「東京の中古マンション相場は下落する?」
マンションを売却するなら相場が下落する前に売りたいですね。
東京の中古マンションは、2013年からずっと上昇してきた。
でもそろそろ風向きが変わるかもしれないよ。
この記事では、東京でマンション売却を検討している方を対象に、売却で参考になる最新マンション相場を分析、分かりやすく解説しました。
また9割の人が知らない「マンション価格診断の落とし穴」も合わせて解説。
あなたのマンション売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
東京都のマンション売却相場(不動産価格指数)
東京都の中古マンション価格は大きく上昇しています。
約11年で112%上昇
マンション売却相場が最も正確に分かるのが国土交通省の「不動産価格指数」です。
(東京都)
不動産価格指数によると、日銀の金融緩和発表(2013年1月)以降、東京都の中古マンション価格は+112%↑と大きく上昇。
最新(2024年11月29日発表)は、2024年8月までの売買実績です。
不動産の価格推移が純粋に分かる指数。
年間30万件の成約価格を元に、国土交通省がヘドニック法という統計計算手法で純粋な価格変動をまとめたもの。
2010年の平均を100として算出。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。
マンションはスゴイ値上がりだね!
でも3ヶ月前より新しいデータはないの?
レインズの統計を見てみよう。
精度は落ちるけど、先月までのデータが分かるよ。
東京都の中古マンション売却相場(レインズ)
中古マンション相場が分かるもう一つの指標はレインズの統計。
レインズが毎月公表している不動産売買の統計データ。精度は不動産価格指数に劣るが、エリア分けが細かく、データ更新が翌月第2週と早い。
レインズ(REINS)は国内唯一の不動産データベース。不動産会社しか利用できず、統計のみ公開されている。
【参考】東日本レインズ・月例マーケットウォッチ
レインズの統計では、先月までの売買実績が分かります。
7月に高値更新し、10月も安定
中古マンション相場(東京都)
中古マンション価格は、売買が成立した成約m2単価(赤線)です。
東京都の成約m2単価(赤線)は、
- 日銀の金融緩和発表(2013年1月)から価格は大きく上昇し始めた。
- コロナで2020年2〜6月は低迷したが、2020年7月以降は再び値上がり。
- 2024年7月に高値更新、10月も安定している。
7月に高値を更新してるんだね。
長期的にも大きく値上がりしているよ。
約11年で109%上昇
長期的に東京のマンション相場は、日銀の金緩和発表(2013年1月)以降、約11年で+109%と大きく値上がりしています。
- 2012年12月 49.44万円/m2
↓ - 2024年10月 104.64万円/m2(+109%↑)
ただし長期的な値動きは、先述の国土交通省・不動産価格指数の方が正確なので、こちらは傾向をつかむ程度に考えてください。
いずれにしても2013年以前に購入したマンションであれば、売却すると大きな利益が期待できるでしょう。
まだまだ値上がりするのかな?
7月に金利が上がったから、今後は風向きが変わるかもしれないね。
実際に、8月以降は成約が減っているよ。
成約戸数が直近3ヶ月は減少に
成約戸数は、コロナ第一波(2020年4月)で一時急減しましたが、2020年6月以降に回復。
ここ2年は増えていました。
しかし8月以降の直近3ヶ月は減っています。
成約戸数が減ると値下げにつながるため、今後の動きが気になります。
中古マンション成約戸数
(東京都・前年同月比)
成約が減ったのは心配だね。
売り出している在庫の動きと合わせて、今後に注目だね。
在庫も直近3ヶ月は増加
中古マンション売り出し戸数
(東京都・レインズ在庫戸数)
マンション在庫もコロナ禍で急減。
減少戸数は7,069戸(26%)と成約戸数で約4ヶ月分にもなる大きなものでした。
この減少分は一時的に戻りましたが、ここ2年は再び減る傾向。
それが直近3ヶ月は増加に転じており、風向きが変わった様にも見えます。
在庫が増えることも値下がり圧力になるため、今後の動きが気になります。
成約が減って、在庫が増え始めたんだ。
直近の動きは気になるね。
今はまだ高値だし、競合が少ないから、売るには良いタイミングだよ。売る予定なら、まず今の売却価格を調べると良い。
参考までに都心3区を見てみよう
都心3区の中古マンション相場(レインズ)
都心3区とは、東京の中心である千代田区・中央区・港区で、東京の中でもマンション相場が先に動き始める地域。
東京のマンション相場を予想するために、都心3区にも注目しましょう。
今年7月に高値更新、10月も高値
中古マンション相場(都心3区)
都心3区の成約m2単価(赤線)は、
- 日銀の金融緩和発表(2013年1月)から価格は大きく上昇し始めた。
- コロナで2020年5〜6月はやや低迷も、2020年7月以降は再び値上がり。
- 2024年7月に高値更新、10月も高値で安定している。
長期的には約11年で164%上昇
長期的にみると、日銀の金融緩和発表(2013年1月)以降、約11年で164%上昇しています。
- 2012年12月 74.65万円/m2
↓ - 2024年10月 197.11万円/m2(+164%↑)
2013年以前に購入したマンションでは、売却すると十分な利益が期待できるでしょう。
都心3区は164%も値上がりしたんだ!
2.5倍以上になってるね。
ただ都心3区でも、直近は成約が減っているよ。
成約戸数は直近3ヶ月減少
都心3区の成約戸数も、ここ2年は増える傾向でしたが、8月から減少に転じています。
中古マンション成約戸数
(都心3区・前年同月比)
成約が減っているのは要注意。在庫が増えると値下がり圧力になるからね。
在庫も直近3ヶ月は増加
都心3区でも在庫が減っていましたが、8月移行は増加に転じています。
売り出している在庫は、コロナ禍の2020年1月から2021年4月の15ヶ月間で23%も急減。
その後半分戻り、また減っていましたが、8月移行は増えています。
在庫の増加は値下げ圧力となるため、今後の動きに注目です。
中古マンション売り出し戸数
(都心3区・レインズ在庫戸数)
在庫が増え始めたけど、まだ少ないんだね。
特に都心の在庫はまだ少ない。
多摩地区など郊外は在庫がすでに増えているよ
在庫は特に郊外で増えている
売り出す中古マンションの在庫は、都心部で少なく、郊外で増える傾向です。
中古マンション売り出し戸数の変化
(2021年5月→2024年10月)
郊外は在庫が増えているなら、早く売った方が良いのかな。
じゃあ自分のマンション価格はどうやって調べるの?
AIの価格診断とかが良いの?
AIなど匿名のマンションの価格診断は、誤差が大きいので参考程度に考えた方が良いよ。
マンション価格診断の落とし穴
レインズが使えず誤差が大きい
ネットでマンション価格を診断するサービスは、誤差が大きいため鵜呑みにすると危険です。
マンション価格診断の誤差が大きい理由は、「レインズ」の成約情報を使っていないため。
国内で唯一の不動産データベース。過去の成約情報や現在の売り出し情報が記録されており、不動産会社しか利用できない。外部に情報を公開できるのは、不動産会社が特定の売主に価格査定するときに限定されている。
ネットの価格診断サービスは、レインズの規約違反になるためレインズを使えない。
なんでレインズの情報は非公開なの?
個人情報を保護するためだよ。
登記簿と合わせてみると、誰がいくらで売ったのか分かってしまうからね。
仕方なくネット上の無料情報を使っている
ネット上のマンション価格診断サービスは、レインズの成約情報が使えないため、仕方なくネット上の無料情報を使っています。
ネット上の無料情報は大部分が売り出し価格で、成約価格とは1割〜2割の誤差があります。
築年数別の売り出し価格と成約価格
(中古マンション・東京都・2021年)
一応、成約情報も一部公開されていますが、個人が特定できないように詳細が隠されており、査定に使えるレベルではありません。
売り出し価格と成約価格について、9割の人が知らない驚きの事実について解説します。
そっか。
でもレインズが使えなくても、最近はAI診断とかスゴイんじゃないの?
確かにAIは画期的だけど、AIの元になる学習データが違っていると、診断結果も違ってしまうんだ。
AIも学習データが違うと間違った結果に
残念ながら、マンションの成約情報(レインズ)を学習していないAIは、マンションの成約価格を正しく診断できません。
なぜなら間違った元データを学習したAIは、価格診断でも間違った答えをするため。
AIとは、ざっくり説明すると「大量のデータを学習して、そのデータから規則性を読み取り、答えを推測するシステム」。
赤ん坊が学習して言葉を喋るようになるのと同じ様に、AIも学習して初めて機能します。
そのため、「AIが正確か」は、「学習データが正確か」が全てを左右することに。
例えば、日本語と英語を大量に学習したAIは、日本語と英語を通訳できます。
しかしこのAIに中国語を通訳させても、学習データに中国語がないので全く機能しません。
同じ様にネットの無料情報を集めて学習したAIでは、実際の成約価格(レインズ)と違う価格しか出せないのです。
マンション価格のAI査定が急増しているので、主要なものをまとめました。ただしマンション価格のAI査定には重大な注意点があるので、合わせて解説しています。
レインズが使えないとAIも怪しいんだね。
じゃあレインズで正確に査定するにはどうすれば良いの?
やっぱり不動産会社に無料査定を依頼するのが定番かな。
レインズで正確に査定するなら
不動産会社の無料査定が定番
レインズで正確にマンションを査定するなら、不動産会社に無料査定を依頼するのが定番です。
なぜならレインズを使えるのは不動産会社だけだから。
不動産会社は将来の契約につながる営業活動として、無料で査定してくれます。
もちろん査定を依頼したからといって売却する必要はなく、将来的に少しでも売却を考えているならOK。
マンションオーナーとしても、将来の売却で相談できる窓口ができるメリットがあります。
不動産会社はどこが良いの?
エリアでマンション売却実績が豊富な不動産会社を3〜6社選ぶのがコツだよ。
実績豊富な3〜6社に依頼する
不動産会社に査定を依頼するときのポイントは、
- エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
- 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる
エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。
また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。
不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。
ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。
売買実績が豊富な不動産会社はどこなの?
東京だと大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
- 店舗数277店舗(首都圏174店舗)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えているため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数203店舗(首都圏114店舗)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数220店舗(首都圏141店舗)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社。
東急電鉄沿線や事業用不動産に強く、全国展開も進めています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
一括査定サイトの「すまいValue」なら、大手3社にまとめて無料査定を依頼できます。
すまいValueは、大手トップ4社を含む大手6社が共同運営する一括査定サイト。
大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したので、これら大手に査定を依頼できる一括査定サイトはすまいValueしかありません。
⇒すまいValue
すまいValue(すまいバリュー)はホントに安心なの?という疑問に、マンション20戸以上を売却したプロの投資家が注意点や評判を解説します!
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却を考えているなら、大手以外も何社か話を聞いたほうが良い。
具体的には、エージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)や、地元で実績No.1の会社がオススメだね。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と合わせて査定を依頼したいのはSRE不動産(旧ソニー不動産)。
SRE不動産は業界初のエージェント制で売主だけを担当し、大手に多い両手仲介がありません。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
エージェント制のメリットは、無数にある他の不動産会社が積極的に買主を探してくれることで、結果として早く高く売れやすくなります。
最新のAI技術にも定評があり、千社以上の不動産会社に技術を提供しています。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他を探すなら一括査定サイト
地元で実績豊富な不動産会社として、例えば私鉄沿線なら電鉄系なども良いでしょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを使うと良いでしょう。
大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
よし、査定は依頼したぞ!
でも、マンションはまだ値上がりし続けるんじゃないの?
判断はあくまで自己責任だけど、これ以上の値上がりは厳しいかもね。
長期的には高齢化と人口減少があるし、短期的には金利の上昇が心配だね。
東京のマンション売却相場の見通し
日銀の金融緩和以降、都心部を中心にマンション価格は大きく値上がりしました。
しかし長期的には厳しい環境です。
長期的には値下がり傾向
東京都全体では、中古マンションの価格が長期的に値下がり傾向と予想されます。
なぜならマンションを売り出す人が増える一方で、買う人は減り続けるため。
15年で売出しが3倍以上に増えた
中古マンションを売り出す戸数は、2000年からの15年間で3倍以上に増えました。
しかし実際に売買される成約戸数は、わずかに増えただけ。
コロナで売出しは一時的に減りましたが、再び増えています。
中古マンションの売出しと成約戸数
(東京23区)
国土交通省の調査でも、中古マンションの売買戸数は2008年から横ばいで増えていません。
既存住宅販売量指数
(東京都・中古マンション30m2以上)
売買される戸数は横ばいなのに、売出しは3倍以上に増えているんだ!
なんでこんなに増えているの?
古いマンションが増えて、売り出されるからだよ。
築40年超の売出し予備軍が22.2万戸
東京都では、2021年時点で築40年超のマンションが22.2万戸と過去最多を更新。
東京都の築年数別分譲マンション戸数
マンションは築40年を超えてくると、所有者が施設に入ったり亡くなるなどして、多くが売りに出されます。
つまりこれら築40年超のマンションは『売出し予備軍』。
その数は、今売りに出されているマンション全戸数の10倍以上にもなります。
でもマンションのリノベーションとか流行ってるし、中古マンションを買う人が増えたりしないの?
それは厳しいね。
高齢化でマンションを買う世代は減って、売る世代が増えているんだ。
購入世代は減り、売却世代が増え続ける
日本は急激に人口減少と高齢化が進んでおり、人口が集まる東京都でも、高齢化が進みます。
東京都では、2020年→2040年で
- マンションを買う世代(30〜44才): 9万人減
- マンションを売る世代(65才以上): 80万人増
東京都の年齢別人口推移
長期的には中古マンションを売る人が増え、買う人は減るため、中古マンション価格は下がると予想されています。
一部の研究では、2040年に日本の住宅価格が46%下落する試算もあるほど。
(※シンガポール国立大学不動産研究センターによる)
人口減少と高齢化は不動産にマイナス要因となります。
中古マンションが増えて、多くが売り出されるけど、購入する世代は減り続けているのか…。
でも、なんで今まで中古マンション相場が高騰してきたの?
新築マンション価格が高騰したからだよ
新築の値上がりが中古価格を引き上げた
中古マンション価格は新築マンション価格で決まる
東京の中古マンション相場が高騰していた原因は、新築マンションの価格高騰です。
中古マンションの価格は、新築マンションの価格を基準に決まります。
新築・中古マンションの価格の変化
(東京23区・2012年→2023年)
23区の新築分譲マンションは11年で116%値上がり
東京23区内の新築分譲マンション価格は、この11年で116%も値上がりしました。
新築分譲マンション価格の推移
(東京23区)
70m2のマンションであれば、
- 2012年 5,607万円
- 2023年 12,089万円(+6,482万円UP!)
スゴイ値上がりだね!
でもなんで新築マンションが高騰したの?
日銀の金融緩和によって、住宅ローン金利が下がったことが原因だね。
高値でも売れるから、新築マンションも高額な価格設定になったんだ。
新築マンション値上がりの原因は、金融緩和による低金利
新築マンション価格が高騰した最大の理由は、日銀の金融緩和。
金融緩和によって、住宅ローンの金利が下がり借りやすくなりました。
- 金利2.5%: 借り入れ総額 5,594万円
- 金利0.5%: 借り入れ総額 7,704円(+38%UP!)
低金利だと、月々の支払いは変わらずに、より多くの金額を借りられます。
さらに2023年は円安が急激に進み、割安となった超都心の高級物件を海外の投資家が購入するケースも急増。
平均価格が大きく値上がりする一方で、東京都内でも都心と郊外の価格差が広がっています。
新築分譲マンション価格の推移
(東京23区と23区外の比較)
新築マンションがさらに値上がりすれば、中古マンションももっと高く売れるんだね。
ところが最近は、新築マンションが売れなくなってきたんだ。
新築マンションが売れなくなってきた
中古マンション価格の牽引役だった新築マンションも、さすがに高騰しすぎて売れなくなってきました。
新築マンション発売と契約戸数・契約率
(東京23区・2013年→2023年)
東京23区の新築分譲マンションは、2013年→2023年で、発売戸数を約6割減らしましたが、それでも1割以上が売れ残っています。
新築分譲マンションの価格は高騰しすぎており、購入者が買えなくなっています。
新築マンションが売れなくなったのか。
じゃあ中古マンションが今より値上がりするのは難しそうだね。
さらにマンション価格を高騰させた金融緩和が終わった。
これから金利が上がればマンション価格にはマイナス要因になる
金利上昇によりマンション価格が値下がりする恐れ
今は金利上昇により不動産価格が下落する恐れがあります。
17年ぶりに金利引き上げ
日銀が17年ぶりとなる金利の引き上げを開始しました。
日銀が2024年3月19日に発表した金融政策の修正で、2013年から始まった異次元金融緩和を終わらせるもの。
具体的には次の3つがある。
- マイナス金利の解除
- YCC(長短金利操作)の終了
- 株式(ETF)の購入終了
金利が上がると不動産にはマイナス効果
金利が上がると、不動産は値下がりする傾向があります。
理由として、金利が上がると住宅ローンの返済額が増え、家が売れにくくなるため。
ただし今の金利レベルでは、まだ不動産に大きな影響はありません。
この先日銀が金利の引き上げを続けると、徐々に影響が現れると予想されます。
金利上昇による不動産価格への影響は次の3段階になると予想されます。
1. まず固定金利が上がり始める
まだマンション価格に影響なし
↓
(日銀のマイナス金利解除で)
2. 新たに借りる変動金利が上がり始める
買う人が減りマンション価格に影響が出始める
↓
(日銀の金利引き上げで短プラが上がり)
3. 今すでに借りている変動金利も上がり始める【今はココ】
売る人が増えマンション価格が大きく動き始める
でも金利はそんなに上がるのかな?
専門家の意見も割れているけど、2026年度に4.0%という予想もあるよ。
みずほが3年後に固定4.8%、変動4.0%と予想
みずほ系シンクタンクの予想では、2023年度から2026年度の3年間で
- 住宅ローン金利(変動): 0.4%→4.0%(返済は約1.7倍)
- 住宅ローン金利(固定): 1.8%→4.8%
にそれぞれ金利が上がると予想しています。
【参考】みずほリサーチ&テクノロジーズ・「金利のある世界」への日本経済の適応力
金利4%だと月々の返済が1.7倍か!
金利が上がると、売る人が増えて買う人は減るから値下がりする。
すでに海外の一部では値下がりが始まっているよ。
すでに海外の一部で不動産が値下がりした
ドイツでは前年同期比で1割以上値下がり
日本に比較的似ているドイツでは、すでに2023年の1年間で-8.9%〜-20.1%値下がりし、過去60年間で最大の下落となりました。
ドイツの住宅価格指数の推移
住宅ローンの変動金利が上がり始めると、不動産価格は大きく動き始める恐れがあります。
いずれ不動産を売却する予定があるなら、準備しておいたほうが良いでしょう。
マンション価格の高騰はいつまで? 下落はいつ? 高騰の原因となった金融緩和が限界の今、中古マンション価格の短期的・長期的な展望について解説します。
分かっているのは、今はまだマンション相場が高騰していることだけだよ。
まとめ
東京の中古マンション価格は、2013年の日銀金融緩和から大きく値上がりしています。
しかし日銀の金融緩和は終わり、これから金利は上がります。
住宅ローンの変動金利が上昇し始めると、マンション相場は大きく動くかもしれません。
長期的にもマンションを売る人が増え買う人は減るため、厳しい環境です。
いずれマンションを売る予定なら、早めに行動したほうが有利なのかな。
とりあえず今の相場でいくらで売れるか、確認してみよう。
相場を知っておくと、将来の売却でも役立つよ。
あなたのマンションの価格を正確に知るためには、売却に強い不動産会社(3〜6社)に無料査定を依頼する方法が定番。
実績では大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が強くなります。
とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、38年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。
⇒三井のリハウス
大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。
⇒すまいValue
大手と比較するなら、両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
⇒SRE不動産
その他の不動産会社を探すなら、一括査定サイトを利用すると簡単です。
大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
あなたのマンション売却が成功することを、心よりお祈りしております!