2022年以降に住宅価格が下落するのか、不動産業界でも意見が割れています。
これは不動産業界では「2022年問題」として議論されているもの。
一般にはまだあまり知られていませんが、もしあなたが数年以内に家を売る予定なら、概要だけでも知っておいた方が良いでしょう。
なぜなら話題が先行すれば、2022年を待たずに住宅価格が下落する恐れもあるからです。
詳しく解説します。
この記事のもくじ
2022年問題は生産緑地の大量放出
あなたの家の周りにポツンと農地があれば、それはおそらく生産緑地。
生産緑地かどうかは、生産緑地を示す看板で分かります。
(生産緑地法第6条(標識の設置等)で看板設置の義務があるため)
この生産緑地は、1992年以降から今まで、約29年間ほとんど売りに出ませんでした。
ところが2022年から、条件次第で宅地として売りに出されるのです。
生産緑地があるのは3大都市圏のみ
生産緑地があるのは、3大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)の政令指定都市のみ。
地方にはありません。
3大都市圏以外では、『立地適正化計画』という別の問題に注意が必要です。
もしご興味があれば、こちらで詳しく解説しています。
⇒立地適正化計画で「田舎の家」はどうなる?
生産緑地の面積
生産緑地の面積は
- 東京23区で東京ドーム86個分
- 東京都内では東京ドーム652個分
- 3大都市圏では東京ドーム2,622個分
にもなります。
生産緑地面積 (m2) |
東京ドーム (個分) |
|
---|---|---|
三大都市圏計 | 123,233,000m2 | 2,622個 |
東京都 | 30,635,000m2 | 652個 |
(23区) | 4,065,000m2 | 86個 |
埼玉県 | 16,687,000m2 | 355個 | (さいたま市) | 31,930,000m2 | 68個 |
千葉県 | 10,693,000m2 | 228個 |
神奈川県 | 12,931,000m2 | 275個 | (横浜市) | 28,490,000m2 | 61個 |
(川崎市) | 27,260,000m2 | 58個 |
静岡県 | 2,348,000m2 | 50個 |
愛知県 | 10,489,000m2 | 223個 |
名古屋 | 2,521,000m2 | 54個 |
三重県 | 1,718,000m2 | 37個 |
京都府 | 7,708,000m2 | 164個 |
(京都市) | 5,606,000m2 | 119個 |
大阪府 | 19,261,000m2 | 410個 |
(大阪市) | 711,000m2 | 15個 |
兵庫県 | 5,047,000m2 | 107個 |
奈良県 | 5,716,000m2 | 122個 |

スゴイ面積だね!
東京にこんなに農地があったんだ

この生産緑地が一部でも住宅地として放出されると、どうなると思う?

住宅が売れ残るから、安くなるのかな…
新築住宅の大量供給で住宅価格が下落
生産緑地が原因で、住宅価格が下落する流れは次のイメージです。
- 生産緑地の一部が宅地化される。
↓ - 新築住宅が大量に供給される。
↓ - 新築住宅の価格が下がる。
↓ - 今まで中古住宅を購入していた人が、安くなった新築住宅へ流れる。
↓ - ただでさえ中古住宅が余っている今の市場で、中古住宅はさらに売れなくなり、価格をさらに下げるしかなくなる。
2022年問題をきっかけに、中古住宅の価格が下がることが心配されています。

大変だね!
生産緑地はどのくらいの量の住宅になるの?

具体的に計算してみよう
東京では新築住宅3年分以上
1年間で建築される住宅の床面積と比較すると、生産緑地の影響がよく分かります。
(生産緑地が住宅地になり、容積率100%で新築住宅が建てられると仮定。)
地域 | 生産緑地が 住宅になる場合の 想定床面積 (m2) |
新築住宅 着工床面積 2019年度 (m2) |
倍率 |
---|---|---|---|
三大都市圏計 | 123,233,000 | 40,546,090 | 3.04倍 |
東京都 | 30,635,000 | 8,759,438 | 3.50倍 |
(23区) | 4,065,000 | 6,636,186 | 0.61倍 |
(練馬区) | 1,787,000 | 381,922 | 4.68倍 |
(世田谷区) | 861,000 | 591,583 | 1.46倍 |
埼玉県 | 16,687,000 | 4,344,491 | 3.84倍 |
(さいたま市) | 3,193,000 | 992,067 | 3.22倍 |
千葉県 | 10,693,000 | 3,751,578 | 2.85倍 |
神奈川県 | 12,931,000 | 5,279,934 | 2.45倍 |
(横浜市) | 2,849,000 | 1,966,048 | 1.45倍 |
(川崎市) | 2,726,000 | 1,069,899 | 2.55倍 |
静岡県 | 2,348,000 | 2,177,121 | 1.08倍 |
愛知県 | 10,489,000 | 5,666,439 | 1.85倍 |
名古屋 | 2,521,000 | 1,947,824 | 1.29倍 |
三重県 | 1,718,000 | 985,285 | 1.74倍 |
京都府 | 7,708,000 | 1,217,789 | 6.33倍 |
(京都市) | 5,606,000 | 672,832 | 8.33倍 |
大阪府 | 19,261,000 | 4,969,225 | 3.88倍 |
(大阪市) | 711,000 | 1,746,695 | 0.41倍 |
兵庫県 | 5,047,000 | 2,763,671 | 1.83倍 |
奈良県 | 5,716,000 | 631,119 | 9.06倍 |
例えば東京都では、2019年の1年間に建てられた住宅の3.5倍の住宅が建てられるだけの生産緑地があります。
今までの新築住宅に加えて、別にこれだけの数の住宅が生産緑地から生まれるかもしれないのです。

これは、大変だ!
家を売るなら急いだ方が良いってこと?

まあ未来のことは誰にも分からないから、あくまで自己責任だけどね。
もし家を売る予定なら、今の価格を確認してみよう。
今は住宅価格が高騰しているよ。
今は住宅価格が高騰している
今は都市部を中心に住宅価格が高騰しています。
不動産価格指数(全国)
不動産価格指数とは
不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。
マンションは、約9年で69%も値上がりしています。
戸建ては上昇していないように見えますが、これは都心部の戸建てが上昇している分を、地方の戸建ての値下がりが打ち消しているため。
戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。
もしあなたが家を売ることを考えているなら、いまの相場でどのくらいの価格で売れるのか、確認してみると良いでしょう。

家の価格なんて、どうやって確認するの?

不動産会社に無料査定を依頼するのが定番だね。
家の価格を正確に確認する手順はこちら。
- まずエリアで売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ。
- その中から3〜6社に無料査定を依頼し、査定価格と話を聴き比べる。

売却実績が豊富な不動産会社は、どうやって調べればいいの?

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単だよ
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
-
おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2022年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
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おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
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実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
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- 累計45万件(2001年開始)
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実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績45万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
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ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
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でもなんで2022年に生産緑地が住宅地になるの?

生産緑地が売りに出される理由について解説しよう
生産緑地はどのくらい売りに出されるのか
生産緑地売りに出される割合は、専門家の意見も割れていますが、おそらく10〜25%程度だと考えられます。
意見が割れている背景には、高齢化する都市農家に対して緩和措置がどの程度有効か予想しづらいことがあります。
まず生産緑地が売りに出される理由から解説しましょう。
生産緑地が売りに出される理由
生産緑地が2022年に売りに出される理由は、次の2つ。
- 約8割の生産緑地が2022年に認定期限30年を迎え、その一部が認定を解除されるため。
- 生産緑地が解除されると、固定資産税が30倍〜100倍以上になるため。
【参考】農地の保有に対する税金
生産緑地は、30年の期限付きで1991年に多くが認定されたため、2022年に約8割が解除されます。

生産緑地が解除されると、2022年以降は税金がすごく高くなるから、生産緑地が売りに出されるの?

そうなんだ。
背景には生産緑地が生まれた経緯がある
生産緑地は都市農家の税金を安くするためにできた
生産緑地が生まれた経緯
- 1967年に都市計画法が制定。
市街化区域(優先的に市街地にする地域)が決まる。 - 3年後に市街化区域内の農地について固定資産税を宅地並に引き上げた。
- 市街化区域内の農家が増税に大反対
- 1974年に生産緑地法が制定されて、生産緑地の固定資産税が農地扱いに引き下げ
- 1991年に生産緑地法が改正。
今の生産緑地が指定された。
生産緑地は1991年以降に認定された特別な農地。
市街化区域(市街地にするように都市計画で指定されている地域)にあるのに、農地として特別に認められています。

生産緑地は、都会の農家さんの固定資産税を安くするためにできた制度なんだね

そうなんだ。
だから生産緑地には厳しい条件がある。
30年間だけの期間限定制度だった
生産緑地に指定される条件
- 面積が500m2以上であること
- 実際に農林業を継続して行えること。
- 指定されてから30年の期間のみ有効
生産緑地は「指定から30年で解除される」という期間限定のもの
つまり1991年に一斉に認定された生産緑地は、30年が経過した2022年に、一斉に解除される条件だったのです。

じゃあ2022年にパニックになりそうだ。

パニックを避けるために、2017年に改正緑地法ができたんだ。
2017年に緩和されたが、まだ影響はありそう
2017年6月15日に施行された改正緑地法によって、生産緑地の解除条件が緩和されました。
全ての生産緑地は一旦解除されるものの、後継者が農業を引き継げる一部の生産緑地は、「特定生産緑地」として2022年以降も、10年毎に更新できることになりました。
改正緑地法:2017年6月15日施行
生産緑地が2022年に一斉解除される問題を緩和する目的で、段階的に宅地化するための改正です。
改正緑地法による生産緑地の主な変更点は…
- 最低面積が500m2以上
→最低面積300m2以上に緩和
(部分的に宅地として売却が増えると予想されます) - 指定期限30年間
→10年毎に所有者の意向を確認して指定を更新
(所有者の高齢化にあわせて徐々に宅地化されると予想されます) - 直売所や産直レストランなどの建築を条件付きで許可
(大規模な生産緑地は新たなビジネスも可能に)
改正緑地法によって、とりあえず2022年のパニックは緩和されましたが、問題が解決された訳ではありません。
生産緑地が10年毎の指定を継続するためには、「所有者が農業を実際に行うこと」という条件をクリアしなければいけません。

所有者が老いて農業ができないと、次の10年は更新ができないんだ

それだとマズイから、貸し農園という選択肢も追加されたんだ。
貸農園も可能になった
2018年9月1日に施行された都市農地貸借法により、生産緑地の所有者が生産緑地を第3者に貸しても、生産緑地が認められるようになりました。
子供も後を継ぎやすくなる
生産緑地の所有者はすでに70才を超えた様な高齢者が大部分。
子供は会社員など別の仕事があり、生産緑地の農作業を継ぐことは難しいことが現実。
子供が生産緑地を継続しない場合、所有者が亡くなったときに相続税を支払うことになります。
この相続税は、農地ではなく宅地として計算するため、相続税が数億円など高額になってしまいます。
結果として、相続で生産緑地を引き継いだ子供は、相続税の支払いのために生産緑地を売るしかありませんでした。
しかしこの法改正により、生産緑地のまま貸し農園として、第3者へ貸す選択肢ができたのです。

他人に貸せるなら、生産緑地を維持できそうだね。
でもなんで20〜30%は宅地化すると予想されるの?

貸し農園の需要がそこまで多くないからだよ
ただし貸し農園の需要はそこまで多くない
現在都市部にある貸し農園に対して、生産緑地の面積は15.5倍もあるため、2022年問題への緩和効果は限定的だと考えられます。
- 3大都市圏貸し農園面積: 834ha
- 生産緑地面積: 12,973ha(約15倍)
現在の貸し農園の申し込み倍率は、市街化区域で1.08倍と1倍をわずかに上回る程度。
生産緑地は0.83倍と、1倍を下回っています。
いくら最近は貸し農園が人気があると言っても、いきなり2倍になるとは考えられません。
実際に、法律制定から半年間(2018年度)の認可数は、全国で42件8.2haで、生産緑地全体のわずか0.06%。
【参考】都市農地貸借法に基づく事業計画の認定等の状況
やはり2022年とその10年後には、一定の数の生産緑地が宅地として売りに出されると考えられます。
なぜなら相続税対策を考えると、生産緑地を解除して、賃貸住宅を建てた状態で相続した方が節税になるからです。

条件は緩和されたけど、2022年問題はまだ残っているんだね

時期がすこしズレるかもしれないけど、生産緑地が宅地になる流れは変わりそうにないね
相続税の猶予を受けていると生産緑地は継続する
生産緑地がどのくらい住宅地になるのかは、所有者の相続とも大きく影響があります。
そもそも生産緑地の所有者は、次の2種類に分かれます。
- 先代から相続したときの「相続税の猶予」を受けている。
→だから生産緑地を解除しずらい。 - 「相続税の猶予」を受けていない。
→だから生産緑地を解除しやすい
「相続税の猶予」というのは、今の生産緑地の所有者が、先代の所有者から相続したときの相続税を、生産緑地で農業をしている間は猶予してもらえるという特例。
(参考)No.4147 農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例・国税庁
生産緑地の所有者で猶予を受けている人は、生産緑地を解除すると、猶予されていた相続税と猶予期間中の金利を合わせて納税しなくてはいけません。
だから猶予を受けている人の大部分は、なんとかして生産緑地を続けると予想されます。
東京都では45.4%が相続税を猶予
東京都の調査によると、生産緑地所有者の45.4%が相続税の猶予を受けています。
この場合、相続税の猶予を受けていない残り54.6%の生産緑地所有者が、住宅地にする可能性が高くなります。

生産緑地の全てが住宅地になるわけじゃないんだね。

おそらく10〜25%くらいだと予想されている。
それでも影響は大きいけどね。
生産緑地が解除されるとどうなるか?
自治体が買取る予定だったが現実は住宅地に
実はこの生産緑地、生産緑地を解除された後は、自治体に時価で買取ってもらうことになっていました。
しかし現実は、予算不足などの理由で自治体は買取を拒否しているケースがほとんど。
結果、ほとんどの生産緑地は解除された後、
- 売りに出されてデベロッパーが買い取り、分譲マンションになる。
- 小さく分割(分筆)して売りに出され、一戸建て住宅用の土地になる。
- 地主が賃貸住宅を建築する。
となっています。
立地や個人の事情によって、3つのどれになるかは変わります。

いずれにしても住宅になるんだ

都心部では分譲マンションが多くなると予想されているよ
都市部はマンション・郊外は一戸建てに
生産緑地が売りに出されると、
- 都市部は分譲マンション
- 郊外は一戸建て
になるケースが多くなります。
購入者はデベロッパー(不動産開発業者)
生産緑地を買うのは農家ではありません。
農業をする場合は、地方で土地を購入した方が圧倒的に割安。
地方だと生産緑地の100分の1以下の価格で購入できます。
生産緑地を購入するのはデベロッパー。
住宅の建築用地として購入します。
生産緑地は基本的に500m2以上というルールがあります。
実際の平均面積は2,160m2。
都市部でこの規模の土地が売りに出されると、デベロッパーは一番利益が上がる分譲マンションの建築を考えます。
土地の容積率によって変わりますが、ざっくり計算すると約90m2×50戸の分譲マンションが建築されるイメージです。
東京23区の生産緑地3割がマンションになると2年分
東京23区の生産緑地が3割宅地化されるだけで、50戸の分譲マンション620棟、3万戸が建築できる計算に。
ちなみに東京23区で1年間に新しく供給された分譲マンションは1.4万戸。(2019年)
生産緑地の3割がマンションになるだけで、東京23区では1年間に建てられる約2倍のマンションが生産緑地から生まれることになります。
東京の市部で3割が戸建てになると8年分に
一方、郊外では一戸建てが多くなります。
東京都の23区外で試算すると、生産緑地の3割が100m2の一戸建てになった場合、約13万戸の一戸建てが建てられます。
東京都の23区外で1年間に新しく建築された一戸建ては、1.7万戸。(2018年度)
生産緑地の3割が一戸建てになるだけで、東京23区外では1年間に建てられる約8倍の一戸建てが生産緑地から生まれることになります。
売らない場合は賃貸住宅に
生産緑地が解除された後に、地主が所有し続ける場合、固定資産税と都市計画税が農地の30〜100倍になります。
固定資産税と都市計画税を節約するために、生産緑地の地主は賃貸住宅を建てるでしょう。
賃貸住宅にすれば、土地の固定資産税を1/6にできます。
また賃貸住宅の建築費用を金融機関から借り入れることで、相続税も大幅に節税できます。
このチャンスを狙った建設会社が地主に猛烈な営業をかけています。
さらに最近では、サービス付高齢者専用住宅の賃貸を建てることで、補助金を活用するスキームなども増えています。
金融資産に余裕があり、すぐに売る必要のない地主は、子供への相続対策として、この様な賃貸住宅を建てることになるでしょう。

生産緑地を売ればマンションや戸建てに、売らなければ賃貸マンションになるのか…
そんなに住宅をたくさん建てたら、後で大変な事になりそうだけど、規制とかされないの?

住宅をたくさん建築すると一時的に世の中の景気が良くなる。
だから政府も規制はしにくいんじゃないかな。
家を売るなら、高騰している今のうちに
もしあなたが家を売る予定なら、2022年より前の方が、良い条件で売れるかもしれません。
まず今の相場でどのくらいの価格で売れるか、確認してみてはいかがでしょうか。
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家を買うなら相場より安く買う
もし家を買うなら、相場より安く家を買いましょう。
今は都市部を中心に不動産相場が高騰しているため、将来の価格下落リスクが心配です。

相場より安く売っている家なんてあるの?

売り主の事情で、安く売っている家を探せば良いよ
次のような事情から、相場より安く売っている家があります。
相場より安く売っている家の例
- お金が必要で、早く売りたい
- 手間をかけたくないので、さっさと売りたい
- 近所に内緒で売りたい

こんな事情で、相場より安く売るんだね。
こんな家を探すためには、どうすれば良いの?

不動産会社に優先して紹介してもらえる客になる必要がある。
相場より安い家は、ネットに出てくる前に売れてしまうことが多いからね。
相場より安い家を売る場合、不動産会社はネットに掲載する前に、次のような客に直接情報を流します。
- その家を購入しそうで、住宅ローン審査に通る客
不動産会社は自社で買い主を見つけると、売り主と買い主の両方から仲介手数料をとれるため、2倍稼げます。
これを『両手仲介』といい、不動産会社にとっては最も稼げる方法です。
不動産会社が確実に両手仲介するためには、売り主と媒介契約を結んでからレインズに掲載するまでの7日間が勝負。
なぜならレインズに登録すると、他の不動産会社が買い主を先に見つけてしまう恐れがあるため。
レインズとは、不動産会社同士が情報を共有する専用データベースで、売り出し物件情報が登録されています。
宅建業法では、売り主と契約してから7日以内(専任媒介契約)にレインズへ掲載する義務があります。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

じゃあ、あらかじめ不動産会社に希望条件を伝えて、優先して紹介してもらえば良いんだね。

なるべく多くの不動産会社に伝えると効果的だよ。
なるべく多くの不動産会社に希望条件を伝える方法として、タウンライフ不動産売買があります。
タウンライフ不動産売買では、全国300社以上の不動産会社から、希望エリアに強い不動産会社へまとめて希望内容を伝えることができます。
あなたの家の売買が成功することを、心よりお祈りしております!