「不動産会社に査定依頼したら、予想外に査定価格が安くてガッカリした!」
「近所のマンションはもっと高く売ってるのに、なんでこんなに安い査定価格なの?」
せっかく期待して査定を依頼したのに、査定価格が予想外に安いとガッカリしてしまいます。
しかし、諦める前にこの記事を読んでみて下さい。
もしかしたら、意外なところに査定価格が安くなってしまう原因があることも。
この記事では、査定価格が安かった時に確認したい6つのチェックポイントについて、分かりやすくまとめました。
この記事のもくじ
査定価格が安いときの6つのチェックポイント
思っていた以上に査定価格が安かった!
そんなときのチェックポイントとして、以下の6点が挙げられます。
査定価格が安いときの6つのチェックポイント
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.買取ではなく仲介で査定を依頼しているか?
1つ目のチェックポイントは、査定を依頼する際に「買取」でなく「仲介(一般の売買)」で依頼しているかどうか。
そもそも売却で不動産会社に依頼する場合には、「仲介」と「買取」の2パターンがあります。
仲介と買取のイメージ
仲介では不動産会社が売主と買主の間に入り、売買契約を成立させます。
買主となるのは主に一般の個人で、広告を出すなどの売却活動を行い、購入者を探すことになります。
一方、買取で買主となるのは不動産会社。
仲介と違って購入者を探す必要がなく、売却活動も不要です。

「買取」だと査定価格が安くなるの?

買取だと査定価格は相場の6〜8割になるんだ。
不動産会社は転売して利益を出すために、なるべく安い価格で買取るからね。
なお、悪質な不動産会社の中には、相場の半値以下など極端に安い査定をして、自社の転売利益を多く出すというケースもあります。
といっても、ほとんどの不動産会社はそこまで悪質な買取はしていませんので、一応頭に入れておくと良いでしょう。
買取については、こちらで詳しく解説しています。
2.複数の不動産会社へ査定を依頼しているか?
2つ目は複数の不動産会社へ査定依頼しているかどうか。
とりあえず近くの不動産会社に依頼・・・という状態では、査定価格が適正かどうかの判断もできません。

確かに、1社だけだと比較もできないね

そう。査定価格と査定根拠、できれば近隣エリアの取引状況なども聞いてみると判断しやすくなるよ
また、不動産会社には得意分野そそうでない分野があるもの。
売却実績が少ない不動産会社に依頼しても、なかなか売れずに時間だけが過ぎてしまう・・・なんて可能性もあるのです。
大事なポイントは、エリアで実績が豊富な不動産会社3〜6社程度へ査定依頼すること。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトもどういった不動産会社が登録しているのか、あらかじめ確認してから利用するのがオススメだよ
一括査定サイトはこちらで紹介しています。
3.実際に家に来て査定しているか?
3つ目は査定方法について。
査定方法には大きく分けて、次の2種類があります。
2種類の査定方法
- 机上査定(簡易査定)
- 簡易的な査定方法。
立地や築年数、間取りといった物件情報と、周辺地域の取引事例や市場の動向などから査定します。
あくまでも情報をもとに査定するので、個々の物件の状況などは反映されません。 - 訪問査定(現場査定)
- こちらは実際に物件を見たうえで査定するもの。
こちらの方法では周辺環境や日当たり、眺望、設備の状況など、個々の物件の状況が反映されます。

訪問査定は時間もかかるけれど、個々の物件の状況を反映してくれるから、精度の高い査定ができるんだ。正確な査定を期待するなら、訪問査定が基本と覚えておこう

どの不動産会社も、訪問査定までやってくれるわけではないの?

不動産会社によっては、机上査定だけで終わらせてしまうところもある。訪問査定の話が出ないようなら、こちらからお願いしてやってもらうようにしよう
なお、不動産会社が実際に査定に来るときは、先に机上査定を行ってから、訪問査定時に査定額を修正していくというのが一般的です。
査定方法の違いについては、こちらで詳しく解説しています。
4.権利関係・接道など問題がないか?
家の価格に影響を与えるのは、建物や土地そのものの状態だけではありません。
建物が建っている敷地がどういった道路に接しているか(接道)や、所有者の権利関係がどうなっているかも大きく影響するのです。

敷地が接している道路によっても影響を受けるの?

実は、不動産の価値に大きく影響するのが道路なんだ。
接道義務を満たしていないと、建物を建替えできない再建築不可になる事もある。
さらに他人の所有する私道にしか接していない場合は、私道所有者から道路を掘削する許可がとれないと、家を売ることすらできないケースもあります。
接道について、詳しくはこちらで解説しています。
私道の通行・掘削承諾書については、こちらで詳しく解説しています。
また、所有する権利がシンプルでない場合も、査定価格に影響します。
例えば、次のような場合。
- 相続の相続で孫の代になり、共有名義の所有者が10人以上になって行方も分からない人がいる
- 相続争いで共有名義人が売却に反対している
- 借地権で底地所有者が認知症になっている
- 隣地ともめて土地の境界が確定できない
このような場合は、そのままのでは売却できないため、まずは問題を解決しなくてはいけません。
しかし、問題のない状態にするためには長い時間と多くの手間がかかります。
一方で、どんなに手間と時間がかかっても、不動産会社の受け取る手数料は売却価格の3%+6万円が上限と法律で制限されています。
その結果、極端に手間がかかりそうな不動産では、不動産会社は「お断り」の意思表示として、相場より極端に低い価格を提示する場合もあります。
ここまで読んで不安になり、もし権利関係を確認しようと思った場合は、登記簿謄本を見れば自分でも確認できます。
登記簿謄本については、こちらで解説しています。
5.周辺や同じ敷地内などで事故などがなかったか?
事故の有無も、心理的瑕疵の一つと捉えられるため価格に影響します。

心理的瑕疵?

その物件を売買するにあたって、心理的に「嫌だな」と感じる可能性があるものの事だよ
事故物件の場合、全く気にしない人もいれば、絶対に嫌だと思う人もいます。
感じ方は人それぞれなので明確な基準はありませんが、やはり価格は安くなりがちです。
こうした事故物件については、「大島てる」のサイトで調べてみると良いでしょう。
【参考】事故物件情報サイト: 大島てる
また、マンションの場合はクチコミ掲示板もチェック。
基本的には住人によるクチコミですが、ひどい場合は競合物件を担当している不動産会社がデマを書き込むケースも。
こうした掲示板での評価が極端に低くなっていないか、一度確認してみることをオススメします。
【参考】主なマンション口コミ掲示板
6.既存不適格や違法建築ではないか?
最後のチェックポイントは、既存不適格や違法建築になっていないかどうか。
該当すると査定価格も安くなってしまいます。
既存不適格は、施工当時は基準を満たしていたものの、その後の法改正などによって現状の基準を満たしていない状態になってしまったもの。
違法建築はそもそも基準を満たしていない物件で、法律に違反して建築されたもののことです。

似ているようだけど、違うものなんだね

そうなんだ
既存不適格の場合、原則としてそのままの状態であれば使い続けることができ、違反にもなりません。
しかし、建替えや増改築を行う場合は、現状の基準に適合させる必要があります。
実は一戸建てだけでなく、マンションでも既存不適格は多く、建替えが困難になるため、築年数が古くなると価格が下がりやすくなります。
既存不適格のマンションについては、こちらで解説しています。
一方の違法建築の場合は、特定行政庁から建物の取り壊しや使用禁止といった是正措置命令を受けることも。
また、違法建築では一般的に住宅ローンが利用できません。
さらに、違法建築である旨を重要事項説明で説明する必要があるため、購入者が非常に限定的になり、資産価値は大きく下がります。
もしあなたの家が違法建築かどうか調べる場合は、検査済証の有無を確認するか、不動産会社に直接聞くと分かります。
検査済証については、こちらで解説しています。

査定価格が安くなる理由は色々あるんだね。
てっきり家が汚いからとか思っちゃった。

家の掃除などは査定価格にあまり関係しないんだ。

せっかくだから、査定価格について注意する点も説明するね。
知っておきたい査定価格の3つの注意点
不動産会社はプロだから、プロの査定価格で売り出せば売却もスムーズに進むはず・・・。
そう思ってしまうかもしれませんが、査定価格には3つの注意点があります。
注意点1. 売り出し価格を見ても査定価格はわからない
「近くのマンションが4,000万円で売り出されていたから、うちも同じくらいか?」
不動産会社に査定を依頼しなくても、不動産ポータルサイトなどで近隣の類似物件の価格をみれば十分では…と思うかもしれません。
実は、売り出し価格を見ても査定価格は分かりません。
というのも、売り出している物件のうち、半数以上は売れずに結局は売ることを諦めているからです。

え! 半分も売れていないの?

そうなんだよ。
売り出し価格を参考に売り出しても、売れずに時間が過ぎるだけになる恐れもあるんだ。
また、宅建業者が売り主の場合、次のような理由から個人が売り主の場合より価格が高くなる傾向があります。
宅建業者が売主だと価格が高くなる理由
- 瑕疵担保責任の期間が最低2年と手厚い
- 多くは大規模なリフォームを行なっている
- すまい給付金や住宅ローン減税
- 仲介手数料が含まれている
以上のような理由から、こうした売値も参考にはならないのです。
売出し価格については、こちらで解説しています。
注意点2. 匿名でできる査定サービスは参考程度
インターネット上には、物件の情報などを入力するだけで簡単に査定価格が分かるサービスが増えています。
手軽で非常に便利なサービスですが、査定結果はあくまでも参考程度と考えた方が良いでしょう。
なぜなら、匿名の査定サービスではレインズを利用できないため、ネット上の「売り出し価格」をベースに査定しているから。

レインズって何?

不動産売買の成約価格がまとめられた、日本で唯一のデータベースだよ。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと
不動産会社は、この「レインズ」の成約価格を利用して、あなたの家を査定します。
レインズには過去の成約価格が掲載されているため、より実情に近い、精度の高い査定が可能になるのです。
しかし、レインズを利用できるのは不動産会社だけ。
匿名の査定サービスは、レインズの規約違反になるため、レインズを利用できないのです。

でもAIなんかスゴイんじゃないの?

AIは、赤ちゃんが言葉を覚えるように、元データを学習して予想するんだ。
日本語で育った赤ちゃんが英語を話せないように、売り出し価格を学習したAIは成約価格を予想できないんだよ
注意点3. 不動産会社も担当者も当たり外れがある
どんなに有名で実績がある不動産会社でも、支店や担当者によっては当たり外れがあります。
おそらく、あなたの働いている(働いていた)会社にも、仕事ができる優秀な人と、ちょっと仕事が苦手な人がいたことでしょう。
完璧な会社や完璧な人間はいないので、そこは仕方のない部分ですね。
だからこそ、1社に絞るのではなく複数の不動産会社に査定してもらうのが重要なのです。
査定依頼の際には、3〜6社の不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産会社を選ぶ際は、査定価格だけでなく、その根拠なども含めて話を聴き比べて、不動産会社を選ぶようにしましょう。

そんなに多くの不動産会社なんか知らないよ。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 18万件(開始後2年合計)
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国870店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
6社といっても全国870店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではHOME4U又はHOME'Sも確認してみたほうが良いでしょう。
しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。HOME4U
- 査定実績:
- 累計35万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,300社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。LIFULL HOME'S
- 査定実績:
- 非公開(サイト利用者476万人)
- 不動産会社数:
- 1,777社
- 運営会社:
- 株式会社LIFULL
運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。
管理人のコメント
不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】HOME4U
【公式サイト】LIFULL HOME'S
首都圏・関西圏ならSRE不動産(旧ソニー不動産)も
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)、関西圏(大阪・兵庫)の場合は、SRE不動産(旧ソニー不動産)もおすすめです。

SRE不動産は、あのソニーが始めた不動産会社。
アメリカ式エージェント制度を取り入れ、完全に売り主の立場で家の売却をサポートしてくれます。
ソニー不動産について詳しくはこちら
⇒SRE不動産(旧ソニー不動産)の評価・口コミ、利用するときの注意点とは
SRE不動産では、メールで査定結果を教えてくれるので、とりあえず査定価格の取り寄せだけでも試す価値はあります。
SRE不動産の無料査定依頼はこちら
⇒SRE不動産