建設費と地価の高騰を売値に上乗せし、強気の値付けが続いている。

ハウスハウス

ざっくりまとめると、どういうこと?


家博士家博士

異次元金融緩和で新築マンションが値上がりして、その影響で中古マンションも値上がりしたんだよ。ところがマンション価格を押し上げた異次元金融緩和は終わってしまった。

金利上昇によりマンション価格が値下がりする恐れ

日銀の異次元緩和は2024年3月に終わりました。

今は金利上昇により不動産価格が下落する恐れがあります。

17年ぶりに金利引き上げ

日銀が17年ぶりとなる金利の引き上げを開始しました。

17年ぶりの金利引き上げとは
日銀が2024年3月19日に発表した金融政策の修正で、2013年から始まった異次元金融緩和を終わらせるもの。
具体的には次の3つがある。

  • マイナス金利の解除
  • YCC(長短金利操作)の終了
  • 株式(ETF)の購入終了

【参考】NHK・日銀 マイナス金利政策を解除 異例の金融政策を転換

金利が上がると不動産にはマイナス効果

金利が上がると、不動産は値下がりする傾向があります。

理由として、金利が上がると住宅ローンの返済額が増え、家が売れにくくなるため。

ただし今の金利レベルでは、まだ不動産に大きな影響はありません。

この先日銀が金利の引き上げを続けると、徐々に影響が現れると予想されます。

金利上昇と不動産価格の3つの段階
金利上昇による不動産価格への影響は次の3段階が予想されています。
1. まず固定金利が上がり始める
まだマンション価格に影響なし

(日銀のマイナス金利解除で)
2. 新たに借りる変動金利が上がり始める【今はココ】
買う人が減りマンション価格に影響が出始める

(日銀の金利引き上げで短プラが上がり)
3. 今すでに借りている変動金利も上がり始める
売る人が増えマンション価格が大きく動き始める

ハウスハウス

でも金利はそんなに上がるのかな?


家博士家博士

専門家の意見も割れているけど、2026年度に4.0%という予想もあるよ。

みずほが3年後に固定4.8%、変動4.0%と予想

みずほ系シンクタンクの予想では、2023年度から2026年度の3年間で

  • 住宅ローン金利(変動): 0.4%→4.0%(返済は約1.7倍)
  • 住宅ローン金利(固定): 1.8%→4.8%

にそれぞれ金利が上がると予想しています。
【参考】みずほリサーチ&テクノロジーズ・「金利のある世界」への日本経済の適応力

ハウスハウス

金利4%だと月々の返済が1.7倍か!


家博士家博士

金利が上がると、売る人が増えて買う人は減るから値下がりする。
すでに海外の一部では値下がりが始まっているよ。

すでに海外の一部で不動産が値下がりした

ドイツでは前年同期比で1割以上値下がり

金利が上がっているドイツの住宅価格は、すでに2023年第3四半期(7月〜9月)に前年比-10.5%〜-24.0%値下がりしています。

ドイツの住宅価格指数の推移

ドイツの住宅価格推移2023年10月

住宅ローンの変動金利が上がり始めると、不動産価格は大きく動き始める恐れがあります。

いずれ不動産を売却する予定があるなら、準備しておいたほうが良いでしょう。

ハウスハウス

じゃあこれから金利が上がるら、今が売り時なの?


家博士家博士

いつ下がり始めるかは誰にも分からない。
ただもう十分に値上がりしているし、最後はあくまで自己責任で判断するしかないよ。

最後は自己責任で判断するしかない

残念ながら、相場の先行きは誰も正確に予想できないもの。

最後は自己責任で判断して、マンションの売り時を決めるしかありません。

少なくとも今の時点で分かっているのは、日銀の異次元金融緩和が終わり、金利が上がり始めること。

金利が上昇すると、マンション価格に下落の圧力がかかります。

多くのマンションはもう十分値上がりした

多くのマンションはもう十分値上がりしています。

ここでひとまず利益を確定するには良いタイミングかもしれません。

もちろんさらに値上がりを狙って、しばらく待つ選択肢もあるでしょう。

どちらを選ぶかは、マンションオーナーのあなたの自由です。

まずは今のマンション価格を確認してみては

売るにしても待つにしても、まずあなたのマンションが今いくらで売れるのか、確認してみてはいかがでしょうか。

正確にマンション価格を知るためには、不動産会社に無料査定を依頼する方法が確実です。

しかし今はマンション価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

無料査定のコツは、

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社の方が、査定の精度が高くなります。

また不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼します。

ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。


ハウスハウス

売買実績が豊富な不動産会社はどこなの?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。
売却の予定があるなら、両手仲介の無いSRE不動産(旧ソニー不動産)にも話を聞いた方が良い。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    ハウスハウス

    相場は予想できないけど、良い状態じゃないのは分かったよ。


    家博士家博士

    次にマンションで決まる売り時を解説しよう。

    2.あなたのマンションで決まる6つの売り時

    マンションの売り時は、あなたのマンションの事情でも変わります。

    それぞれ解説します。

    売り時1. いつか売るなら早い方が高く売れる

    相場が一定でも、築年数が古くなる分だけ価格が下る

    マンション相場が今のまま変化しなくても、マンションの価格は築年数が古くなる分だけ下落します。

    マンションの築年数と価格(成約m2単価)はこの様なイメージ。

    マンションの築年数と価格下落率
    (首都圏2023年・近畿圏2022年)

    マンションの築年数と価格下落率(首都圏2023年、近畿圏2022年)

    価格は毎年1〜3%下落する

    中古マンションの売却価格は、平均すると

    • 毎年約1〜3%下落する
    • 築26年〜30年で−60%〜-70%まで値下がり底値に
    • 築30年以降は底値で下げ止まるが、売れなくなる

    ハウスハウス

    じゃあ築30年を超えたら、いつ売っても同じなの?


    家博士家博士

    いや、古くなるほど売れにくくなるから、早く売ったほうが良いね

    売り時2. 古くなるほど売れにくくなる

    築20年を超えると明らかに売れにくくなる

    マンションは古くなるほど売れにくくなります。

    実際に、売り出したマンションが売れる割合(成約率)がこちら。

    マンション築年数別の成約率
    (2023年・首都圏)

    首都圏中古マンションの築年数と成約率2023年

    首都圏の成約率は、築20年以上になると25%を下回り、築26年超では10%台にまで落ち込みます。

    築古物件の売却がいかに難しいかよく分かります。

    ハウスハウス

    中古マンションって、こんなに売れないの?


    家博士家博士

    実際はもう少し成約率は高い。
    レインズの成約データは登録漏れがあるからね。
    それでも売れるのは半分以下だよ。

    切りが良い数字を超えると売りにくくなる

    築年数が5年や10年など切りのいい数字を超えると売りにくくなります。

    なぜならマンションを探す人は5年区切りで条件を設定するため。

    検索条件を外れると、見つけてもらえず売れにくくなるのです。

    売り時3. 5年以上住んで売る方が節税で有利

    税金を考えると5年住んでから売る方が節税で有利です。

    節税メリット1. 新築から5年間は固定資産税が半額

    新築マンションを購入した場合、5年間(認定長期優良住宅では7年間)は、固定資産税が半額になります。

    期間は、令和6年度(2024年度)の税制改正で、令和8年(2026年)3月までに延長されています。
    【参考】国土交通省・令和6年度税制改正

    節税メリット2. 5年超だと売却で損しても税金が戻る

    所有期間が5年超だと、売却で損しても税金が戻る特例が2つあります。

    正確には、譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えることが条件。

    具体的には次の2つです。

    (1)売却価格が住宅ローン残額より安かった場合

    家の売却価格が住宅ローンの残額より安かった場合は、その差額を給与などと相殺(損益通算)できます。

    さらに控除しきれない分は3年間繰り越して控除可能。

    【参考】国税庁・No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

    (2)買い替えで売却損があった場合

    家の買い替えで売却損があった場合、損失を給与などと相殺(損益通算)できまうす。

    さらに控除しきれない分は3年間繰り越して控除可能。

    【参考】国税庁・No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

    いずれも令和6年度(2024年度)の税制改正で、期間が令和7年(2025年)末までに延長されています。
    【参考】国土交通省・令和6年度税制改正

    節税メリット3. 5年超だと売却で利益があっても税率が約半分に

    所有期間が5年超だと、所得税・住民税の合計が税率約40%→約20%と半分になります。

    ただしマンションを売却して利益が出ても、3,000万円の特別控除によって納税額は0となる場合がほとんどです。

    注意点として買い替えでは、3,000万円の特別控除と新しい家の住宅ローン控除のどちらか一方しか使えません。

    売り時4. 大規模修繕の前後

    実は大規模修繕の前後も売り時のひとつ。

    修繕積立金が不足するなら、大規模修繕の前が売り時

    もし修繕積立金が不足しているなら、大規模修繕の前の方が売りやすいでしょう。

    なぜなら修繕積立金が大幅に増額されると、マンションが売れにくくなるため。

    最近大規模修繕をきっかけに修繕積立金の大幅な不足が発覚し、その後の修繕積立金が2〜4倍へと増額されるマンションが増えています。

    大規模修繕の時期は、一般的に築後12年〜15年周期なので、そろそろ近い場合は注意しましょう。

    国交省ガイドラインより修繕積立金が大幅に安いと要注意

    具体的に、修繕積立金が不足するかどうかの目安として、国土交通省のガイドラインが参考になります。

    国土交通省による修繕積立金の標準価格

    修繕積立金の目安
    ※これとは別に機械式駐車場は、1台あたり月額4,645円〜7,210円が必要です。

    もしあなたのマンションの修繕積立金が、この金額より大幅に少ない場合は要注意です。

    日本経済新聞の独自調査では、全国のマンションの75%が修繕積立金不足との報道もありました。
    (参考)日本経済新聞・マンション修繕金、75%が足りず

    値上げの議論が始まると通知義務がある

    注意点は、修繕積立金の増額が決定したり、管理組合で修繕計画について議題に上ったりすると、買主に通知しなくてはいけないこと。

    売買契約の重要事項説明書に記載する義務があります。

    修繕積立金が不安なら、増額や修繕計画について話し合われる前に動いた方が良いでしょう。

    修繕積立金に問題なければ大規模修繕後の方が売りやすい

    修繕積立金に問題なければ、逆に大規模修繕が終わった直後の方が売りやすい場合もあります。

    理由として、共有部がきれいで印象が良くなり、当面は目障りな足場作業などが無いため。

    あなたのマンションで、長期修繕計画が5年毎など定期定期に見直されているか、管理組合が正しく機能しているかなど確認してみましょう。

    ハウスハウス

    修繕積立金が不足するマンションも多いんだね。


    家博士家博士

    築年数が古くなるほど大規模修繕の費用がかかるからね。
    最近は工事費が高騰していることも、修繕積立金不足の要因になっているよ。

    売り時5. 内装リフォーム前

    リフォーム費用は売値に全額上乗せできない

    内装をリフォームする前も売り時です。

    なぜならリフォーム費用は、売値に全額を上乗せできないから。

    多くの場合は、リフォーム費用の一部しか売値に上乗せできず、残りは売主の損になってしまいます。
    リフォームで家の売却に失敗するイメージ

    ハウスハウス

    リフォームしないと売れないマンションは、どうすれば良いの?


    家博士家博士

    なるべく最低限のリフォームで済ませた方が良いね。
    まず売却に詳しい不動産会社に相談してみよう。

    売却前のリフォームならまず不動産会社へ相談

    売却を前提にリフォームを考えているなら、まず売却に詳しい不動産会社に相談しましょう。

    実際にマンションを見てもらって、本当にリフォームが必要か、必要ならどこをリフォームすべきか、意見を聞くと失敗を防げます。

    ただし担当者の当たり外れもあるので、不動産会社は1社だけでなく3社以上にした方が確実。

    エリアで売買実績が豊富な不動産会社を選び、3社以上に無料査定を依頼すると良いでしょう。

    売り時6. 近隣や同じマンション内の競合

    近隣や同じマンション内の競合も売り時に影響します。

    なぜなら近隣で条件が同じマンションが売り出していると、どうしても価格を比較されてしまうため。

    特に同じマンション内で売り出している競合が多い場合は、価格競争に巻き込まれる恐れもあります。

    また同じマンション内で多くの競合が売り出すと、マンション自体に何か問題があると買主に怪しまれると恐れも。

    競合が一時的に増えているなら、売り出す時期をずらしても良いでしょう。

    判断が難しい場合は、売買実績が豊富な不動産会社に相談するのが確実です。

    まとめ

    ここまでマンションの売り時について解説してきました。

    マンションの売り時は、「相場」と「あなたマンションの事情」で決まります。

    相場は十分に値上がりしており、競合が減っている今は売り時といえるでしょう。

    あなたのマンションの事情で決まる6つの売り時と合わせて、検討して下さい。

    1. いつか売るなら早い方が高く売れる
    2. 古くなるほど売れにくくなる
    3. 5年以上住んで売る方が節税で有利
    4. 大規模修繕の前後
    5. 内装リフォーム前
    6. 近隣や同じマンション内の競合

    今後の相場を考えると、金利の上昇が心配されます。

    ただし最後は自己判断で決断するしかありません。

    まずは今の価格を確認してみると良いでしょう。

    実績豊富な不動産会社3社〜6社に無料査定を依頼すれば、今後の役に立ちます。

    都市部なら大手3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)が実績豊富。

    とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、37年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    大手と比較するなら、首都圏・関西圏は両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の無料査定はこちらから
    SRE不動産

    首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

    全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!