生産緑地イメージ
2022年以降に住宅価格が下落するかどうか、不動産業界でも意見が割れています。

これは「2022年問題」として不動産業界では有名な話。

もしあなたが将来家を売るつもりなら、知っておいた方が良いでしょう。

今後マスコミで大きな話題になると、2022年を待たずに価格が下落する恐れもあります。

詳しく解説します。

2022年問題は生産緑地の大量放出

あなたの家の周りに、ぽつんと農地があれば、恐らくそれは生産緑地

生産緑地かどうかは、生産緑地を示す看板で分かります。
(生産緑地法第6条(標識の設置等)で看板設置の義務があるため)

この生産緑地は、1992年以降今まで、約25年間はほとんど売りに出ませんでした。
ところが2022年から、条件次第で宅地として売りに出されるのです。

生産緑地があるのは、首都圏、近畿圏、中部圏の政令指定都市のみ。

3大都市圏以外なので、関係ないと思われた方。
ちなみに3大都市圏以外では、「立地適正化計画」という別の問題に注意が必要です。
【参考】立地適正化計画で「田舎の家」はどうなる?

生産緑地の面積は

  • 東京23区で東京ドーム95個分
  • 東京都内では東京ドーム712個分
  • 3大都市圏では東京ドーム2,920個分

にもなります。

【全国の生産緑地一覧】
生産緑地面積
(m2
東京ドーム
(個分)
全国計136,537,000m22,920
東京都3,3298,000m2712
23区4,450,000m295
埼玉県18,248,000m2390
千葉県11,885,100m2254
神奈川県14,041,000m2300
静岡県2,369,000m251
愛知県1,2060,200m2258
三重県1,907,000m241
京都府8,547,000m2183
大阪府21,004,000m2449
大阪市796,000m217
兵庫県5,338,000m2114
奈良県6,149,000m2132
(国土交通省/都市計画現況調査(2014年)

ハウスくんハウスくん

スゴイ面積だね!
東京にこんなに農地があったんだ


家博士家博士

この生産緑地が一部でも住宅地として放出されると、どうなると思う?


ハウスくんハウスくん

住宅が売れ残るから、安くなるのかな…

そうなんです。

生産緑地の一部が放出される。
  ↓
新築住宅が大量に供給される。
  ↓
新築住宅の価格が下がる。
  ↓
今まで中古住宅を購入していた人が、安くなった新築住宅へ流れる。
  ↓
ただでさえ中古住宅が余っている今の市場で、中古住宅はさらに売れなくなるので、価格をさらに下げるしかなくなります。

2022年問題をきっかけに、中古住宅の価格が下がることが心配されています。

ハウスくんハウスくん

大変だね!
生産緑地はどのくらいの量の住宅になるの?


家博士家博士

具体的に計算してみよう

東京では新築住宅5年分以上

2017年に新しく建築された住宅の床面積と比較すると、生産緑地の影響がよく分かります。

(生産緑地が住宅地になり、マンションと戸建ての両方を平均した容積率150%で新築住宅が建てられると仮定。)

【生産緑地と2017年新築住宅の比較】
地域生産緑地が
住宅になる場合の
想定床面積
(m2
新築住宅
着工床面積
2017年
(m2
倍率
全国計204,805,50079,320,5802.58倍
東京都49,947,0009,585,3135.21倍
23区6,675,0007,136,5700.94倍
埼玉県27,372,0004,875,4295.61倍
千葉県17,827,6504,205,7164.24倍
神奈川県21,061,5005,575,1523.78倍
静岡県3,553,5002,299,3911.55倍
愛知県18,090,3005,584,5803.24倍
三重県2,860,5001,012,4592.83倍
京都府12,820,5001,195,95410.72倍
大阪府31,506,0004,787,7576.58倍
大阪市1,194,0001,774,9020.67倍
兵庫県8,007,0002,986,0462.68倍
奈良県9,223,500658,25114.01倍
国土交通省/住宅着工統計(2017年)

例えば東京都では、2017年の1年間に建てられた住宅の5.21倍の住宅が建てられるだけの生産緑地があります。

今までの新築住宅に加えて、別にこれだけの数の住宅が生産緑地から生まれるかもしれないのです。

ハウスくんハウスくん

それは大変だ!
なんでそんなことになるの?


家博士家博士

生産緑地が売りに出される理由について解説しよう

生産緑地が売りに出される理由

生産緑地
生産緑地が2022年に売りに出される理由は、次の2つ。

  • 生産緑地の約8割が認定期限30年を2022年に迎え、その一部が認定を解除されるため。
  • 生産緑地を解除すると、固定資産税が30倍〜80倍になるため。

生産緑地は、30年の期限付きで1991年に多くが認定されたため、2022年に約8割が解除されます。

ハウスくんハウスくん

生産緑地が解除されると、2022年以降は税金がすごく高くなるから、生産緑地が売りに出されるの?


家博士家博士

そうなんだ。
背景には生産緑地が生まれた経緯がある

生産緑地が生まれた経緯

  • 1967年に都市計画法が制定。
    市街化区域(優先的に市街地にする地域)が決まる。
  • 3年後に市街化区域内の農地について固定資産税を宅地並に引き上げた。
  • 市街化区域内の農家が大反対
  • 1974年に生産緑地法が制定されて、生産緑地の固定資産税が農地扱いに引き下げ
  • 1991年に生産緑地法が改正。
    今の生産緑地が指定された。

生産緑地は1991年以降に認定された特別な農地。

市街化区域(市街地にするように都市計画で指定されている地域)にあるのに、農地として特別に認められています。

ハウスくんハウスくん

生産緑地は、都会の農家さんの固定資産税を安くするためにできた制度なんだね


家博士家博士

そうなんだ。
だから生産緑地には厳しい条件がある。

生産緑地に指定される条件

  • 面積が500m2以上であること
  • 実際に農林業を継続して行えること。
  • 指定されてから30年の期間のみ有効

生産緑地は「指定から30年で解除される」という期間限定のもの

つまり1991年に一斉に認定された生産緑地は、30年が経過した2022年に、一斉に解除される条件だったのです。

2017年に緩和されたが、まだ影響はありそう

2017年6月15日に施行された改正緑地法によって、生産緑地の解除条件が緩和されました。

全ての生産緑地は一旦解除されるものの、後継者が農業を引き継げる一部の生産緑地は、「特定生産緑地」として2022年以降も、10年毎に更新できることになりました。

改正緑地法とは
改正緑地法:2017年6月15日施行

生産緑地が2022年に一斉解除される問題を緩和する目的で、段階的に宅地化するための改正です。

改正緑地法による生産緑地の主な変更点は…

  • 最低面積が500m2以上
     →最低面積300m2以上に緩和
    (部分的に宅地として売却が増えると予想されます)
  • 指定期限30年間
     →10年毎に所有者の意向を確認して指定を更新
    (所有者の高齢化にあわせて徐々に宅地化されると予想されます)
  • 直売所や産直レストランなどの建築を条件付きで許可
    (大規模な生産緑地は新たなビジネスも可能に)

出典:国土交通省ホームページより

改正緑地法によって、とりあえず2022年のパニックは緩和されましたが、問題が解決された訳ではありません。

生産緑地が10年毎の指定を継続するためには、「所有者が農業を実際に行うこと」という条件をクリアしなければいけません。

この点についても、地主が第3者に貸しても生産緑地が認められる制度を2018年9月に農林水産省が施行する予定ですが、どこまで効果があるかは不透明です。

生産緑地の所有者はすでに70才を超えた様な高齢者が大部分。

子供は会社員など別の仕事があり、生産緑地の農作業を継ぐことは難しいのが現実です。

生産緑地を継続しない場合、所有者が亡くなったときの相続税が高額になるため、相続で生産緑地を引き継いだ子供は、相続税の支払いのために生産緑地を売るしかありません。

相続税対策を考えると、生産緑地を解除して、賃貸住宅を建てた状態で相続した方が節税になります。

やはり2022年とその10年後には、かなりの生産緑地が宅地として売りに出されると予想する専門家も多いのです。

ハウスくんハウスくん

条件は緩和されたけど、2022年問題はまだ残っているんだね


家博士家博士

時期がすこしズレるかもしれないけど、生産緑地が宅地になる流れは変わりそうにないね

相続税の猶予を受けていると生産緑地は継続する

生産緑地がどのくらい住宅地になるのかは、所有者の相続とも大きく影響があります。

そもそも生産緑地の所有者は、次の2種類に分かれます。

  1. 先代から相続したときの「相続税の猶予」を受けている。
    →だから生産緑地を解除しずらい。
  2. 「相続税の猶予」を受けていない。
    →だから生産緑地を解除しやすい

「相続税の猶予」というのは、今の生産緑地の所有者が、先代の所有者から相続したときの相続税を、生産緑地で農業をしている間は猶予してもらえるという特例。

(参考)No.4147 農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例・国税庁

生産緑地の所有者で猶予を受けている人は、生産緑地を解除すると、猶予されていた相続税と猶予期間中の金利を合わせて納税しなくてはいけません。

だから猶予を受けている人の大部分は、なんとかして生産緑地を続けると予想されます。

その割合がどの程度なのかですが、東京都の調査によると、生産緑地所有者の45.4%が相続税の猶予を受けているというデータがあります。

この場合、相続税の猶予を受けていない残り54.6%の生産緑地所有者が、住宅地にする可能性が高くなります。

ハウスくんハウスくん

生産緑地の全てが住宅地になるわけじゃないんだね。


家博士家博士

おそらく20〜30%くらいだと予想されている。
それでも影響は大きいけどね。

自治体が買取る予定だったが現実は

実はこの生産緑地、生産緑地を解除された後は、自治体に時価で買取ってもらうことになっていました。

しかし現実は、予算不足などの理由で自治体は買取を拒否しているケースがほとんど。

結果、ほとんどの生産緑地は解除された後、

  • 売りに出されてデベロッパーが買い取り、分譲マンションになる。
  • 小さく分割(分筆)して売りに出され、一戸建て住宅用の土地になる。
  • 地主が賃貸住宅を建築する。

となっています。

立地や個人の事情によって、3つのどれになるかは変わります。

ハウスくんハウスくん

いずれにしても住宅になるんだ


家博士家博士

都心部では分譲マンションが多くなると予想されているよ

都市部はマンション・郊外は一戸建てに

分譲マンションイメージ
生産緑地が売りに出されると、

  • 都市部は分譲マンション
  • 郊外は一戸建て

になるケースが多いと考えられます。

生産緑地を買うのは農家ではありません。

農業をする場合は、地方で土地を購入した方が圧倒的に割安。
地方だと生産緑地の100分の1以下の価格で購入できます。

生産緑地を購入するのはデベロッパー。
住宅の建築用地として購入します。

生産緑地は基本的に500m2以上というルールがあります。

実際の平均面積は2,160m2

都市部でこの規模の土地が売りに出されると、デベロッパーは一番利益が上がる分譲マンションの建築を考えます。

土地の容積率によって変わりますが、ざっくり計算すると約90m2×50戸の分譲マンションが建築されるイメージです。

東京23区の生産緑地が3割宅地化されるだけで、50戸の分譲マンション620棟、3万戸が建築できる計算に。

ちなみに東京23区で1年間に新しく建築されたマンションは9万戸。(2017年)

生産緑地の3割がマンションになるだけで、東京23区では1年間に建てられる1/3のマンションが生産緑地から生まれることになります。

一方、郊外では一戸建てが多くなります。

東京都の23区外で試算すると、生産緑地の3割が100m2の一戸建てになった場合、約13万戸の一戸建てが建てられます。

東京都の23区外で1年間に新しく建築された一戸建ては、1.6万戸。(2017年)

生産緑地の3割が一戸建てになるだけで、東京23区外では1年間に建てられる8倍の一戸建てが生産緑地から生まれることになります。

売らない場合は賃貸住宅に

生産緑地が解除された後に、地主が所有し続ける場合、固定資産税と都市計画税が農地の30〜80倍になります。

固定資産税と都市計画税を節約するために、生産緑地の地主は賃貸住宅を建てるでしょう。

賃貸住宅にすれば、土地の固定資産税を1/6にできます。

また賃貸住宅の建築費用を金融機関から借り入れることで、相続税も大幅に節税できます。

このチャンスを狙った建設会社が地主に猛烈な営業をかけています。

金融資産に余裕があり、すぐに売る必要のない地主は、子供への相続対策として、賃貸住宅を建てることになるでしょう。

ハウスくんハウスくん

生産緑地を売ればマンションや戸建てに、売らなければ賃貸マンションになるのか…
そんなに住宅をたくさん建てたら、後で大変な事になりそうだけど、規制とかされないの?


家博士家博士

住宅をたくさん建築すると一時的に世の中の景気が良くなる。
だから政府も規制はしにくいんじゃないかな。

まずはあなたの家の価格を確認

もしあなたが家を売ることを考えているなら、2022年以降に住宅価格が下落する前の方が、良い条件で売れるかもしれません

いまの相場でどのくらいの価格で売れるのか、まずはプロの意見を聞いてみてはいかがですか。

今は不動産価格が高騰しています。

1年前から数百万円も家の価格が上がっている可能性も。

不動産のプロでも、正確な査定が難しいほどの値上がりだといわれます。

だから複数の不動産会社に査定を依頼して、プロの意見を聞き比べましょう。

「複数の不動産会社といっても、どこに依頼すればいいの?」

「いちいち不動産会社を何社もまわるのは面倒…」

そう思われるかもしれません。

しかし一括査定サイトを利用すれば、数分の作業で、実績豊富な複数の不動産会社に査定を依頼できます。

利用は完全無料で24時間対応なので、今すぐ査定を依頼してみてください。

査定を依頼しても、かならずしも売却を依頼する必要はありません。「将来的に売却も検討している」という程度で十分です。

定番の一括査定サイト3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

定番の一括査定サイト3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    年間36万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておくと良いでしょう。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼した方がよいでしょう。

  4. 【公式サイト】HOME4U

  5. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,798社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  6. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

まずは価格を確認することで、今後の方向性を決めやすくなります。


マンション築20年以上、戸建て築15年以上ならリフォームプラン付きで売る方法も

首都圏・中部圏・近畿圏限定ですが、パナソニックが新しく始めたリフォームプラン付きの売却「Riarie(リアリエ)」なら、競合物件との価格競争を避けて、高く早く売れる可能性があります。

riarie

リアリエでは、複数のリフォームプランを3次元のコンピューターグラフィック(3DCG)で作成するため、家の魅力が大幅にアップ。

さらにリフォーム予算・補助金・減税メリットなどが明確なので、購入者の心理的ハードルが下がり、家が早く高く売れます。

パナソニックのリアリエについて詳しくはこちら
リアリエはリフォームプラン付きで家が早く売れる! 試すなら急ぐべき理由とは

リアリエの無料査定を試すならこちら
ReaRie(リアリエ)